【組織】神経組織の構造と働き

2章 人体構造・機能論

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🔰 この記事について

この記事では、神経組織について、
図解を用いてわかりやすく解説しています。

神経細胞の構造・機能グリア細胞 について、
国家試験や定期試験で頻出のポイントを
コンパクトに整理しました。

短時間で復習しやすいよう、
重要ポイントを中心にまとめています。

※ 5択クイズは別記事に掲載しています。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の項目について、
重要ポイントをまとめています。

  • 神経組織とは?
  • 神経細胞の役割
  • 神経細胞の構造
  • 活動電位
  • 神経線維の構造
  • グリア細胞
  • 血液脳関門(BBB)

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🩺 学習の進め方

本シリーズは
「5択クイズ編」+「要点解説編」 の2本立てです。

📌 おすすめの学習ステップ

  • まず クイズ で理解度チェック
  • 本記事で知識を整理
  • もう一度クイズに挑戦して知識を定着

🎯 こんな人におすすめ

  • 試験前に効率よく復習したい方
  • 重要ポイントを短時間で整理したい方
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▶︎ 神経組織とは?
▶︎ 神経細胞の役割(伝導と伝達)
▶︎ 神経細胞の構造
▶︎ 活動電位
▶︎ 神経線維の構造と跳躍伝導
▶︎ グリア細胞
▶︎ 血液脳関門(BBB)

神経組織とは

  • 神経組織は、
    外胚葉由来の組織であり、
    情報の受容・伝達・処理を担います。
  • 神経組織は、
    興奮を伝える神経細胞(ニューロン)と、
    神経細胞を支持・保護する
    グリア細胞(神経膠細胞)から構成されます。
  • 以下に、
    中枢神経系を構成する細胞のイメージを示します。
中枢神経系の構成細胞を示した図。神経細胞以外に、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアなどのグリア細胞が存在する様子を示している。
図1:中枢神経系の構成細胞
神経細胞の周囲には、
アストロサイト・ミクログリア・オリゴデンドロサイト
などのグリア細胞が存在する。
Image adapted from Servier Medical Art
(https://smart.servier.com/),
licensed under CC BY 4.0.
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(管理人)

神経細胞の周囲には
多数のグリア細胞が存在します。
👉 詳細は、グリア細胞 へ

神経細胞の役割

  • 神経細胞(ニューロン)は、
    刺激に応じて興奮(活動電位を発生し、
    他の神経細胞筋・腺などの効果器
    情報を伝える働きを持ちます。
  • 神経細胞の軸索を活動電位が伝わる
    ことを伝導といい、
    神経細胞から他の神経細胞や効果器
    情報が伝わることを伝達といいます。
  • 神経細胞の情報伝達は、
    シナプスを介して行われます。
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(管理人)

神経細胞同士、または神経細胞と
効果器の接続部位シナプスといいます。

神経細胞における伝導と伝達、およびシナプスの模式図
図2:神経細胞における伝導と伝達
活動電位が神経細胞の軸索を伝わることを伝導といい、
シナプスを介して他の神経細胞へ情報が伝わることを伝達という。
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神経細胞の構造

  • 神経細胞(ニューロン)は、
    主に細胞体神経突起から構成されます。

(神経)細胞体

  • 細胞体にはが存在し、
  • 神経伝達物質の合成
  • 活動電位の発生
    などに関与しています。
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活動電位は
細胞体から軸索へ移行する部分
(軸索小丘〜軸索初節)

で発生します。

神経突起

  • 神経突起には、
  • 樹状突起
  • 軸索
    があります。

樹状突起

  • 細胞体から分岐して伸びる短い突起で、
    シナプスを介して
    他の神経細胞から情報を受け取ります

軸索

  • 細胞体から伸びる長く細い突起で、
    活動電位を軸索終末まで伝導します。
  • 軸索終末からは、
    神経伝達物質が放出されます。
  • 軸索は髄鞘で覆われている場合があり、
    軸索と髄鞘を合わせて神経線維といいます。
  • 髄鞘は連続的に存在するわけではなく、
    一定間隔で切れ目があります。
  • この部分を
    ランビエ絞輪(こうりん)といいます。
神経細胞の構造(細胞体・樹状突起・軸索・髄鞘・ランビエ絞輪・軸索終末)の模式図
図3:神経細胞の構造
神経細胞は、細胞体・樹状突起・軸索などから構成される。
軸索が髄鞘で覆われた部分は神経線維とよばれ、
一定間隔でランビエ絞輪が存在する。
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活動電位

