【循環器疾患】肺循環障害(肺塞栓症・肺高血圧症・肺性心)を図解で総整理

8章 循環器疾患・呼吸器疾患

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👉 【循環器疾患】5択クイズで学ぶ!心不全と肺塞栓症・肺性心・肺高血圧症

🔰 この記事について

  • 本記事は、肺塞栓症・肺高血圧症・肺性心
    要点を図解で整理した解説記事です
    (※5択クイズは別記事)。
  • 国家試験や定期試験の頻出ポイントを中心に、
    病態・症状・検査・治療の要点がひと目で整理できる構成にしています。

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  • 心不全 については、
    以下の記事で解説しています👇

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本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。

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🔍 出題ポイントのまとめ|肺塞栓症・肺性心・肺高血圧症

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▶︎ 肺循環障害(総論)
▶︎ 肺塞栓症
▶︎ 特発性肺動脈性肺高血圧
▶︎ 肺性心

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肺循環障害

  • 肺循環障害は、
    肺動脈肺血流に異常が生じることで、
    ガス交換障害右心への負荷
    を引き起こす疾患群です。
  • 急性に血流が遮断される肺塞栓症
    肺血管自体が狭窄・増殖する肺高血圧症
    慢性的な肺疾患によって
    右心に負担がかかる肺性心などが含まれます。
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講師
(管理人)

3つの疾患の共通点は、
右心負荷につながること」です。

肺塞栓症(Pulmonary Embolism)

  • 静脈内でできた血栓や空気、脂肪、腫瘍片など
    の塞栓子が血流に乗って肺動脈を閉塞し、
    肺の血流が途絶えることで
    低酸素血症を引き起こす病態です。
  • 塞栓によって肺動脈が完全に詰まり、
    その先の肺組織が出血壊死を起こした場合を「肺梗塞」といいます。
下肢の静脈でできた血栓が剥がれて血流に乗り、右心を経由して肺動脈を閉塞するまでの過程を示した図。
深部静脈血栓症(DVT)から肺塞栓症が発生する流れを説明している。
図1:肺塞栓症の発症機序
下肢の深部静脈に血栓が形成され(深部静脈血栓症:DVT)、
剥離した血栓が血流に乗って右心を経て肺動脈へ到達し、
肺動脈を閉塞して塞栓を起こす。
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  • 長期臥床
  • 長時間フライト
    エコノミークラス症候群
  • 手術後
  • 肥満
  • 妊娠
  • 経口避妊薬
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講師
(管理人)

深部静脈血栓症(DVT)が背景にある
ことが多いのが特徴です。

  • 突然呼吸困難
  • 胸痛(特に吸気時に増悪
  • 頻呼吸、頻脈
  • 重症例では
    失神ショックを起こすこともあります。
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(管理人)

肺塞栓症の胸痛は、
胸膜が炎症で刺激される
胸膜性胸痛」です。
息を吸うと
胸膜が引き伸ばされるため、
吸気で痛みが強まります。

  • 肺塞栓症が疑われる場合、
    まず血液検査で D-ダイマー を測定します。
  • D-ダイマーは血栓の分解により生じる物質で、
    肺塞栓症深部静脈血栓症では上昇します。
  • D-ダイマー高値 → 血栓の存在を疑う
  • 正常値 → 肺塞栓症の可能性は低い
        (除外に有用)

👉 D-ダイマーについては、
 静脈血栓塞栓症の記事で詳しく解説しています。

  • 確定診断には、画像検査を行います。
  • 造影CT(第一選択)
  • 肺血管造影
  • 肺血流シンチグラフィー
  • これらにより、
    肺動脈内の血栓血流欠損を確認します。
  • 抗凝固療法(ヘパリン・ワルファリンなど)
  • 血栓溶解療法(重症例)
  • 必要に応じて下大静脈フィルターの留置が検討されます。

下大静脈フィルター(IVCフィルター)は、
下半身の静脈(特に下肢)でできた血栓が
肺に流れ込むのを防ぐための医療器具です。

下大静脈に金属製のフィルター(傘のような形)を留置し、
血流は通しつつ、血栓だけを捕まえる仕組みになっています。

下肢の静脈でできた血栓が下大静脈を上行し、腎静脈下部に設置された下大静脈フィルター(IVCフィルター)で捕捉される様子を示す図。
左に全体の静脈構造、右に拡大図があり、血流方向と血栓の流れが矢印で示されている。
図:下大静脈フィルター(IVCフィルター)の位置と役割
下肢で形成された血栓(深部静脈血栓症:DVT)が
肺に流れるのを防ぐため、腎静脈の下部に
金属製フィルター(IVCフィルター)を留置する。
血栓は下肢静脈から下大静脈を上行し、
フィルターで捕捉される。
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▶︎ 肺循環障害(総論)
▶︎ 肺塞栓症
▶︎ 特発性肺動脈性肺高血圧
▶︎ 肺性心

特発性肺動脈性肺高血圧(IPAH)

  • 特発性肺動脈性肺高血圧(IPAH)は、
    明らかな原因疾患がないにもかかわらず、
    肺小動脈の内腔が狭くなり、
    肺動脈圧が上昇する難治性の疾患です。
  • 慢性的な肺高血圧により、
    やがて右心系に負荷がかかり、
    右心不全へと進展します。

👉 右心不全については、
  心不全の記事で詳しく解説しています。

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(管理人)

