🧠 5択クイズ から復習に来た方へ
下のボタンから、要点解説の本文へジャンプできます 👇
🧩 まだクイズを解いていない方は、
こちらから挑戦!
👉 5択クイズで学ぶ!主要症候と検査の基礎
🔰 この記事について
- 本記事では、
循環器疾患に用いられる各種検査のポイント
を図解でわかりやすく整理しています。
(※5択クイズは 別記事 で掲載しています)
- 循環器疾患の各論を勉強する前に
基礎知識を短時間で復習できるよう
コンパクトにまとめました。
🖊️ この記事で学べる内容
👇 以下の内容を簡単に復習できます。
🩺 学習の進め方
本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。
📌 おすすめの学習ステップ
- まず クイズ で理解度チェック
- 本記事で知識を整理
- もう一度クイズに挑戦して定着
🎯 こんな人におすすめ
🔍 要点まとめ|循環器疾患の基本的検査
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
全体像|ECG|X線|心エコー|CT|MRI|心筋シンチ|心臓カテーテル
重要ポイントだけ復習したい方はこちら👇
循環器検査の全体像
- 循環器疾患の診断では、
さまざまな検査が用いられます。 - 代表的な検査には、以下のものがあります。
- これらの検査では、
心臓の電気活動・形態・血流・冠動脈の状態
などを評価します。 - その結果をもとに、
疾患の診断や重症度の判定を行います。 - 循環器検査の主な種類を、以下にまとめます。

心電図(ECG;electrocardiogram)
- 心電図検査は、
心筋の電気的活動をとらえる基本検査です。 - 標準的な心電図では、
12誘導心電図が用いられます。 - 主な誘導は次の3種類です。
- 肢誘導では四肢に装着した電極を用い、
胸部誘導では胸部に配置した電極を用いて記録します。 - これにより、
心臓をさまざまな方向から
電気的に観察することができます。 - 主に次のような異常の評価に役立ちます。

四肢に装着した電極で肢誘導、
胸部の電極で胸部誘導を記録する様子を示す。
出典:北海道心臓協会「フリーイラスト集」(©北海道心臓協会)
- ただし、心電図では心臓の形や弁の状態などの
構造異常を直接観察することはできません。 - そのため、弁膜症や心筋症などの評価には、
心エコー検査などの画像検査が用いられます。

(管理人)
心電図を理解するには、
まず 刺激伝導系 を思い出しましょう。
👉 詳細は【循環器】心臓の構造・働き
で復習できます。
正常心電図波形
- 心電図では、P波・QRS波・T波などの波形や、
それぞれの間隔(PR間隔、QT間隔など)
を評価します。 - これらの波形は、
心臓の刺激伝導の流れを反映しています。 - 代表的な波形と意味を以下に示します。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| P波 | 心房の脱分極(心房興奮)。 |
| PR間隔 (=PQ間隔) | 心房から房室結節を経て 心室に電流が伝わるまでの時間 (房室伝導時間)。 |
| QRS波 | 心室の脱分極(心室興奮) |
| ST部分 | 心室全体が脱分極している状態(等電位)。 虚血では上昇や低下がみられる |
| T波 | 心室の再分極(興奮の回復) |
| QT間隔 | 心室の興奮開始から再分極終了までの時間。 |

P波、QRS波、T波に加え、PR間隔、ST部分、QT間隔を示す。
Created with BioRender.com
負荷心電図
- 負荷心電図では、
運動によって心臓に負荷をかけながら
心電図を記録します。 - トレッドミル(ランニングマシン)や
エルゴメーター(自転車型運動器)を用いて
運動負荷をかけ、
心筋虚血が誘発されるかどうかを評価します。 - この検査は、労作性狭心症の診断に有用です。
- 検査中に次のような虚血の兆候がみられた場合は、検査を中止します。

(管理人)
わざと運動させて
心臓に負担をかける検査です。
安静時には症状がなくても、
運動時など心負荷がかかった時
に症状が出る場合があります。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
全体像|ECG|X線|心エコー|CT|MRI|心筋シンチ|心臓カテーテル
胸部X線検査
- 循環器疾患の診断では、
胸部単純X線検査(胸部X線)が
基本的な検査の一つとして行われます。 - 主に次のような所見を確認します。
- これらの所見は、
心不全などの循環器疾患の診断に役立ちます。

(管理人)
胸部X線では、心陰影の輪郭を
「右に2つ、左に4つの弓(カーブ)」
に分けて観察します。
| 部位 | 解剖学的構造 |
|---|---|
| 右第1弓 | 上大静脈(SVC) |
| 右第2弓 | 右心房 |
| 左第1弓 | 大動脈弓 |
| 左第2弓 | 肺動脈幹 |
| 左第3弓 | 左心耳(左心房) |
| 左第4弓 | 左心室 |

