【循環器疾患】高血圧症と関連疾患を図解で総整理

8章 循環器疾患・呼吸器疾患

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🔰 この記事について

  • 本記事は、高血圧症や関連疾患
    についての要点解説記事です
    (※クイズは別記事)。
  • まず基礎を押さえてから
    問題演習に進みたい方は、
    この要点解説から読み進めてください。

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🖊️ この記事で学べる内容

👇 以下の疾患について、
  ポイントをまとめています。

  • 高血圧症(本態性、二次性)
  • 腎硬化症
  • 腎血管性高血圧
  • 低血圧症

🩺 学習の進め方

本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。

📌 おすすめの学習ステップ

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🔍 出題ポイント総整理|高血圧症と関連疾患

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▶︎ 高血圧症
▶︎ 腎硬化症
▶︎ 腎血管性高血圧
▶︎ 低血圧症

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高血圧症(Hypertension)

概念

  • 高血圧症とは、
    血圧が正常範囲より高い状態が持続する病態
    です。
  • 診断基準は
    ガイドラインによって異なりますが、
    一般に 収縮期血圧 ≥ 140 mmHg
    または拡張期血圧 ≥ 90 mmHg 
    が目安とされます。
分類収縮期血圧拡張期血圧
正常血圧<120かつ <80
正常高値血圧120–129かつ <80
高値血圧130–139または 80–89
Ⅰ度高血圧140–159または 90–99
Ⅱ度高血圧160–179または 100–109
Ⅲ度高血圧≧180または ≧110
孤立性収縮期高血圧≧140かつ <90
出典:日本高血圧学会 『高血圧治療ガイドライン 2019』
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

家庭血圧では診察室血圧より
基準がやや低く設定され、
135 / 85 mmHg以上
高血圧と診断されます。

原因

  • 高血圧症は、原因により大きく
    本態性(原発性)高血圧 と 
    二次性(症候性・続発性)高血圧 
    に分けられます。

本態性高血圧

  • 原因が特定できない高血圧で、
    全体の約90%を占めます。

二次性高血圧

  • 基礎疾患や病態に続発して起こる高血圧で、
    原因が明らかなものをいいます。

👇 以下に、二次性高血圧症の主な原因を示します。

分類代表例
腎性
(二次性の約75%
慢性腎炎、
腎血管性高血圧(腎動脈狭窄 など)
内分泌性原発性アルドステロン症
クッシング症候群、褐色細胞腫、
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
先端巨大症(末端肥大症)など
血管性高安動脈炎、大動脈縮窄症
神経性脳腫瘍、脳出血、脳炎 など
その他閉塞性睡眠時無呼吸症候群妊娠高血圧症候群
薬物性(NSAIDs、ステロイドなど)

症状

  • 軽症では自覚症状はほとんどありません
  • 長期間の高血圧により動脈硬化が進み、
    合併症として症状が現れます。

👇 動脈硬化については、以下の記事へ

▶️ 動脈硬化・大動脈瘤・大動脈解離

主な合併症

  • 高血圧症の合併症には、
    以下のような疾患があります。

※各疾患については、
 それぞれの記事を参照してください。

治療

  • 生活習慣の改善
    食塩制限、運動、減量、禁煙・節酒 など
  • 薬物療法(降圧薬
    利尿薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、
    ARB、β遮断薬 など

利尿薬

  • 尿量を増やして体の余分な
    水分(循環血液量)を減らし
    その結果、血圧を下げます。

Ca拮抗薬

  • 血管の筋肉をゆるめて血管を広げ
    血液の流れやすさを改善して
    血圧を下げます。

ACE阻害薬・ARB

  • RAA系(血圧を上げるホルモン系)
    の働きを抑えることで、
    血管収縮や水分保持を防ぎ、
    血圧を下げます。

β遮断薬

  • 交感神経の働きを抑えて
    心拍数や心臓の働きを落ち着かせ、
    その結果、血圧を下げます。

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▶︎ 高血圧症
▶︎ 腎硬化症
▶︎ 腎血管性高血圧
▶︎ 低血圧症

腎硬化症(Nephrosclerosis)