かつては「原発性肺高血圧症
(Primary Pulmonary Hypertension)」
と呼ばれていました。

  • 比較的まれな疾患ですが、
    60歳代以下の女性に多い傾向があります。
  • 指定難病(No.53)に含まれています。
  • 初期は自覚症状が乏しく、
    労作時呼吸困難易疲労感などの
    非特異的な症状から始まります。
  • 進行すると、
    右心不全の症状(チアノーゼ、浮腫、肝腫大など)が出現します。
症状の種類代表的な症状機序
初期症状労作時呼吸困難、
胸痛、易疲労感
心拍出量低下
による酸素供給不足
進行期症状チアノーゼ、
下腿浮腫、肝腫大
右心不全の進行
によるうっ血
  • 確定診断には、右心カテーテル検査
    スワン・ガンツ・カテーテルが必須です。
  • 肺動脈圧の上昇を直接測定し、
    肺血管抵抗を評価します。
  • 重要なポイントは「肺動脈楔入圧(PAWP)」です。
  • 楔入圧は左心房圧を反映するため、
  • 肺動脈圧が高い
  • 楔入圧が正常

  の場合は、左心疾患による肺高血圧ではなく、
  肺動脈そのものの異常(肺動脈性肺高血圧

  と判断します。
  

平均肺動脈圧(mPAP)≧20 mmHg(安静時)
 で診断されます。

スワン・ガンツ・カテーテルについては、
以下の記事で詳しく解説しています。

  • また、心電図や画像検査でも
    右心負荷の所見がみられます。
検査所見
心電図右軸偏位、右室肥大の所見
胸部X線・心エコー肺動脈拡張右心系の拡大
右心カテーテル
(スワン・ガンツ法)
肺動脈圧↑、肺血管抵抗↑、
楔入圧(PAWP)正常
→ 肺動脈性肺高血圧と診断
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(管理人)

IPAHは特徴的な症状に乏しいため、
検査がポイントです。
肺血管の異常や右心系の異常
で診断されます。

  • 根治は難しいものの、
    肺血管を拡張右心負荷を軽減する薬物療法が中心です。
  • 肺血管拡張薬(プロスタサイクリン誘導体、エンドセリン受容体拮抗薬、PDE5阻害薬など)
  • 酸素療法:低酸素血症の改善
  • 抗凝固療法:血栓形成の予防
  • 心不全治療(利尿薬など):うっ血の軽減
  • 重症例では、
    肺移植が検討されることもあります。

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▶︎ 肺塞栓症
▶︎ 肺性心
▶︎ 特発性肺動脈性肺高血圧

肺性心(Cor Pulmonale)

  • 肺性心とは、肺血管や肺換気の異常によって
    肺高血圧を生じ
    結果として右心系に負担がかかり、
    右心不全をきたす病態をいいます。
  • 主に慢性的な経過をとるため、
    一般に「慢性肺性心」を指します。
  • 一方で、急性肺性心は比較的まれで、
    急性肺塞栓症などにより
    急激に肺動脈圧が上昇した場合に生じます。
  • このときは心筋肥大を伴わず
    右室の急激な拡張が特徴です。
  • 肺性心の原因は、大きく2つに分けられます。

肺血管障害

換気障害(慢性低酸素血症)

  • これらの疾患では、長期にわたる
    低酸素血症や肺血管収縮が持続し、
    最終的に右心負荷を引き起こします。
  • 肺性心では、
  • 低酸素血症による症状
  • 右心不全による症状
    の両方がみられます。
分類主な症状説明
低酸素血症
による症状
労作時呼吸困難
頻呼吸
チアノーゼ
ばち状指
肺の換気・血流障害により
酸素が不足することで生じる。
右心不全
による症状
頸静脈怒張
肝腫大
下腿浮腫
肺高血圧による右心負荷が続き、
右心系のうっ血を反映する。

👉 右心不全の症状については、
  心不全の記事で詳しく解説しています。

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講師
(管理人)

肺性心は
の疾患が原因で起こる右心不全」です。
左心疾患による右心不全
とは区別することが重要です。

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▶︎ 肺性心
▶︎ 特発性肺動脈性肺高血圧

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肺塞栓症

□概念:静脈内血栓などの塞栓子が
    肺動脈を閉塞し、低酸素血症をきたす
□主因:深部静脈血栓症(DVT)
□リスク:長期臥床・手術後・妊娠・肥満・

     経口避妊薬
□症状:突然の呼吸困難・
    胸膜性胸痛(吸気で増悪)・

    頻呼吸・頻脈
□検査:D-dimer上昇造影CTで血栓確認
□治療:抗凝固療法・血栓溶解療法・

    IVCフィルター

特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)

□病態:原因不明肺小動脈狭窄
    → 肺血管抵抗↑ → 肺動脈圧↑
□好発:若年〜中年女性
□症状:初期は、労作時呼吸困難
    進行すると、右心不全症状
□診断:右心カテーテル検査必須
    (mPAP↑・PAWP正常
□治療:肺血管拡張薬

(慢性)肺性心

□概念:慢性肺疾患肺高血圧

    → 右室肥大 → 右心不全
□原因:肺血管障害

    (慢性肺塞栓症、IPAHなど)

    換気障害

    (COPD、肺線維症、SASなど)
□症状:チアノーゼ・頸静脈怒張・肝腫大・

    下腿浮腫
□検査:右室肥大(心電図・心エコー)
□治療:基礎疾患治療
    +酸素療法(低酸素の是正)

※ 記事作成には正確を期しておりますが、
内容に誤りや改善点がございましたら、
お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。

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