  • 活動電位とは、
    細胞の膜電位が急激に変化する現象です。
  • 通常(刺激がない状態)、
    神経細胞の内側は、
    外側よりマイナスに保たれています。
  • この状態を
    静止(膜)電位といいます。
  • しかし、刺激を受けると、
    膜電位は一時的にプラス方向へ変化し、
    その後再び元の状態へ戻ります。
  • この電位変化を活動電位といい、
    活動電位が軸索を伝導することで、
    情報が遠くまで伝えられます。
神経細胞における活動電位と膜電位変化の模式図。静止電位から刺激により膜電位が上昇し、その後元の状態へ戻る様子を示している。
図4:活動電位と膜電位の変化
神経細胞は通常、細胞内がマイナスに保たれている(静止電位)。
刺激を受けると膜電位が一時的に変化し、活動電位が発生する。
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▶︎ 神経組織とは?
▶︎ 神経細胞の役割(伝導と伝達)
▶︎ 神経細胞の構造
▶︎ 活動電位
▶︎ 神経線維の構造と跳躍伝導
▶︎ グリア細胞
▶︎ 血液脳関門(BBB)

神経線維の構造と跳躍伝導

  • 神経線維には、
    軸索に髄鞘を持つ有髄線維と、
    髄鞘を持たない無髄線維があります。
  • 髄鞘(ミエリン鞘)は、
    軸索の周囲を何重にも取り囲む、
    脂質に富んだ層構造です。
  • 有髄線維では、
    髄鞘の切れ目であるランビエ絞輪のみで
    活動電位が発生
    します。
  • そのため、
    活動電位はランビエ絞輪から次のランビエ絞輪へ
    飛び飛びに伝わります。
  • この伝導様式を、跳躍伝導といいます。
  • 跳躍伝導では、
    無髄線維のような連続的な伝導よりも、
    伝導速度が速くなります。
有髄線維の構造と跳躍伝導を示した模式図。軸索を囲む髄鞘と、活動電位が飛び飛びに伝わる様子を示している。
図5:有髄線維と跳躍伝導
有髄線維では軸索が髄鞘(ミエリン鞘)で覆われており、
活動電位はランビエ絞輪を飛び飛びに伝導する(跳躍伝導)。
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髄鞘形成に関わる細胞

  • 髄鞘(ミエリン鞘)は、
    グリア細胞によって形成されます。
  • 髄鞘形成を担う細胞は、
    中枢神経系(CNS)
    末梢神経系(PNS)で異なります。
  • 中枢神経系では
    オリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)
    末梢神経系では
    シュワン細胞 が髄鞘形成を担います。
  • 両者の大きな違いは、
    1個の細胞が担当する範囲です。
  • オリゴデンドロサイトは、
    1個の細胞が複数の軸索に髄鞘を形成できます。
  • 一方、シュワン細胞は、
    1個の細胞が1本の軸索の一部分のみを覆います。
オリゴデンドロサイトとシュワン細胞による髄鞘形成の違いを示した模式図
図6:中枢・末梢神経系での髄鞘の違い
中枢神経系(CNS)と末梢神経系(PNS)では、
髄鞘を形成する細胞が異なる。
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グリア細胞(神経膠細胞)

  • グリア細胞(神経膠細胞)は、
    神経細胞(ニューロン)以外の細胞の総称で、
    神経細胞の働きを支える補助細胞です。
  • 神経細胞の支持や栄養補助だけでなく、
    髄鞘形成、物質輸送、免疫的防御など、
    神経組織の環境を維持する重要な役割を担っています。
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グリア細胞は
“神経の補助役”と呼ばれますが、
実際には神経機能の維持に欠かせない
重要な細胞です。

  • 中枢神経系(脳・脊髄)末梢神経系では
    存在するグリア細胞の種類が異なります

中枢神経系(CNS)のグリア細胞

アストロサイト(星状膠細胞)

  • アストロサイトは、
    神経細胞を取り囲む星状の細胞で、
    中枢神経系の環境維持に重要な役割を担います。
  • 神経細胞への栄養供給
  • 過剰なK⁺や神経伝達物質の除去
  • 血液脳関門(BBB)の形成補助
    などに関与します。
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特に血管を取り囲む足突起は、
血液中の物質が脳へ自由に侵入する
ことを防ぐ働きがあります。

オリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)

