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🔰 この記事について
- 膵臓は、膵液を分泌する外分泌機能と、
血糖値を調節する内分泌機能をもつ重要な臓器です。 - また、膵臓は後腹膜臓器であり、
その位置関係を理解するためには
腹膜の構造もあわせて学ぶことが重要です。

(管理人)
この記事では、
膵臓・腹膜の構造と機能について
図解でわかりやすく解説します。
※ 5択クイズは 別記事 に掲載しています。
🖊️ この記事で学べる内容
以下の項目について、
重要ポイントをまとめています。
🔗 関連記事
【消化器】シリーズのその他の記事はこちら👇
▶️ 消化器系の基礎知識
▶️ 食道の構造と機能
▶️ 胃・十二指腸の構造と機能
▶️ 小腸・大腸の構造と機能
▶️ 栄養素の消化と吸収
▶️ 肝臓・胆嚢の構造と機能
🩺 学習の進め方
本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。
📌 おすすめの学習ステップ
- まず クイズ で理解度チェック
- 本記事で知識を整理
- もう一度クイズに挑戦して知識を定着
🎯 こんな人におすすめ
🔍 重要ポイントをチェック|膵臓・腹膜の構造と機能
重要ポイントだけ復習したい方はこちら👇
膵臓
- 膵臓は、後腹膜に位置する臓器で、
消化に関わる外分泌機能と、
血糖値の調節に関わる内分泌機能
の両方をもっています。
膵臓の区分
- 膵臓は、以下の3つの部位に分けられます。

膵頭部・膵体部・膵尾部の区分と、
主膵管・副膵管、胆嚢・総胆管・十二指腸との位置関係を示す。
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膵管
- 膵臓で作られた膵液は、
膵管を通って十二指腸へ送られます。 - 膵管には、主膵管と副膵管があります。
主膵管
- 膵臓を縦走する主要な膵管で、
膵液の大部分を運びます。 - 多くの場合、総胆管と合流し、
大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)を介して
十二指腸へ開口します。 - 主膵管と総胆管が合流した後は、
オッディ括約筋によって
膵液や胆汁の十二指腸への流出
が調節されています。
大十二指腸乳頭やオッディ括約筋の詳細は、
▶️ 胃・十二指腸の構造と機能 をチェック
副膵管
- 多くの人に存在し、
小十二指腸乳頭から十二指腸へ開口します。
🧭 勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 構造:膵臓の区分|膵管
▶︎ 外分泌機能
▶︎ 膵液の特徴
▶︎ タンパク分解酵素の活性化
▶︎ 膵液分泌の調節
▶︎ 内分泌機能
外分泌機能
- 膵臓の大部分(約90%以上)は
外分泌組織で占められています。 - 外分泌部では膵液が産生され、
1日に約1.5 L分泌されます。 - 膵液は、腺房細胞から分泌される消化酵素と、
導管細胞から分泌される
重炭酸イオン(HCO₃⁻)から構成されます。

膵臓の大部分は外分泌部(腺房細胞・導管細胞)から構成される。
腺房細胞は消化酵素を分泌し、導管細胞は重炭酸イオンを分泌する。
一方、内分泌部であるランゲルハンス島は膵臓内に点在し、
各種ホルモンを分泌する。
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膵液の特徴
- 膵液には、
消化酵素と重炭酸イオン(HCO₃⁻)
が含まれています。 - 消化酵素は
三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)
の消化を行い、
重炭酸イオンは
胃酸を中和する働きがあります。
三大栄養素の消化
- 膵液中には、
糖質・タンパク質・脂質を分解する
消化酵素に加え、
核酸を分解するヌクレアーゼ
も含まれています。
| 分解対象 | 代表的な酵素 | 働き |
|---|---|---|
| 糖質 | アミラーゼ | デンプンを 二糖類に分解する |
| タンパク質 | トリプシン、 キモトリプシン、 エラスターゼ、 カルボキシペプチダーゼ | ペプチドを分解し、 さらに小さなペプチドや アミノ酸にする |
| 脂質 | リパーゼ | 中性脂肪を モノグリセリドと 脂肪酸に分解する |
| 核酸 | ヌクレアーゼ | DNAやRNAを ヌクレオチドに分解する |