右第1弓(上大静脈)、右第2弓(右心房)、左第1弓(大動脈弓)、
左第2弓(肺動脈幹)、左第3弓(左心耳)、左第4弓(左心室)を示す。
出典:Wikimedia Commons “Normal posteroanterior (PA) chest radiograph (X-ray).jpg” (CC0 1.0 Public Domain)
心エコー
- 心エコー検査は、超音波を用いて
心臓の構造や動きを観察する検査です。 - 超音波を胸壁に当て、その反射波(エコー)
を画像として描出します。 - 主に次のような項目を評価できます。
- さらに、カラードプラ法を用いることで、
血流の方向や逆流を
色で表示することができます。 - そのため、次のような疾患の診断に重要です。

探触子を胸壁にあてて心臓の断面を描出する心エコーの模式図。
右側に心エコー像と心臓断面図を示す。
出典:左=北海道心臓協会「フリーイラスト集」、
右=Patrick J. Lynch & C. Carl Jaffe(CC BY)

(管理人)
心エコーは
非侵襲的(体に負担が少ない)
ことが大きな利点です。
放射線を使用しないので、
繰り返し安全に検査できます。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
全体像|ECG|X線|心エコー|CT|MRI|心筋シンチ|心臓カテーテル
コンピュータ断層撮影(CT)

患者が寝台に横たわり、
CT装置で体の断面像を撮影する様子を示す。
出典:北海道心臓協会「フリーイラスト集」
- CT検査は、X線を体の周囲から回転照射して
断面画像を作成する検査です。 - 得られたデータを
コンピュータで再構成することで、
体の輪切り(断層像)を描出する
ことができます。 - 現在は、従来の単層CTよりも高性能な
マルチスライスCT(多列CT)
が主流となっています。
マルチスライスCT
- マルチスライスCTでは、1回の撮影で
複数の断層画像を同時に取得できます。 - そのため、
短時間で広範囲を撮影することが可能です。 - 心臓のように動いている臓器でも
鮮明な画像を得ることができ、

(管理人)
CTは、血管や臓器の形を
詳しく評価できる検査です。
特に大動脈解離や肺塞栓症など、
急性の循環器疾患の診断で
重要な役割を果たします。
磁気共鳴画像(MRI)
- MRI(Magnetic Resonance Imaging)は、
強力な磁場と電波を利用して
体内の断面像を描出する検査です。
MRIの特徴
- 放射線被曝がない
- 軟部組織(心筋・血管・脳など)の描出に優れる
- 必要に応じて、
造影剤(ガドリニウム造影剤など)を使用する - MRIは、特に

(管理人)
MRIは被曝がないのが大きな利点です。
ただし検査時間が長く、
体内に金属(ペースメーカーなど)
があると使用できないこともあります。
MRA(磁気共鳴血管撮影法)検査
- MRA(Magnetic Resonance Angiography)は、
血流からの信号を利用して
血管を描出するMRI技術です。
※ angio(血管)+ graphy(画像化) - 造影剤を使用しなくても、
血管を立体的に描出できることが特徴です。 - そのため、

(管理人)
CT血管造影では
造影剤を使用しますが、
MRAでは造影剤を使用せず
血管評価が可能な場合があります。
造影剤は腎機能障害のある患者では
注意が必要なため、
MRAが有用となることがあります。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
全体像|ECG|X線|心エコー|CT|MRI|心筋シンチ|心臓カテーテル
心筋シンチグラフィ(心筋シンチ)
- 心筋シンチグラフィ(心筋シンチ)は、
放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)
を静脈から投与し、
心筋に取り込まれた放射線を検出して
画像化する検査です。 - この検査では、
心筋への血流や心筋の生存能(viability)
を評価することができます。 - そのため、

(管理人)
「シンチ」とは、
放射性同位元素(RI)を用いる検査
と覚えておきましょう。
RIは放射線を出す物質のことです。
心臓カテーテル検査
- 心臓カテーテル検査は、
カテーテル(細い管)を血管から挿入し、
心臓まで進めて行う検査です。 - カテーテルは主に
- 場合によっては、大腿静脈などの静脈
から挿入することもあります。

大腿動脈または橈骨動脈から
カテーテルを心臓に挿入する経路を示す。
出典:北海道心臓協会「フリーイラスト集」
- 心臓カテーテル検査では、
主に次の評価を行うことができます。

(管理人)
心臓カテーテル検査は、
冠動脈を直接評価できる検査です。
狭心症や心筋梗塞など
虚血性心疾患の診断や治療(PCI)
に用いられます。
スワン・ガンツ・カテーテル
- スワン・ガンツ・カテーテルは、
右心系から肺動脈までカテーテルを進め、
心腔内圧や血行動態を測定する検査です。 - なかでも
肺動脈楔入圧(PAWP:pulmonary artery wedge pressure)は
左心系の状態を評価する指標として重要です。
※楔入圧:
「せつにゅうあつ」または「けつにゅうあつ」と読みます。
| 測定部位 | 測定される圧 |
|---|---|
| 右心房 | 中心静脈圧(CVP) |
| 右心室 | 右室圧 |
| 肺動脈 | 肺動脈圧 |
| 肺動脈末梢 (バルーン楔入時) | 肺動脈楔入圧(PAWP) =左心房圧・左室拡張末期圧の推定値 |

