【内分泌】下垂体前葉ホルモンの種類と作用|分泌調節まで図解で解説

2章 人体構造・機能論

最初に問題を解きたい方はこちら👇

🔰 この記事について

この記事では、下垂体前葉ホルモンについて、
図解を用いてわかりやすく解説しています。

下垂体前葉から分泌されるホルモンの種類や、
分泌を調節するしくみ・主な作用について、
国家試験や定期試験で押さえておきたいポイントを
コンパクトに整理しました。

※ 5択クイズは 別記事 に掲載しています。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の項目について、
重要ポイントをまとめています。

  • 成長ホルモン(GH)
  • プロラクチン(PRL)
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
  • 性腺刺激ホルモン(FSH・LH)
  • 各ホルモンの分泌調節・作用・分泌異常

🔗 関連記事

【内分泌】シリーズのその他の記事はこちら👇

5択クイズ記事(解答・解説付き)
▶️ ホルモンの分類・作用機序・フィードバック

図解つき要点解説記事(チェックリストつき)
▶️ ホルモンの分類と作用機序
▶️ 視床下部ホルモンの役割

ランダム10問テスト(一問一答&5択)
▶️ 準備中

🩺 学習の進め方

本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。

📌 おすすめの学習ステップ

  • まず 5択クイズ で理解度チェック
  • 本記事でわからなかった内容や
    重要ポイントを整理
  • もう一度クイズに挑戦して知識を定着

🎯 こんな人におすすめ

  • 試験前に内分泌を効率よく復習したい方
  • 下垂体前葉ホルモンの種類と作用を整理したい方
  • ホルモンの分泌調節フィードバック機構が苦手な方
  • 5択クイズでわからなかった内容を復習したい方
  • 授業資料として活用できる内容を探している講師の方

🔍 重要ポイントをチェック|下垂体前葉ホルモンの種類と作用

  • 下垂体前葉からは、
    以下のホルモンが分泌されます。

成長ホルモン(GH)

分泌調節

作用

  • GHには、
    主に代謝作用成長促進作用があります。

① 代謝作用

  • 糖新生の促進や、
    末梢組織での糖の取り込みを抑制する作用
    抗インスリン作用)により、
    血糖値上昇させます。
  • 脂肪分解を促進し、
    血中の遊離脂肪酸を増加させます。
  • 腎尿細管でのNa⁺再吸収を促進し、
    水分貯留や循環血液量の増加につながります。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

脂肪を分解して生じた遊離脂肪酸は、
肝臓や筋肉などで
エネルギー源として利用されます。

  • 糖新生とは、
    乳酸やアミノ酸、グリセロールなどの
    糖質以外の物質からグルコースをつくる
    反応です。
  • 主に肝臓で行われ、
    空腹時などに血糖値を維持するために
    重要な役割を果たします。
  • 成長ホルモン(GH)は
    糖新生を促進するため、
    血糖値を上昇させる方向に働きます。

② 成長促進作用

  • GHは肝臓などに作用して、
    IGF-1(インスリン様成長因子1/ソマトメジンC)産生を促進します。
  • IGF-1などを介して
    軟骨の成長を促進します。
  • タンパク質合成を促進し、
    筋肉などの組織の成長を促します。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

成長ホルモンは、
骨や筋肉などの成長を促す
ホルモンです。
特に骨の成長には、
GHによって産生が促進される
IGF-1が重要です。

分泌異常症

  • 骨端線閉鎖前の成長期に
    GHが過剰に分泌されると、
    下垂体性巨人症を引き起こします。
  • 骨端線閉鎖後にGHが過剰に分泌されると、
    先端巨大症(旧称:末端肥大症)
    を引き起こします。
  • 成長期にGHの分泌が不足すると、
    身長の伸びが低下し、
    成長ホルモン分泌不全性低身長症
    を引き起こします。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