(管理人)
膵液は、
三大栄養のすべてを消化できる
のが特徴です。
三大栄養素の消化について、詳細は
▶️ 栄養素の消化・吸収 をチェック!
胃酸の中和
- 膵液には、導管細胞から分泌された
重炭酸イオン(HCO₃⁻)が含まれています。 - このため、膵液は
pH7.8〜8.4の弱アルカリ性を示します。 - HCO₃⁻は、胃から送られてきた
強酸性の胃内容物(食塊)を中和し、
小腸の粘膜を保護するとともに、
膵液中の消化酵素が働きやすい環境
を作ります。

(管理人)
重炭酸イオン(HCO₃⁻)=アルカリ性
と覚えましょう。
酸(H⁺)を中和する働きがあります。
タンパク分解酵素の活性化機構
- タンパク分解酵素は、
不活性型(前駆体)として
膵臓から分泌されます。 - これらは十二指腸内で活性化されて初めて
タンパク質を分解できるようになります。 - この仕組みにより、
膵臓自身が消化される(自己消化)
ことを防いでいます。

(管理人)
自己消化とは、
自分自身の組織を消化酵素で分解
してしまうことです。
タンパク分解酵素を
最初から活性型で分泌すると、
膵臓そのものを消化してしまう
危険があります。
- 何らかの原因で、
膵臓内でトリプシンが活性化されると
膵臓自身を消化してしまい、
急性膵炎を引き起こします。
- まず、トリプシノーゲンは
十二指腸刷子縁に存在する
エンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ)
によってトリプシンへ活性化されます。 - さらに、活性化されたトリプシンは、
他のタンパク分解酵素の前駆体も
次々に活性化します。

膵臓から分泌されるタンパク分解酵素は、
不活性型(前駆体)として分泌される。
トリプシノーゲンは十二指腸内で
エンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ)によりトリプシンへ活性化され、
さらにトリプシンが他の前駆体も活性化することで、
タンパク分解酵素として働く。

(管理人)
酵素名の「-ogen(オーゲン)」や
「pro-(プロ)」には、
「前駆体(まだ働けない状態)」
という意味があります。
膵液分泌の調節
- 膵液の分泌は、
十二指腸から分泌される消化管ホルモン
によって調節されています。 - 膵液分泌を促進する代表的なホルモンは、
セクレチンとコレシストキニン(CCK)です。
セクレチン
- 導管細胞に作用し、
重炭酸イオン(HCO₃⁻)に富む膵液の分泌
を促進します。 - その他、胃酸の分泌抑制作用もあります。
コレシストキニン
- 腺房細胞に作用し、
消化酵素に富む膵液の分泌を促進します。 - 胆嚢を収縮させ、
胆汁分泌を促進する作用もあります。
| 消化管ホルモン | 主な作用部位 | 促進するもの |
|---|---|---|
| セクレチン | 導管細胞 | 重炭酸イオン(HCO₃⁻) |
| コレシストキニン(CCK) | 腺房細胞 | 消化酵素 |
セクレチン・コレシストキニンについては、
以下の記事にも記載しています👇
▶️ 胃・十二指腸|十二指腸の機能
▶️ 肝臓と胆嚢|胆嚢の機能
内分泌機能
- 膵臓には、
ランゲルハンス島と呼ばれる
内分泌細胞群が点在しています。 - ランゲルハンス島では、
インスリンやグルカゴンなどのホルモンを
血液中へ分泌し、
血糖値の調節を行っています。 - なお、ランゲルハンス島は
膵臓全体の約1〜2%とわずかですが、
生命維持に欠かせない重要な働き
を担っています。
ホルモンの種類や働きについては、
▶️ 内分泌③|膵臓 を参照してください。
腹膜
- 腹膜(peritoneum)は、
腹壁の内面や腹部臓器の表面を覆う漿膜です。
漿膜については、▶️ 膜組織 もチェック
- 腹膜は臓器を保護・支持するとともに、
腹部臓器同士が滑らかに動くための
重要な役割を担っています。
腹膜の構造
- 腹膜は、
壁側腹膜と臓側腹膜からなる一枚の漿膜です。 - 壁側腹膜は腹壁の内面を覆い、
臓側腹膜は胃や小腸、肝臓などの
腹部臓器の表面を覆っています。 - 両者は連続しており、
一枚の腹膜が折り返すことで
壁側腹膜と臓側腹膜を形成しています。 - 壁側腹膜と臓側腹膜の間には
腹膜腔と呼ばれるわずかな空間があり、
少量の腹膜液で満たされています。 - この腹膜液は潤滑油のような役割を果たし、
呼吸や消化管運動の際に
臓器同士の摩擦を減らしています。

