【消化器】食道の構造と機能|食道壁・括約筋・生理的狭窄部を図解で解説

2章 人体構造・機能論

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🔰 この記事について

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この記事では、
食道の構造と機能 について、
図解を用いて
わかりやすく解説しています。

食道は、
食物を胃へ運ぶ重要な役割を担う消化管ですが、
消化や吸収は行わないという特徴があります。

また、食道の区分筋層の特徴
上部・下部食道括約筋(UES・LES)
生理的狭窄部などは、
国家試験や定期試験で頻出のポイントです。

本記事では、食道の解剖学的特徴と機能を、
試験対策に役立つポイントを押さえながら
コンパクトに整理しました。

※ 5択クイズは 別記事 に掲載しています。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の項目について、
重要ポイントをまとめています。

  • 食道の区分
  • 筋層の特徴
  • 食道壁の構造
  • 上部・下部食道括約筋
  • 生理的狭窄部
  • 食道の機能

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🩺 学習の進め方

本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。

📌 おすすめの学習ステップ

  • まず クイズ で理解度チェック
  • 本記事で知識を整理
  • もう一度クイズに挑戦して知識を定着

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▶︎ 食道の構造
  区分筋層の特徴食道壁の構造
  上部食道括約筋下部食道括約筋
  生理的狭窄部
▶︎ 食道の機能

食道の構造

食道の区分

  • 成人の食道の長さは約25〜30cmで、
    咽頭と胃をつなぐ筋性の管です。
  • 食道は解剖学的に
  • 頸部食道(Ce)
  • 胸部食道(Ut・Mt・Lt)
  • 腹部食道(Ae)

    の3つに区分されます。

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食道癌などの病変部位の表記として、
Ce・Ut・Mt・Lt・Ae
が用いられます。

区分範囲特徴
頸部食道
(Ce)
第1狭窄部〜胸骨上縁食道入口部を含む
胸部食道
(Ut/Mt/Lt)
胸骨上縁〜横隔膜食道の大部分を占める
腹部食道
(Ae)
横隔膜〜胃噴門下部食道括約筋(LES)
が存在する
食道の解剖学的構造を示した図。食道を頸部食道(Ce)、胸部食道(Ut・Mt・Lt)、腹部食道(Ae)に区分し、上部食道括約筋(UES)、下部食道括約筋(LES)、食道裂孔、胃との位置関係を示している。
図1:食道の解剖学的構造
食道は、
頸部食道(Ce)、胸部食道(Ut・Mt・Lt)、腹部食道(Ae)
に区分される。
上部食道括約筋(UES)、下部食道括約筋(LES)、食道裂孔
の位置も示す。
“Palmer – Drawing Anatomic constrictions of the oeophagus
– English labels” by Beckie Palmer,
© StatPearls Publishing LLC, license: CC BY

食道の筋層の特徴

  • 食道の筋層は、
    上から下へ向かうにつれて
    横紋筋から平滑筋へ移行します。
  • 上部1/3:横紋筋主体
  • 中部1/3:横紋筋と平滑筋が混在
  • 下部1/3:平滑筋主体
  • このため、嚥下随意運動から始まり、
    その後は自律的な蠕動運動によって
    胃へ運ばれます。

蠕動運動については、以下を参照👇
▶️ 消化器系の基礎知識|蠕動運動

食道壁の構造

食道壁の断面構造を示す図。重層扁平上皮からなる粘膜、粘膜下層、輪走筋と縦走筋からなる固有筋層、外膜の層構造と、マイスナー神経叢およびアウエルバッハ神経叢の位置を示している。
図2:食道壁の断面構造
食道壁を層ごとに示した図。食道壁は、
粘膜(重層扁平上皮)、粘膜下層、固有筋層(輪走筋・縦走筋)、
外膜と神経叢(マイスナー神経叢・アウエルバッハ神経叢)
から構成される。
Created with BioRender.com
  • 食道壁は、
  • 粘膜
  • 粘膜下層
  • 固有筋層
  • 外膜

    から構成されます。

  • 粘膜は重層扁平上皮で覆われており、
    食物による機械的刺激から
    組織を保護しています。

重層扁平上皮については、以下を参照👇
▶️ 上皮組織の種類 

  • また、粘膜下層にはマイスナー神経叢
    輪走筋と縦走筋の間には
    アウエルバッハ神経叢が存在し、
    消化管運動や消化管機能の調節
    に関与しています。
  • 食道の大部分は漿膜を持たず
    最外層は外膜で覆われていることも特徴です。

