【内分泌】副甲状腺ホルモン(PTH)の作用|カルシウム調節を図解で解説

2章 人体構造・機能論

最初に問題を解きたい方はこちら👇

🔰 この記事について

この記事では、
副甲状腺(上皮小体)から分泌される
副甲状腺ホルモン(PTH)について、
図解を用いてわかりやすく解説しています。

PTHの分泌調節
骨・腎臓・腸管における作用を中心に、
副甲状腺機能亢進症・低下症まで、
国家試験や定期試験で押さえておきたいポイントを
コンパクトに整理しました。

※ 5択クイズは 別記事 に掲載しています。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の項目について、
重要ポイントをまとめています。

  • 副甲状腺(上皮小体)の位置
  • 副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌調節
  • PTHの骨・腎臓・腸管への作用
  • PTHとカルシウム・リンの関係
  • 副甲状腺ホルモンの分泌異常

🩺 学習の進め方

本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」の2本立てです。

📌 おすすめの学習ステップ

  • まず 5択クイズ で理解度チェック
  • 本記事でわからなかった内容や
    重要ポイントを整理
  • もう一度クイズに挑戦して知識を定着

🎯 こんな人におすすめ

  • 試験前に「内分泌」を効率よく復習したい方
  • PTHカルシウムの関係を整理したい方
  • 骨・腎臓・腸管への作用を覚えたい方
  • 5択クイズでわからなかった内容を復習したい方
  • 授業資料として活用できる内容を探している講師の方

🔍 重要ポイントをチェック|副甲状腺・副甲状腺ホルモン(PTH)

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 副甲状腺(上皮小体)
▶︎ 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
 ▷ 分泌調節作用分泌異常

副甲状腺(上皮小体)

  • 副甲状腺(上皮小体)は、
    甲状腺の後面に存在する小さな内分泌腺です。
  • 通常、左右に上下2個ずつ、合計4個あります。
    ▶️ 副甲状腺の位置はこちら
  • 副甲状腺からは、
    副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されます。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

副甲状腺ホルモン
(parathyroid hormone:PTH)は、
パラトルモンとも呼ばれます。

副甲状腺ホルモン(PTH)

  • PTHは、体内のカルシウム濃度を調節する
    重要なホルモンです。

副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌調節

  • PTHの分泌は、主に血中カルシウム濃度
    によって調節されています。
  • 血中Ca²⁺濃度が低下すると、
    副甲状腺からのPTH分泌が促進されます。
  • PTHの作用によって血中Ca²⁺濃度が上昇すると、
    PTHの分泌は抑制されます。
    負のフィードバック
副甲状腺の位置とPTHの分泌調節を示す図。血中Ca²⁺濃度が低下するとPTH分泌が促進され、血中Ca²⁺濃度が上昇する。参考としてカルシトニンによる調節も示している。
図1 副甲状腺の位置とPTHの分泌調節
副甲状腺(上皮小体)は甲状腺の後面に通常4個存在する。
血中Ca²⁺濃度が低下するとPTHの分泌が促進され、血中Ca²⁺濃度を上昇させる。
参考として、カルシトニンによる血中Ca²⁺濃度の調節も示す。
Created with BioRender.com
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

甲状腺から分泌されるカルシトニンは、
血中Ca²⁺濃度を低下させる方向に働くため、
血中Ca²⁺濃度に対しては
PTHと反対方向の作用を示します。

▶️ カルシトニンについてはこちら

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 副甲状腺(上皮小体)
▶︎ 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
 ▷ 分泌調節作用分泌異常

副甲状腺ホルモン(PTH)の作用

  • PTHは主に、
  • 腎臓

   に作用します。

① 骨への作用

  • PTHは、骨吸収を促進します。
  • 骨吸収が促進されると、
    骨に含まれているカルシウム
    血液中へ放出されるため、
    血中Ca²⁺濃度が上昇します。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

PTHは破骨細胞に直接作用するのではなく、
骨芽細胞などを介して
破骨細胞による骨吸収を促進します。

② 腎臓への作用

  • PTHは腎臓に作用して、
    カルシウムの再吸収を促進します。
  • その結果、
    尿中へ排泄されるカルシウムが減少し、
    血中にカルシウムが保持されます。
  • 一方、リンについては、
    リンの再吸収を抑制します。
  • そのため、尿中へのリン排泄が増加します。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

腎でのPTHの作用を整理すると、
Ca²⁺:再吸収 → 尿中排泄
リン:再吸収 → 尿中排泄
となります。

③ 活性型ビタミンDを介した腸管への作用

  • PTHは腎臓に作用して、
    ビタミンDの活性化を促進します。
  • 生成された
    活性型ビタミンD(カルシトリオール)は、
    腸管からのカルシウム吸収を促進します。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

PTHが腸管に直接作用して
カルシウム吸収を促進するのではなく、
活性型ビタミンDを介した間接作用
であることも押さえておきましょう。

副甲状腺ホルモン(PTH)の骨・腎臓・腸管への作用を示した図。PTHは骨吸収を促進し、腎臓ではCa²⁺再吸収を促進、リン再吸収を抑制する。また、ビタミンDの活性化を介して腸管でのCa²⁺吸収を高め、最終的に血中Ca²⁺濃度を上昇させ、血中リン濃度を低下させる。
図2 PTHの骨・腎臓・腸管への作用
副甲状腺ホルモン(PTH)は、骨では骨吸収を促進してCa²⁺の放出を高め、
腎臓ではCa²⁺再吸収を促進し、リン再吸収を抑制する。
さらに腎臓でビタミンDを活性化し、腸管でのCa²⁺吸収を高めることで、
最終的に血中Ca²⁺濃度を上昇させ、血中リン濃度を低下させる。
Created with BioRender.com