骨端線は、
成長期に骨が長く伸びる部分です。
成長が終わると骨端線は閉鎖し、
骨はそれ以上長く伸びなくなります。

成長ホルモン(GH)の分泌調節と作用。GRHはGH分泌を促進し、ソマトスタチンは抑制する。GHは血糖上昇や脂肪分解を促し、IGF-1を介して骨・軟骨の成長、タンパク質合成を介して筋肉の成長を促進する。
図1:成長ホルモン(GH)の分泌調節と作用
成長ホルモン(GH)の分泌は、
GRHやソマトスタチンによって調節されている。
GHには代謝作用や成長促進作用があり、
分泌の過剰や低下によってさまざまな疾患が生じる。
Created with BioRender.com

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 成長ホルモン(GH)
▶︎ プロラクチン(PRL)
▶︎ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
▶︎ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
▶︎ 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

プロラクチン(PRL)

分泌調節

  • プロラクチン(PRL)の分泌は、
    視床下部から分泌されるドパミンによって
    持続的に抑制されています。
  • 妊娠エストロゲンなどの影響により、
    プロラクチンの分泌が増加します。
  • 出産後は、
    授乳による乳頭刺激(吸啜刺激)によって
    プロラクチンの分泌が促進されます。

作用

  • 妊娠期には、他のホルモンとともに
    乳腺の発育を促進します。
  • 出産後は、
    乳腺に作用して乳汁の産生を促進します。
  • プロラクチンが過剰になると
    GnRHの分泌が抑制され、
    FSH・LHの分泌低下を介して
    性腺機能が抑制されます。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

プロラクチンは
乳汁を「つくる」ホルモンです。
オキシトシンの「射乳」作用とは
区別されます。

分泌異常症

  • プロラクチンの分泌が過剰になると、
    高プロラクチン血症を引き起こします。
  • 高プロラクチン血症では、
    乳汁漏出無月経などがみられます。
プロラクチン(PRL)の分泌調節と作用。ドパミンはPRL分泌を抑制し、妊娠によるエストロゲン増加や授乳時の吸啜刺激は分泌を促進する。PRLは乳腺の発育や乳汁産生を促進し、過剰になると性腺機能を抑制する
図2:プロラクチン(PRL)の分泌調節と作用
プロラクチン(PRL)の分泌は、ドパミンによる抑制や
妊娠・授乳による刺激によって調節されている。
PRLは乳腺の発育や乳汁産生を促進し、
分泌過剰では性腺機能が抑制される。
Created with BioRender.com

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 成長ホルモン(GH)
▶︎ プロラクチン(PRL)
▶︎ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
▶︎ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
▶︎ 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

甲状腺刺激ホルモン(TSH)

分泌調節

作用

  • TSHは甲状腺濾胞細胞に作用し、
    甲状腺ホルモン(T3・T4合成・分泌
    を促進します。
  • また、甲状腺濾胞細胞の増殖肥大を促進し、
    甲状腺の機能や大きさの維持にも関与します。
図3:甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌調節と作用
TSHは甲状腺に作用し、
甲状腺ホルモン(T3・T4)の合成・分泌を促進する。
T3・T4が増加すると、負のフィードバックにより
視床下部や下垂体前葉からのホルモン分泌が抑制される。
Created with BioRender.com

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 成長ホルモン(GH)
▶︎ プロラクチン(PRL)
▶︎ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
▶︎ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
▶︎ 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

分泌調節

  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、
    視床下部から分泌される
    副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)
    によって分泌が促進されます。
  • 血中のコルチゾール増加すると、
    視床下部や下垂体前葉に作用して、
    CRHACTHの分泌を抑制します
    負のフィードバック機構)。
  • ストレス低血糖などの刺激により
    CRHの分泌が促進されると、
    ACTHの分泌も増加し、
    最終的にコルチゾールの分泌が増加します。

作用

  • ACTHは副腎皮質(主に束状帯)に作用し、
    糖質コルチコイド(主にコルチゾール)の
    合成・分泌を促進します。
  • ACTHには副腎皮質に対する栄養作用もあり、
    副腎皮質の機能や大きさの維持に関与します。
  • ACTHが過剰になると、
    メラニン産生促進され、
    皮膚の色素沈着を引き起こすことがあります。