消化管壁の基本構造や壁内神経叢については
▶️ 消化器系の基礎知識|消化管壁の構造
  を参照。

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▶︎ 食道の構造
  区分筋層の特徴食道壁の構造
  上部食道括約筋下部食道括約筋
  生理的狭窄部
▶︎ 食道の機能

上部食道括約筋(UES)

  • 頸部食道の入口には、
    上部食道括約筋
    (Upper Esophageal Sphincter:UES
    が存在します。
  • UESは
    主に輪状咽頭筋によって形成されており、
    通常は収縮した状態を保っています。
  • 嚥下時には一時的に弛緩し、
    食塊を食道内へ送り込みます。

下部食道括約筋(LES)

  • 腹部食道の下端には、
    下部食道括約筋
    (Lower Esophageal Sphincter:LES
    が存在します。
  • LESは嚥下時に弛緩し、
    食塊をへ送り込みます。
  • 一方、通常は収縮した状態を保ち、
    胃酸や胃内容物の逆流を防いでいます
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LESの機能が低下すると、

胃食道逆流症(GERD)
の原因となります。

食道の生理的狭窄部

  • 食道には、
    以下の3つの生理的狭窄部が存在します。
  • 第1狭窄部:食道入口
  • 第2狭窄部:大動脈弓・左主気管支交叉部
  • 第3狭窄部:横隔膜貫通部(食道裂孔部)
食道の3つの生理的狭窄部を示した図。第1狭窄部は食道入口部、第2狭窄部は大動脈弓と左主気管支の交叉部、第3狭窄部は横隔膜の食道裂孔部に位置する。
図3:食道の生理的狭窄部
第1〜第3狭窄部の位置と周囲構造との関係を示す。
“Palmer – Drawing Anatomic constrictions of the oeophagus
– English labels”  by Beckie Palmer,
© StatPearls Publishing LLC, license: CC BY
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食道の生理的狭窄部は、
異物の停滞部位として重要で、
内視鏡検査では
病変の位置を把握する際の目安
として用いられます。

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▶︎ 食道の機能

食道の機能

  • 食道には、
    食物を胃へ送り込む運搬機能と、
    胃内容物の逆流を防ぐ防御機能があります。
  • 一方で、胃や小腸とは異なり、
    消化・吸収機能はありません。
機能内容
運搬機能主に副交感神経(迷走神経)の支配を受け、
蠕動運動によって食塊を咽頭から胃へ輸送する。
防御機能下部食道括約筋(LES)が通常は収縮しており、
胃酸や胃内容物の逆流を防ぐ
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LESの機能が低下すると、
胃酸が逆流し、
逆流性食道炎 などの疾患
につながります。

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食道の構造

□ 食道の区分
 ・頸部食道(Ce)
 ・胸部食道(Te):
   上部・中部・下部(Ut・Mt・Lt)
 ・腹部食道(Ae)

□ 筋層の特徴
 ・上部1/3:横紋筋主体
 ・中部1/3:横紋筋と平滑筋が混在
 ・下部1/3:平滑筋主体

□ 食道壁の構造
 ・粘膜:重層扁平上皮で構成される
 ・粘膜下層:マイスナー神経叢が存在する
 ・固有筋層:内輪走筋・外縦走筋からなる
 ・筋層間:アウエルバッハ神経叢が存在する
 ・最外層:外膜(大部分は漿膜を持たない

□ 上部食道括約筋(UES
 ・主に輪状咽頭筋によって形成される
 ・嚥下時に弛緩し、食塊を食道へ送る

□ 下部食道括約筋(LES
 ・嚥下時に弛緩し、食塊をへ送る
 ・通常は収縮し、胃酸や内容物の逆流を防ぐ

□ 生理的狭窄部
  ・第1狭窄部:食道入口(輪状咽頭筋部)
  ・第2狭窄部:大動脈弓・左主気管支交叉部
  ・第3狭窄部:横隔膜貫通部(食道裂孔部)

食道の機能

□ 運搬機能
 ・蠕動運動により、食塊を胃へ輸送する

□ 防御機能
 ・下部食道括約筋(LES)の収縮により、
  胃酸や胃内容物の逆流を防ぐ

□ 食道の特徴
 ・消化・吸収機能はない

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