  • オリゴデンドロサイトは、
    中枢神経系で髄鞘(ミエリン鞘)
    を形成
    する細胞です。
  • 髄鞘を形成することで、
    神経伝導速度を高める
    跳躍伝導 を可能にします。
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1つのオリゴデンドロサイトは、
複数の軸索に髄鞘を形成できます。

ミクログリア(小膠細胞)

  • ミクログリアは、
    中枢神経系の免疫担当細胞です。
  • 病原体や異常タンパク質、
    細胞の残骸などを貪食し、
    神経組織の防御や修復に関与します。
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マクロファージに似た働き
をすることから、
「脳の掃除屋」と表現される
こともあります。

末梢神経系(PNS)のグリア細胞

シュワン細胞

  • シュワン細胞は、
    末梢神経系で髄鞘を形成する細胞です。
  • オリゴデンドロサイトと同様に
    神経伝導速度を高める働きがあります。
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1個のシュワン細胞は、
1本の軸索の一部分のみ
を髄鞘化する点が特徴です。

血液脳関門(BBB:Blood Brain Barrier)

  • 血液脳関門(BBB)は、
    血液中枢神経系(脳・脊髄)の組織液との間で、
    物質の移動を厳密に制限する構造です。
  • 有害物質や病原体が
    脳へ侵入することを防ぎ、
    中枢神経系の環境を一定に保つ役割があります。
  • 中枢神経系の毛細血管は、
    一般の毛細血管とは異なり、
    血管内皮細胞同士が強固に結合しています。
  • さらに、その周囲を
    血管周皮細胞アストロサイトの足突起が取り囲み、
    血液からの物質移動を厳密に制御しています。
中枢神経系のグリア細胞(アストロサイト・オリゴデンドロサイト・ミクログリア)と血液脳関門(BBB)の構造を示した模式図
図7:中枢神経系のグリア細胞と血液脳関門(BBB)
アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアと、
血液脳関門(BBB)の模式図。
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脂溶性物質は比較的通過しやすい一方、
多くの水溶性物質は自由に通過できません

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神経組織の基礎と神経細胞

□ 神経組織
 ・外胚葉由来
 ・情報の受容・伝達・処理を担う
 ・神経細胞+グリア細胞から構成

□ 神経細胞(ニューロン)
 ・興奮(活動電位)を発生・伝導する
 ・他の神経細胞や効果器へ情報を伝達

□ 神経細胞の構造
 ・細胞体:や細胞小器官を含む
      神経伝達物質の合成を担う
 ・樹状突起:情報を受け取る
 ・軸索:活動電位を伝導する
 ・軸索終末:神経伝達物質を放出
 ・ランビエ絞輪:髄鞘の切れ目

活動電位と神経線維

□ 活動電位
 ・静止膜電位:通常、細胞内マイナス
 ・刺激により膜電位が急激に変化
 ・活動電位が軸索を伝導し情報を伝える

□ 神経線維
 ・有髄線維:髄鞘あり
 ・無髄線維:髄鞘なし

□ 跳躍伝導(有髄線維)
 ・活動電位はランビエ絞輪間を伝導
 ・伝導速度:有髄 > 無髄

□ 髄鞘形成細胞(グリア細胞)
 ・オリゴデンドロサイト(中枢):
  1細胞が複数の軸索を髄鞘化

 ・シュワン細胞(末梢)
  1細胞が1つの軸索の一部を髄鞘化

グリア細胞と血液脳関門(BBB)

□ グリア細胞(神経膠細胞)
 ・神経細胞を支持・保護する補助細胞
 ・髄鞘形成、栄養補助、免疫機能などを担う

□ 中枢神経系(CNS)のグリア細胞
 ・アストロサイト:環境維持、BBB形成補助
 ・オリゴデンドロサイト:髄鞘形成
 ・ミクログリア:貪食・免疫機能

□ 末梢神経系(PNS)のグリア細胞
 ・シュワン細胞:髄鞘形成
  1細胞が1つの軸索の一部を髄鞘化

□ 血液脳関門(BBB)
 ・血液と脳組織間の物質移動を制限
 ・血管内皮細胞+アストロサイト足突起が関与
 ・脂溶性物質は比較的通過しやすい

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▶︎ 神経細胞の役割(伝導と伝達)
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▶︎ 活動電位
▶︎ 神経線維の構造と跳躍伝導
▶︎ グリア細胞
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※ 記事作成には正確を期しておりますが、
 内容に誤りや改善点がございましたら、
 お知らせいただけますと幸いです。
 今後の教材作成の
 参考にさせていただきます。

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