分泌異常

  • 下垂体腺腫などにより
    ACTHが過剰に分泌されると、
    コルチゾールの分泌も増加し、
    クッシング病引き起こします。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

クッシング病とクッシング症候群は
同義ではありません。
クッシング症候群は、
コルチゾールが過剰になる病態の総称です。
そのうち、
下垂体からのACTH過剰分泌が原因となる
ものをクッシング病といいます。

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌調節と作用。CRHは下垂体前葉からのACTH分泌を促進し、ACTHは副腎皮質からのコルチゾール分泌を促進する。コルチゾールは負のフィードバックにより視床下部と下垂体前葉を抑制する。
図4:副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌調節と作用
ACTHは副腎皮質に作用し、
糖質コルチコイド(主にコルチゾール)の合成・分泌を促進する。
コルチゾールは負のフィードバックにより、
視床下部や下垂体前葉からのホルモン分泌を抑制する。
Created with BioRender.com

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 成長ホルモン(GH)
▶︎ プロラクチン(PRL)
▶︎ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
▶︎ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
▶︎ 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

  • 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)には、
    卵胞刺激ホルモン(FSH)
    黄体形成ホルモン(LH)があります。
  • 男性では、その作用から
    FSHを精子形成ホルモン
    LHを間質細胞刺激ホルモン(ICSH)
    と呼ぶこともあります。

分泌調節

  • 視床下部から分泌される
    ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)
    により、下垂体前葉から
    FSH・LHの分泌が促進されます。
  • 性腺から分泌されるエストロゲン
    テストステロンなどの性ホルモンは、
    視床下部や下垂体前葉に作用し、
    GnRHやFSH・LHの分泌を抑制します
    負のフィードバック機構)。
  • 一方、女性では
    排卵前エストロゲン濃度が高くなると、
    正のフィードバックにより
    LHの分泌が急激に増加します(LHサージ)。
  • LHサージによって排卵が誘発されます。
性腺刺激ホルモン(FSH・LH)の分泌調節。GnRHは下垂体前葉からのFSH・LH分泌を促進し、性ホルモンは負のフィードバックにより視床下部と下垂体前葉を抑制する。排卵直前には高濃度のエストロゲンによる正のフィードバックでLHサージが起こり、排卵が誘発される。
図5:性腺刺激ホルモン(FSH・LH)の分泌調節
FSH・LHの分泌はGnRHによって促進され、
性ホルモンによる負のフィードバックを受ける。
排卵直前には、高濃度のエストロゲンによる
正のフィードバックによってLHサージが起こり、排卵が誘発される。
Created with BioRender.com

作用

① 卵胞刺激ホルモン(FSH)

  • 女性では、
    卵巣に作用して卵胞の発育を促進し、
    エストロゲンの産生を促します。
  • 男性では、精巣のセルトリ細胞に作用して、
    精子形成を促進します。

② 黄体形成ホルモン(LH)

  • 女性では、排卵を誘発するとともに、
    排卵後の黄体形成を促進します。
  • また、卵巣からの
    エストロゲンプロゲステロンの分泌
    に関与します。
  • 男性では、
    精巣のライディッヒ細胞(間質細胞)に作用し、
    テストステロンの分泌を促進します
性腺刺激ホルモン(FSH・LH)の作用。女性ではFSHが卵胞の発育とエストロゲン産生を促進し、LHが排卵や黄体形成、エストロゲン・プロゲステロン分泌を促進する。男性ではFSHがセルトリ細胞に作用して精子形成を促進し、LHがライディッヒ細胞に作用してテストステロン分泌を促進する。
図6:性腺刺激ホルモン(FSH・LH)の作用
FSHとLHは卵巣や精巣に作用し、
卵胞の発育や排卵、性ホルモンの分泌、精子形成などを調節する。
Created with BioRender.com

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 成長ホルモン(GH)
▶︎ プロラクチン(PRL)
▶︎ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
▶︎ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
▶︎ 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!