概念

  • 腎硬化症は、高血圧によって
    腎臓の血管に動脈硬化が起こり、
    腎臓の機能が障害される疾患です。
  • 腎臓は細かい血管が集まってできているため、
    高血圧の影響を強く受けやすい臓器です。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

高齢化や高血圧患者の増加に伴い、
新規透析導入の原因疾患として
糖尿病性腎症に次いで
多くなっています。

分類・原因

良性腎硬化症

  • 長期にわたる高血圧のために
    腎の小動脈に徐々に動脈硬化が進行する病態
    です。
  • 進行は比較的ゆるやかです。

悪性腎硬化症

  • 重度の高血圧により
    急速に腎障害が進行します。
  • 症状が急激に悪化し、予後不良です。

診断

良性腎硬化症

  • 軽度の蛋白尿(陰性の場合もあります)
  • 血液検査で腎機能低下
    (血清クレアチニン上昇、GFR低下)

悪性腎硬化症

  • 蛋白尿の増加(中等度〜高度)
    ※ネフローゼは典型的ではない
  • 血尿を伴うこともある
  • 腎機能が急激に悪化
  • 眼底検査で高血圧性網膜症を伴うこともある

治療

  • 良性腎硬化症
    高血圧のコントロールが中心
    降圧療法が基本)
  • 悪性腎硬化症
    厳格な血圧管理に加え、全身状態の管理が必要
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

高血圧は腎臓の血管を傷つけます
腎臓が悪くなると
血圧はさらに上がりやすくなり、
高血圧 ⇄ 腎障害」の悪循環
となります。

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▶︎ 高血圧症
▶︎ 腎硬化症
▶︎ 腎血管性高血圧
▶︎ 低血圧症

腎血管性高血圧(Renovascular Hypertension)

概念

  • 腎血管性高血圧は、
    二次性高血圧の代表的な疾患です。
  • 腎動脈が狭窄して腎血流が低下すると、
    腎の傍糸球体細胞からレニン分泌が亢進し、
    RAA系が活性化されて血圧が上昇します。
腎血管性高血圧の発症過程を示すフローチャート。
腎血流の低下 → レニン分泌の増加 → RAA系亢進 → アルドステロン分泌亢進 → 血圧上昇、という流れを矢印で示している。
図1:腎血管性高血圧の発症機序
腎血流が低下すると腎からのレニン分泌が増加し、
RAA系が亢進する。
その結果、副腎皮質からのアルドステロン分泌
が促進され、ナトリウムと水の再吸収が進み、
血圧が上昇する。

原因

原因特徴・好発
粥状硬化(最多)中年以降の男性に多い。
コレステロールなどにより
プラーク形成 → 血管内腔が狭窄
線維筋性異形成若年〜中年の女性に多い。
非動脈硬化性・非炎症性に動脈壁が肥厚
高安動脈炎
(大動脈炎症候群)
若年女性に多い。
大動脈や分枝に炎症を起こし狭窄をきたす

👇 粥状硬化については、以下を参照。

▶️ 動脈硬化・大動脈瘤・大動脈解離

診断

所見内容
身体所見腹部で血管雑音(bruit)を聴取
血液検査血漿レニン活性↑、アルドステロン↑、K↓
(=二次性アルドステロン症の所見)
画像検査腎動脈造影・CTA・MRAで狭窄部を確認

原発性アルドステロン症

  • 副腎皮質そのものに
    異常(腫瘍や過形成)があり、
    アルドステロンが自律的に過剰分泌
    される疾患です。
  • アルドステロンの作用で 
    Na・水分の貯留 → 血圧上昇 が起こり、
    結果として レニン分泌が抑制され、
    レニン活性は低下 します。

二次性アルドステロン症

  • 副腎以外の原因で
    レニン分泌が増えるために、
    それに続いてアルドステロンが過剰分泌
    される疾患です。
  • 代表例が腎血管性高血圧で、
    腎血流低下 → レニン↑
    → アルドステロン↑ → 高血圧
    となります。
  • この場合、レニン活性は上昇しています。

治療

薬物療法(降圧薬):第一選択

  • ACE阻害薬、ARBなどの
    RAA系阻害薬がよく用いられます。
  • ただし両側腎動脈狭窄や単腎例では、
    急激に腎機能が悪化するリスクがあるため
    注意が必要です。

