【消化器】小腸・大腸の構造と機能|絨毛・腸間膜・水分吸収を図解で解説

2章 人体構造・機能論

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🔰 この記事について

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この記事では、
小腸・大腸の構造と機能
について、図解を用いて
わかりやすく解説しています。

小腸は、消化・吸収の中心となる器官です。

輪状ひだ(ケルクリングひだ)、絨毛、微絨毛
によって表面積を大きくし、
効率よく栄養素や水分を吸収しています。

一方、大腸は主に水分や電解質を吸収し、
便の形成・貯留を担っています。

本記事では、小腸・大腸の特徴と役割を、
試験対策に役立つポイントを押さえながら
整理していきます。

※ 5択クイズは 別記事 に掲載しています。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の項目について、
重要ポイントをまとめています。

  • 小腸・大腸の構造
  • 小腸・大腸の可動性
  • 小腸の内部構造
  • 小腸・大腸の機能

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▶️ 消化器系の基礎知識
▶️ 食道の構造と機能
▶️ 胃・十二指腸の構造と機能
▶️ 栄養素の消化と吸収(準備中)
▶️ 肝臓・胆嚢の構造と機能(準備中)
▶️ 膵臓・腹膜の構造と機能(準備中)

🩺 学習の進め方

本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。

📌 おすすめの学習ステップ

  • まず クイズ で理解度チェック
  • 本記事で知識を整理
  • もう一度クイズに挑戦して知識を定着

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▶︎ 小腸・大腸の構造
▶︎ 小腸・大腸の可動性
▶︎ 小腸の内部構造
▶︎ 小腸・大腸の機能

小腸・大腸の構造

  • 小腸と大腸は、
    食物の消化・吸収水分の再吸収
    を担う重要な器官です。
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まずは、それぞれの区分と
特徴を確認していきましょう。

小腸の区分

  • 小腸は、次の3つの部位からなります。
  • 十二指腸
  • 空腸
  • 回腸
  • 回腸は、
    回盲弁を介して大腸の盲腸へと続きます。
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十二指腸については
前回の記事で解説しています。
本記事では、空腸回腸
中心にみていきましょう。
▶️ 胃・十二指腸の構造と機能

  • 一般に、十二指腸を除いた小腸のうち、
  • 前2/5を空腸
  • 後3/5を回腸

     と呼びます。

※ 空腸と回腸の境界は明確ではありません。

図1:小腸と大腸の区分
小腸(空腸・回腸)と大腸(盲腸・結腸・直腸)
の位置関係を示した模式図。
空腸は小腸前半の約2/5、回腸は後半の約3/5を占める。
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大腸の区分

  • 大腸は、以下の3つの部分に区分されます。
  • 盲腸
    先端に虫垂という細長い突起をもつ
  • 結腸
    上行結腸・横行結腸・下行結腸・
    S状結腸からなる
  • 直腸
    S状部・上部・下部・肛門管からなる
  • 大腸の外表面には、
    大腸に特有の構造として、
    3本結腸ヒモ(結腸紐)がみられます。
  • 結腸ヒモは、
    大腸の縦走筋が帯状に肥厚した構造です。
  • 結腸ヒモが大腸壁を短縮することで、
    数珠状のふくらみである
    結腸膨起(ハウストラ)が形成されます。
上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸を示した大腸の模式図。盲腸、虫垂、結腸ヒモ、結腸膨起(ハウストラ)の位置も示している。
図2:大腸の構造
大腸は、盲腸、結腸、直腸から構成される。
結腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に区分され、
直腸はS状部、上部、下部、肛門管に分けられる。
盲腸の先端には虫垂が存在する。
また、大腸には結腸ヒモと結腸膨起(ハウストラ)といった
特有の構造がみられる。
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疾患豆知識|ハウストラの消失
  • 潰瘍性大腸炎では、
    慢性的な炎症によって
    ハウストラが消失することがあります。
  • 画像検査では、
    大腸がまっすぐな管状に見え、
    鉛管像(lead-pipe appearance)」
    と呼ばれる特徴的な所見を示します。