下垂体前葉ホルモン

□ 下垂体前葉から分泌されるホルモン

  • 成長ホルモン(GH)
  • プロラクチン(PRL)
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
  • 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)
    • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
    • 黄体形成ホルモン(LH)
成長ホルモン(GH)

□ 分泌調節
 ・GRH → GH分泌促進
 ・ソマトスタチン → GH分泌抑制
 ・睡眠初期に分泌↑、加齢とともに分泌↓

□ 主な作用
 ・糖新生促進・抗インスリン作用 → 血糖↑
 ・脂肪分解促進 → 遊離脂肪酸↑
 ・タンパク合成促進 → 筋肉の成長促進
 ・IGF-1(ソマトメジンC)産生促進
  → 骨・軟骨の成長促進

□ 分泌異常
 ・成長期の過剰 → 下垂体性巨人症
 ・成長後の過剰 → 先端巨大症
 ・小児期の分泌低下
  → 成長ホルモン分泌不全性低身長症

プロラクチン(PRL)

□ 分泌調節
 ・ドパミン → PRL分泌抑制(持続的)
 ・エストロゲン・吸啜刺激 → PRL分泌促進

□ 主な作用
 ・妊娠期 → 乳腺の発育促進
 ・出産後 → 乳汁産生促進
 ・高プロラクチン状態
  → GnRH分泌抑制 → 性腺機能抑制

□ 分泌過剰
 ・高プロラクチン血症
  → 乳汁漏出・無月経など

甲状腺刺激ホルモン(TSH)

□ 分泌調節
 ・TRH → TSH分泌促進
 ・甲状腺ホルモン(T3・T4)の増加
  → TRH・TSH分泌抑制
   (負のフィードバック

□ 主な作用
 ・甲状腺に作用
 ・甲状腺ホルモン(T3・T4
  合成・分泌促進
 ・甲状腺濾胞細胞の増殖・肥大促進

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

□ 分泌調節
 ・CRH → ACTH分泌促進
 ・ストレス・低血糖 → CRH分泌促進
 ・コルチゾールの増加
  → CRH・ACTH分泌抑制
   (負のフィードバック

□ 主な作用
 ・副腎皮質に作用
 ・糖質コルチコイド(主にコルチゾール)の
  合成・分泌促進
 ・副腎皮質への栄養作用

□ 分泌過剰
 ・下垂体腺腫など → ACTH過剰
  → クッシング病
 ・ACTH過剰 → メラニン産生促進
  → 色素沈着

性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

□ 分泌調節
 ・GnRH → FSH・LH分泌促進
 ・性ホルモンの増加
  → GnRH・FSH・LH分泌抑制
   (負のフィードバック
 ・排卵直前正のフィードバック
    高濃度エストロゲン
   → LH分泌増加(LHサージ)
   → 排卵

□ FSHの作用
 ・女性:卵胞の発育エストロゲン産生促進
 ・男性:セルトリ細胞に作用
  → 精子形成促進

□ LHの作用
 ・女性:排卵誘発・黄体形成
    → エストロゲン・プロゲステロン分泌に関与
 ・男性:ライディッヒ細胞に作用
    → テストステロン分泌促進

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 成長ホルモン(GH)
▶︎ プロラクチン(PRL)
▶︎ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
▶︎ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
▶︎ 性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)

※ 記事作成には正確を期しておりますが、
 内容に誤りや改善点がございましたら、
 お知らせいただけますと幸いです。
 今後の教材作成の
 参考にさせていただきます。

🔗 関連記事

図解つき要点解説記事(チェックリストつき)
▶️ ホルモンの分類と作用機序
▶️ 視床下部ホルモンの役割

✏️ 5択クイズに挑戦!

以下の記事で理解度チェック👇

🏆 一問一答形式のランダムテスト

一問一答形式でランダムに10問出題される
テストを用意しました!

準備中

📚 人体構造・機能論のその他の記事

以下のまとめ記事から、
その他の記事を確認できます👇

コメント

タイトルとURLをコピーしました