血行再建術経皮的腎動脈形成術:PTRA)

  • 薬物でコントロール困難な場合や、
    腎機能悪化が進む場合に考慮されます。
  • バルーン付きカテーテルを腎動脈に挿入し、
    狭窄部位を拡張して血流を改善する治療です。
  • ステントを留置することもあります。

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▶︎ 高血圧症
▶︎ 腎硬化症
▶︎ 腎血管性高血圧
▶︎ 低血圧症

低血圧症(Hypotension)

概念・定義

  • 高血圧と異なり、
    明確な数値基準はありません
  • 一般的には 収縮期血圧100 mmHg未満
    を低血圧と呼ぶことが多いです。
  • ただし
    「血圧が低いだけ」では病気とは言えず、
    症状の有無が臨床的に重要です。

症状

  • 無症状なら
    問題ない場合も多いです(体質性低血圧)。
  • 症状が出ると、
    めまい・立ちくらみ・失神・倦怠感・冷感・
    動悸 などがみられます。
分類特徴・原因臨床的ポイント
体質性
(本態性)
低血圧
若年女性に多い。
体質的に血圧が低いが
大きな異常はない。
無症状なら問題なし。
生活指導で対応。
二次性
低血圧
出血・脱水(循環血液量↓)、
心不全・不整脈(心拍出量↓)、
薬剤(降圧薬・利尿薬)、
副腎不全など。
原因疾患の治療が必要。
急性ショックに
進展することもある。
起立性
低血圧
起立後3分以内に、
収縮期血圧20 mmHg以上
or 拡張期血圧10 mmHg以上低下。
原因は自律神経障害、加齢、薬剤など。
めまい・失神
原因として重要。

治療

  • 無症状なら治療は不要です。
  • 症状がある場合、または二次性低血圧では
    原因疾患の治療が基本となります。
  • 体質性低血圧では、
    生活指導
    (規則正しい生活、水分摂取、適度な運動)
    が中心です。

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▶︎ 高血圧症
▶︎ 腎硬化症
▶︎ 腎血管性高血圧
▶︎ 低血圧症

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高血圧症(Hypertension)

□ 概念:
  収縮期血圧 ≥ 140 mmHg
  または 拡張期血圧 ≥ 90 mmHg
  が持続する状態

□ 分類:
  本態性高血圧(原発性
  二次性高血圧(症候性・続発性

□ 頻度:90%が本態性高血圧

□ 症状:初期は無症状が多い

□ 合併症:動脈硬化による合併症
脳血管疾患・虚血性心疾患・腎疾患 など

□ 治療:生活習慣の改善、降圧薬

二次性高血圧症の原因

腎疾患(最多):腎血管性高血圧など

□ 内分泌疾患
  原発性アルドステロン症
  クッシング症候群
  甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  先端巨大症(末端肥大症)など

□ その他:
  血管疾患、脳血管疾患、
  妊娠睡眠時無呼吸症候群など

腎硬化症(Nephrosclerosis)

□ 概念:
 高血圧により生じる
 腎の細動脈硬化性病変
 ※ 高血圧の合併症(原因ではない)

□ 原因:長期的または重度高血圧

□ 分類:
  良性腎硬化症:慢性的に経過
  悪性腎硬化症:急激に腎機能が悪化

腎血管性高血圧(Renovascular Hypertension)

□ 概念:腎動脈狭窄による二次性高血圧

□ 原因:腎動脈の粥状硬化(最多)

□ 病態:腎血流 ⬇︎RAA系活性化 → 血圧 ⬆︎

□ 診断:レニン活性 ⬆︎アルドステロン ⬆︎

□ 治療:降圧薬、血行再建術(PTRAなど)

低血圧症(Hypotension

□ 目安:収縮期血圧100 mmHg未満

□ 種類:本態性・二次性・起立性

□ 本態性:無症状なら治療不要

□ 起立性:立位で血圧低下
     (自律神経障害・加齢・薬剤 など)

※ 記事作成には正確を期しておりますが、
  内容に誤りや改善点がございましたら、
 お知らせいただけますと幸いです。
 今後の教材作成の参考に
 させていただきます。

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