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小腸・大腸の可動性

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消化管の可動性は、
腸間膜の有無によって異なります。

  • 腸間膜をもつ部位は可動性が大きく
    後腹膜に固定された部位は可動性が小さい
    のが特徴です。

小腸の可動性

  • 空腸回腸は、
    腸間膜(mesentery)によって
    支持されており、高い可動性をもちます
  • 腸間膜は、小腸を後腹壁へつなぎ、
    血管・リンパ管・神経の通り道
    としても機能しています。
  • また、腸間膜が後腹壁に付着する部分を
    腸間膜根といいます。
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十二指腸の大部分は
後腹膜に固定されており、
可動性は大きくありません。

図3:小腸と腸間膜
空腸と回腸は腸間膜によって支持され、
腸間膜根で後腹壁へ付着している。
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大腸の可動性

  • 大腸では、部位によって可動性が異なります。
  • 上行結腸・下行結腸
    → 後腹膜に固定され、可動性が小さい
  • 横行結腸
    → 横行結腸間膜をもち、可動性が大きい
  • S状結腸
    → S状結腸間膜をもち、可動性が大きい
図4:大腸の固定部と可動部
上行結腸と下行結腸は後腹膜に固定されている。
一方、横行結腸とS状結腸は腸間膜によって支持され、可動性をもつ。
“Slagter – Drawing Large intestine with vascularisation
and mesocolons – No labels” by Ron Slagter,
license: CC BY-NC-SA

小腸の内部構造

  • 小腸は、
    効率よく栄養素を吸収できるよう、
    表面積を大きくする構造をもっています。
  • 空腸は回腸よりも管径が大きく
    粘膜の輪状ヒダ(ケルクリングひだ)
    がよく発達しています。
  • 輪状ひだの表面には、
    多数の絨毛が密に並んでいます。
  • さらに、
    絨毛を覆う小腸上皮細胞の管腔側には
    微絨毛が存在し、
    刷子縁(brush border)を形成しています。
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輪状ヒダ・絨毛・微絨毛
という三重構造によって、
小腸の表面積は
飛躍的に拡大しています。


    

小腸の内部構造を示した模式図。小腸粘膜には輪状ひだ(ケルクリングひだ)があり、その表面に多数の絨毛が存在する。絨毛は小腸上皮細胞で覆われ、管腔側には微絨毛(刷子縁)が発達している。絨毛内部には毛細血管と中心乳び管が走行している。
図5:小腸の内部構造
小腸では、輪状ひだ(ケルクリングひだ)の表面に多数の絨毛が存在する。
さらに、絨毛を覆う小腸上皮細胞の管腔側には微絨毛が発達し、刷子縁を形成している。
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  • 絨毛の内部には、
    毛細血管リンパ管(中心乳び管
    が走行しています。
  • 刷子縁には消化酵素が存在し、
    二糖類やペプチドを最終的に分解します。
  • 分解された栄養素は、
    単糖やアミノ酸として吸収されます。
  • 栄養素の吸収経路には特徴があり、
  • 糖質・アミノ酸毛細血管へ吸収される
  • 脂質中心乳び管へ吸収される