腹膜は、腹壁を覆う壁側腹膜と、
腹部臓器の表面を覆う臓側腹膜からなる。
両者の間には腹膜腔が存在し、
胃・肝臓・脾臓・小腸・横行結腸・S状結腸などは
腹膜内臓器に分類される。
一方、膵臓・十二指腸(第2〜4部)・腎臓は後腹膜臓器であり、
腹膜の後方に位置する。
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腹膜内臓器と後腹膜臓器
- 腹部の臓器は腹膜との位置関係から、
腹膜内臓器と後腹膜臓器に分類されます。
| 分類 | 特徴 | 代表例 |
|---|---|---|
| 腹膜内 臓器 | 腹膜に包まれる | 胃、小腸、 横行結腸、S状結腸、 肝臓、脾臓 |
| 後腹膜 臓器 | 腹膜の後方に位置し、 腹膜に完全には包まれない | 膵臓、十二指腸の大部分、 腎臓、副腎、 上行結腸、下行結腸 |

(管理人)
腹部大動脈や下大静脈も
後腹膜に存在します。
腹膜のヒダ
- 腹膜は折り返されることで、
小網・大網・腸間膜と呼ばれるヒダ状の構造
を形成します。 - これらの構造には、臓器を支えたり
固定したりする働きがあるほか、
血管・リンパ管・神経の通り道としても
重要な役割を果たしています。