右心房から右心室、肺動脈へ進め、
バルーンを膨張させて肺動脈楔入圧を測定する様子。
Created with BioRender.com(一部加筆修正)

(管理人)
肺動脈楔入圧は
肺動脈末梢で
バルーンを膨らませたときの圧です。
その先は
肺毛細血管 → 肺静脈 → 左心房
へ続くため、
左心房圧を推定できます。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
全体像|ECG|X線|心エコー|CT|MRI|心筋シンチ|心臓カテーテル
📝 一目でわかる!循環器検査のチェックリスト
主な検査
□ 基本的検査:心電図・胸部X線
□ 画像検査:心エコー・CT・MRI・心筋シンチ
□ 侵襲的検査:心臓カテーテル検査
各検査の要点は+をタップして確認してください。
□ 12誘導心電図
標準肢誘導・単極肢誘導・胸部誘導
□ 主な適応
不整脈、虚血性心疾患
(※構造異常は直接評価できない)
□ 代表的波形
P波:心房の興奮(脱分極)
PR(PQ)間隔:房室伝導時間
QRS波:心室の興奮
ST部分:心室全体の興奮(等電位)
T波:心室の興奮回復(再分極)
□ 負荷心電図
運動負荷で心筋虚血を誘発
労作性狭心症の診断に有用
□ 主な評価所見:
心陰影の大きさ
大動脈・肺動脈の異常
肺うっ血
胸水
□ 心陰影の弓:
右第1弓:上大静脈(SVC)
右第2弓:右心房
左第1弓:大動脈弓
左第2弓:肺動脈幹
左第3弓:左心耳(左心房)
左第4弓:左心室
□ 主な評価:
心臓弁の形態・動き
心筋の厚さ・収縮
心腔の大きさ
□ カラードプラ法:
血流の方向や逆流を色をつけて描出
□ 主な適応:
心弁膜症・心不全・心筋症
□ 特徴:
非侵襲的・放射線被曝なし
□ 原理:
X線を回転照射し断層像を作成
□ 特徴:
血管・臓器の形態評価
□ マルチスライスCT
複数の断層像を同時取得
短時間で広範囲を撮影可能
□ 主な適応疾患:
虚血性心疾患(冠動脈評価)
大動脈疾患(大動脈解離など)
肺塞栓症
脳血管疾患(脳出血など)
□ 原理:
強い磁場と電波を利用して
体内の断面像を描出
□ 特徴:
放射線被曝なし
軟部組織(心筋・血管・脳)の描出に有用
必要に応じて造影剤(ガドリニウム)使用
□ 主な適応疾患:
心筋症・大動脈疾患・脳血管疾患
□ 注意点:
検査時間が長い
体内金属(ペースメーカーなど)
がある場合は制限
MRA(磁気共鳴血管撮影)
□ 血流信号を利用して血管を描出
□ 造影剤なしでも血管を立体表示可能
□ 主な対象:
脳血管疾患・大動脈疾患・冠動脈疾患
□ 原理:
放射性同位元素(RI)を静脈投与して
心筋への集積を画像化
□ 主な評価
心筋血流・心筋の生存能(viability)
□ 主な適応:
心筋虚血・心筋梗塞の有無・範囲
□ 負荷心筋シンチ:
運動・薬剤負荷で虚血を誘発
安静時画像と比較して評価
□ 方法:
カテーテルを血管から挿入し心臓へ進める
主な挿入部位:大腿動脈・橈骨動脈
□ 主な評価:
心内圧測定・冠動脈造影・血行動態
□ 主な適応:
虚血性心疾患・カテーテル治療(PCI)
スワン・ガンツ・カテーテル
□ 右心系 → 肺動脈へ挿入
□ 心腔内圧・血行動態を評価
□ 肺動脈楔入圧(PAWP)
=左心房圧・左室拡張末期圧の推定
□ 主な測定圧
右心房:中心静脈圧(CVP)
右心室:右室圧
肺動脈:肺動脈圧
肺動脈末梢(楔入):PAWP
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
全体像|ECG|X線|心エコー|CT|MRI|心筋シンチ|心臓カテーテル
※ 記事作成には正確を期しておりますが、
内容に誤りや改善点がございましたら、
お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。
🔗 関連記事
👇 クイズを解く前に以下の記事をチェック!
💯 循環器疾患の症候と検査 の知識をクイズでチェック!
👇 以下の記事では、5択クイズで本記事の理解度をチェックできます。
🔗 循環器疾患の学習に役立つ関連記事
👇 循環器系の基本的な解剖生理を復習したい人はこちら
👇 循環器疾患の 5択クイズの記事一覧 はこちら
👇 循環器疾患の 図解つき要点解説の記事一覧 はこちら
👇 循環器疾患の 総合演習 はこちらから挑戦できます!
👇 循環器疾患の 頻出問題だけ 短時間で復習したい方はこちら








コメント