副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌異常

  • PTHの分泌異常によって、
    副甲状腺機能亢進症副甲状腺機能低下症
    きたすことがあります。

原発性副甲状腺機能亢進症

  • PTHの分泌が過剰となり、
    骨吸収や腎臓でのCa²⁺再吸収が促進されるため、
    高カルシウム血症をきたします。
  • 骨吸収が長期間続くと、
    骨粗鬆症病的骨折を生じることがあります。
  • また、高カルシウム血症に伴い、
    尿路結石や腎障害がみられることもあります。

副甲状腺機能低下症

  • PTHの分泌が低下するため、
    低カルシウム血症をきたします。
  • また、腎臓でのリンの再吸収が増加し、
    高リン血症となります。
  • 低カルシウム血症によって
    神経や筋肉が興奮しやすくなり、
    テタニー(筋肉のけいれん)などが
    みられることがあります。
副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌異常による血中Ca²⁺濃度の変化を示した図。原発性副甲状腺機能亢進症ではPTH分泌増加により高カルシウム血症をきたし、骨粗鬆症や尿路結石がみられる。副甲状腺機能低下症ではPTH分泌低下により低カルシウム血症をきたし、テタニーがみられる。
図3 PTH分泌異常と血中Ca²⁺濃度の変化
原発性副甲状腺機能亢進症ではPTH分泌が増加し、
骨吸収や腎でのCa再吸収が促進されるため、高カルシウム血症をきたす。
副甲状腺機能低下症ではPTH分泌が低下し、
低カルシウム血症をきたし、テタニーなどがみられる。
代表的な所見として、原発性副甲状腺機能亢進症では
骨粗鬆症・病的骨折、尿路結石・腎障害などがみられる。
Created with BioRender.com

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 副甲状腺(上皮小体)
▶︎ 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
 ▷ 分泌調節作用分泌異常

📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!

副甲状腺(上皮小体)

□ 位置
 ・甲状腺の後面に存在
 ・通常、左右上下2個ずつ
  → 合計4個

□ 分泌ホルモン
 ・副甲状腺ホルモン(PTH)
 ・別名:パラトルモン

副甲状腺ホルモン(PTH)

□ 分泌調節
 ・血中Ca²⁺濃度→ PTH分泌
 ・血中Ca²⁺濃度↑→ PTH分泌↓

□ 骨への作用
 ・骨吸収↑→ 骨から血中へのCa²⁺放出↑

□ 腎臓への作用
 ・Ca²⁺再吸収↑→ 尿中Ca²⁺排泄↓
 ・リン再吸収↓→ 尿中リン排泄↑
 ・活性型ビタミンD生成↑

□ 腸管への作用(間接作用)
 ・活性型ビタミンDを介してCa²⁺吸収↑

□ 最終的な作用
 ・血中Ca²⁺濃度↑
 ・血中リン濃度↓

□ 分泌異常
 ・原発性副甲状腺機能亢進症:PTH↑
  → 高カルシウム血症
  → 骨粗鬆症・病的骨折・尿路結石
 ・副甲状腺機能低下症:PTH↓
  → 低カルシウム血症・高リン血症
  → テタニーなど

🧭  勉強したい項目へジャンプ
▶︎ 副甲状腺(上皮小体)
▶︎ 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
 ▷ 分泌調節作用分泌異常

📚 参考文献・参考サイト

本記事の作成にあたり、
以下の文献・サイトを参考にしています。

  1. Shaker JL, Deftos LJ. Calcium and Phosphate Homeostasis. Endotext [Internet]. MDText.com, Inc.; 2023.
    ▶️ NCBI Bookshelf|Calcium and Phosphate Homeostasis
  2. 日本内分泌学会. 原発性副甲状腺機能亢進症
    ▶️ 日本内分泌学会|原発性副甲状腺機能亢進症
  3. 日本内分泌学会. 特発性副甲状腺機能低下症
    ▶️ 日本内分泌学会|特発性副甲状腺機能低下症

※ 記事作成には正確を期しておりますが、
 内容に誤りや改善点がございましたら、
 お知らせいただけますと幸いです。
 今後の教材作成の
 参考にさせていただきます。

🔗 関連記事

【内分泌】シリーズの
その他の要点解説記事はこちら👇

図解つき要点解説記事(チェックリストつき)
▶️ ホルモンの分類と作用機序
▶️ 視床下部ホルモンの役割
▶️ 下垂体前葉ホルモンの種類と作用
▶️ 下垂体後葉ホルモンの作用
▶️ 甲状腺ホルモンとカルシトニン

✏️ 5択クイズに挑戦!

副甲状腺ホルモン について
以下の記事で理解度を確認できます👇

【内分泌】シリーズの
その他の5択クイズ記事はこちら👇

5択クイズ記事(解答・解説・PDFつき)
▶️ ホルモンの分類・作用機序・フィードバック
▶️ 視床下部・下垂体ホルモン

🏆 一問一答形式のランダムテスト

甲状腺・副甲状腺・膵臓のホルモンについて
一問一答形式でランダムに10問出題される
テストを用意しました!

準備中

【内分泌】シリーズの
その他のランダムテストはこちら👇

ランダム10問テスト(一問一答)
▶️ ホルモンの分類・作用機序・分泌調節
▶️ 視床下部・下垂体ホルモン

📚 人体構造・機能論のその他の記事

以下のまとめ記事から、
その他の記事を確認できます👇

コメント

タイトルとURLをコピーしました