    という違いがあります。

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小腸・大腸の機能

消化・吸収機能

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小腸は、
消化・吸収の中心となる器官です。

  • 十二指腸では、
  • 胃酸の中和
  • 膵液による消化
  • 胆汁による脂肪の乳化

    などが行われます。

詳細は、▶️ 胃・十二指腸の構造と機能

  • 空腸・回腸では、
  • 刷子縁の消化酵素による消化(最終段階)
  • 栄養素の吸収
  • 水分の吸収

    などが行われます。

  • 一方、大腸では
    栄養素の消化・吸収はほとんど行われず、
  • 水分や電解質の吸収
  • 便の形成・貯留

    などが行われます。

消化管内の水分の動態

  • 食物や飲水由来の水分(約2L)に加え、
    唾液、胃液、胆汁、膵液、腸液などの
    消化液として、
    1日あたり約6〜7 Lの水分が
    消化管内へ分泌されます。
  • その結果、
    消化管内を通過する総水分量は
    8〜9 L/日に達します。
  • これらの水分の大部分は小腸で吸収され、
    残りは大腸で再吸収されます。
  • 小腸での吸収:約90〜95%
  • 大腸での吸収:約4〜9%
  • 糞便として排泄:約1〜2%
消化管内の水分動態を示した模式図。飲水・食物由来の水分約2Lと消化液約6〜7Lが消化管内へ流入し、小腸で約90〜95%、大腸で約4〜9%が吸収され、約100〜200mLが糞便として排泄される。
図6:消化管内の水分動態
消化管内には、飲水・食物由来の水分と消化液を合わせて
約8〜9 Lの水分が流入する。
その大部分は小腸で吸収され、残りは大腸で吸収される。

腸内細菌の働き

  • 大腸には多種類の腸内細菌が存在し、
    腸内環境の維持に重要な役割を
    果たしています。
  • 腸内細菌は、
  • ビタミンB群やビタミンK合成
  • 短鎖脂肪酸の産生
  • 病原菌の定着抑制

    などに関与しています。

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小腸にも腸内細菌は存在しますが、
その数は大腸に比べて少なく
腸内細菌の機能は
主に大腸で担われています。

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小腸・大腸の構造

□ 小腸の区分
 ・十二指腸
 ・空腸(空腸・回腸の前2/5
 ・回腸(空腸・回腸の後3/5

□ 大腸の区分
 ・盲腸:先端に虫垂をもつ
 ・結腸:上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸
 ・直腸:S状部・上部・下部・肛門管

□ 大腸に特有の構造
 ・結腸ヒモ(結腸紐)
 ・結腸膨起(ハウストラ)

□ 結腸ヒモの特徴
 ・大腸の縦走筋が帯状に肥厚した構造
 ・3本の結腸ヒモにより大腸壁が短縮される
 → 結腸膨起(ハウストラ)が形成される

小腸・大腸の可動性

後腹膜に固定され、可動性が小さい
 ・十二指腸(大部分)
 ・上行結腸
 ・下行結腸

腸間膜に支持され、可動性が大きい
 ・空腸・回腸
 ・横行結腸
 ・S状結腸

□ 腸間膜の役割
 ・消化管を後腹壁へ固定する
 ・血管・リンパ管・神経の通り道となる

小腸の内部構造

□ 空腸の特徴
 ・回腸より管径が大きい
 ・輪状ヒダ(ケルクリングひだ)が発達

□ 小腸の表面積を拡大する構造
 ・輪状ヒダ:表面に絨毛をもつ
 ・絨毛小腸上皮細胞で覆われる
 ・微絨毛:表面で刷子縁を形成

□ 絨毛における消化・吸収
 ・刷子縁の消化酵素により
  二糖類やペプチドを最終分解
 → 絨毛内の毛細血管・リンパ管に吸収

□ 栄養素の吸収部位
 ・糖質・アミノ酸 → 毛細血管へ吸収
 ・脂質 → 中心乳び管(リンパ管)へ吸収

小腸・大腸の機能

小腸は消化・吸収の中心となる器官

□ 十二指腸の働き
 ・胃酸を中和する
 ・膵液中の消化酵素による消化
 ・胆汁による脂肪の乳化・吸収促進

□ 空腸・回腸の働き
 ・刷子縁酵素による最終消化
 ・栄養素の吸収
 ・水分の吸収

□ 大腸の働き
 ・水分・電解質の吸収
 ・便の形成・貯留

□ 消化管内の水分動態
 ・飲水・食物:約2 L/日
 ・消化液:約6〜7 L/日
 → 消化管内総水分量:約8〜9 L/日

□ 水分の吸収割合
 ・小腸:約90〜95%
 ・大腸:約4〜9%
 ・糞便:約100〜200 mL/日

□ 腸内細菌の働き
 ・ビタミンB群・ビタミンKの合成
 ・短鎖脂肪酸の産生
 ・病原菌の定着抑制
 ・腸内環境の維持

腸内細菌の大部分は大腸に存在する

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※ 記事作成には正確を期しておりますが、
 内容に誤りや改善点がございましたら、
 お知らせいただけますと幸いです。
 今後の教材作成の
 参考にさせていただきます。

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