腹膜は、臓器どうしを連結することで
小網・大網・腸間膜などの形成物をつくる。
小網は肝臓と胃小彎を連結し、
大網は胃大彎から垂れ下がって横行結腸へ続く
脂肪に富んだ腹膜である。
一方、腸間膜は小腸を腹壁後方へ固定するとともに、
血管・リンパ管・神経の通路となる。
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小網(lesser omentum)
- 小網は、
肝臓と胃・十二指腸をつなぐ腹膜です。 - 肝動脈・門脈・総胆管などが通る
重要な部位でもあります。
大網(greater omentum)
- 大網は、胃の大弯から垂れ下がり、
小腸の前面をエプロンのように覆う腹膜です。 - 腸管を保護するほか、
炎症部位を包み込んで感染の広がりを抑える
働きがあります。
腸間膜(mesentery)
- 腸間膜は、後腹壁と小腸をつなぐ腹膜です。
- 内部には、
血管・リンパ管・神経が通っており、
小腸を支えながら
栄養や酸素を供給しています。
腸間膜と小腸や大腸の可動性については、
▶️ 小腸と大腸の可動性 をチェック
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▶︎ 腹膜の構造
▶︎ 腹膜内臓器と後腹膜臓器
▶︎ 腹膜のヒダ
▶︎ 腹膜の機能
腹膜の機能
- 腹膜は腹部臓器を覆う膜であるだけでなく、
臓器の保護や支持、
腹部臓器同士の摩擦を減らすなど、
さまざまな生理機能を担っています。 - 主な機能を以下に示します。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 支持・保護 | 腹部臓器を支え、一定の位置に保持する。 |
| 潤滑作用 | 腹膜液により臓器同士の摩擦を減らし、 滑らかな運動を可能にする。 |
| 吸収能 | 腹腔内の水分や電解質などを 血管・リンパ管へ吸収する。 |
| 癒着能 | 炎症部位を周囲組織と癒着させ、 炎症の拡大を防ぐ。 |
| 知覚能 | 腹膜が刺激されると痛みを感じ、 病変の存在を知らせる。 |
- 腹膜の吸収能は
腹膜透析に利用されています。
- また、腹膜が炎症を起こす腹膜炎では、
腹膜の知覚能により
強い腹痛や筋性防御(板状硬)がみられ、
重要な診断所見となります。
腹膜(クリックで小項目表示)
▶︎ 腹膜の構造
▶︎ 腹膜内臓器と後腹膜臓器
▶︎ 腹膜のヒダ
▶︎ 腹膜の機能
📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!
□ 位置
・後腹膜臓器である
・胃の後方に位置する
□ 区分
・膵頭部・膵体部・膵尾部に分けられる
・膵頭部は十二指腸に囲まれる
□ 膵管
・主膵管は総胆管と合流し、
大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口
・オッディ括約筋が
膵液・胆汁の流出を調節
・副膵管は小十二指腸乳頭に開口
□ 特徴
・外分泌機能(膵液の分泌)と
内分泌機能(ホルモンの分泌)をもつ
・膵臓の約90%以上は外分泌組織
・ランゲルハンス島(内分泌細胞群)
は約1〜2%
□ 外分泌機能
・膵液を産生し、十二指腸へ分泌
・腺房細胞 → 消化酵素を分泌
・導管細胞 → 重炭酸イオンを分泌
・三大栄養素の消化・胃酸の中和を行う
□ 内分泌機能
・ランゲルハンス島から
ホルモンを血液中へ分泌
・α細胞 → グルカゴン(血糖↑)
・β細胞 → インスリン(血糖↓)
□ 消化酵素
・膵アミラーゼ → 糖質(デンプン)
・トリプシン・キモトリプシン → タンパク質
・リパーゼ → 中性脂肪
・ヌクレアーゼ → 核酸(DNA・RNA)
□ 重炭酸イオン(HCO₃⁻)
・弱アルカリ性で胃酸を中和し、
十二指腸粘膜を保護
・膵酵素が働きやすい環境をつくる
□ トリプシン
・トリプシノーゲン(前駆体)として分泌
・十二指腸でエンテロペプチダーゼにより
トリプシンへ活性化
□ その他の酵素
・前駆体として分泌され、
トリプシンにより活性化
・キモトリプシノーゲン
→ キモトリプシン
・プロエラスターゼ
→ エラスターゼ
・プロカルボキシペプチダーゼ
→ カルボキシペプチダーゼ
□ ポイント
・前駆体(不活性型)として分泌される
ことで膵臓内での自己消化を防ぐ
□ 特徴
・十二指腸から分泌される
消化管ホルモンにより促進される
□ セクレチン
・重炭酸に富む膵液の分泌を促進
□ コレシストキニン(CCK)
・消化酵素に富む膵液の分泌を促進
腹膜(クリックで小項目表示)
▶︎ 腹膜の構造
▶︎ 腹膜内臓器と後腹膜臓器
▶︎ 腹膜のヒダ
▶︎ 腹膜の機能
※ 記事作成には正確を期しておりますが、
内容に誤りや改善点がございましたら、
お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の
参考にさせていただきます。
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▶️ 食道の構造と機能
▶️ 胃・十二指腸の構造と機能
▶️ 小腸・大腸の構造と機能
▶️ 栄養素の消化と吸収
▶️ 肝臓・胆嚢の構造と機能
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