【循環器疾患】虚血性脳血管疾患(脳梗塞)を図解で総整理

8章 循環器疾患・呼吸器疾患

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🔰 この記事について

  • 本記事では、
    虚血性脳血管疾患(脳梗塞の重要ポイント
    図解でわかりやすく整理しています。
    (※5択クイズは 別記事 で掲載しています)
  • 国家試験や定期試験でよく問われる
    概念・原因・症状・診断・治療のポイントを
    短時間で復習できるようコンパクトにまとめました。
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最初に基礎知識を確認してから
問題演習に進みたい方は
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  • 脳血管疾患の総論出血性脳血管疾患の詳細は
    以下の記事から復習できます。
  • また、硬膜下血腫についても学習できます。

▶️ 脳血管疾患(総論)と硬膜下血腫
▶️ 出血性脳血管疾患(くも膜下出血・脳出血)

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🔍 出題ポイントのまとめ|虚血性脳血管疾患(脳梗塞)

  • 虚血性脳血管疾患とは、
    脳血流の低下や遮断によって
    脳組織が虚血に陥る疾患です。
  • 代表的な疾患が 
    脳梗塞(cerebral infarction) です。

👉 脳血管疾患の総論は、以下の記事をチェック!

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▶ 脳梗塞(総論)
▶︎ アテローム血栓性脳梗塞
▶︎ ラクナ梗塞
▶︎ 脳塞栓症

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脳梗塞(Cerebral Infarction)

  • 脳動脈が血栓や塞栓によって狭窄・閉塞し、
    脳への血流が途絶えることで
    脳組織が虚血・壊死に陥る疾患です。
  • 脳卒中の中で最も頻度が高いタイプです。
脳梗塞の発生機序を示した図。
脳動脈内に血栓が詰まって血流が途絶え、血管の支配領域に虚血が生じている様子を示す。
脳の断面図と血管拡大図を組み合わせ、閉塞部位と虚血領域の位置関係を視覚的に表している。
図1:脳梗塞の発生機序
脳動脈が血栓などで閉塞すると、その先の血流が途絶え、
酸素や栄養が届かなくなった領域(虚血領域)
に脳細胞の壊死が生じる。
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  • 脳血管疾患は、
    日本の死因第4です
    (2023年:厚生労働省)。
  • そのうち 70%を脳梗塞が占めます。
  • また、
    寝たきりの原因の第1位は脳卒中であり、
    その多くは 脳梗塞によるものです。
分類主な原因・特徴
アテローム血栓性脳梗塞動脈硬化による
主幹動脈の狭窄・閉塞
ラクナ梗塞細い穿通枝(小動脈)の閉塞
心原性脳塞栓症心臓由来の血栓が脳動脈を塞ぐ
(例:心房細動)

① 急性期

  • 急性期では、
    むやみに降圧しないことが重要です
    (脳血流がさらに低下するため)。
  • 急性期には、
  • tPA(血栓溶解療法)
  • 血管内治療(血栓回収療法)
    などの再開通治療が行われます。

tPA(血栓溶解療法)

  • 発症 4.5 時間以内
  • 血圧 185/110 mmHg以下 で適応

血管内治療(血栓回収療法)

  • 主幹動脈閉塞で実施
  • カテーテルで血栓を回収
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極端な高血圧の場合のみ、
降圧薬で慎重に血圧を調整します

👉 高血圧や降圧薬については、
  高血圧症(本態性・二次性)
を参照してください。

② 慢性期(再発予防)

  • 慢性期では、
    再発予防(危険因子の管理) が重要です。
  • 原因に応じて、以下の治療が行われます。
  • 抗血小板薬
    (アテローム血栓性脳梗塞・ラクナ梗塞)
  • 抗凝固薬
    (心原性脳塞栓症:例 心房細動)
  • また、
  • 血圧管理
  • 脂質管理
  • 糖尿病管理
    などの動脈硬化危険因子のコントロールも重要です。

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▶ 脳梗塞(総論)
▶︎ アテローム血栓性脳梗塞
▶︎ ラクナ梗塞
▶︎ 脳塞栓症

アテローム血栓性脳梗塞

  • 比較的太い脳動脈
    内頸動脈・中大脳動脈などの主幹動脈)が
    アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)
    によって狭窄・閉塞することで起こる脳梗塞です。

👉 動脈硬化については、
  動脈硬化・大動脈瘤・大動脈解離 
  にまとめています。

アテローム血栓性脳梗塞の発生機序を示した図。
脳の断面図において、動脈硬化による粥状変化と血栓形成が示され、閉塞部位の支配領域に虚血が広がる様子を表している。
図2:アテローム血栓性脳梗塞の発生機序
動脈硬化によって血管内にアテローム(粥状物質)が形成され、
そこに血栓が付着して閉塞を起こす。
これにより、閉塞部位の支配領域に脳梗塞が生じる。
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  • 動脈硬化の進行を促す
    生活習慣病や生活習慣が関係します。
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症(高コレステロール血症など)
  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 前駆症状として 
    一過性脳虚血発作(TIA) がみられることがあります。
  • 代表的な症状:
  • 片麻痺
  • 構音障害
  • 失語 など。
  • 発症は 安静時(睡眠中〜起床時)に多く、
    階段状に悪化するのが特徴です。
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「階段状に悪化」とは、
ある日を境に症状がはっきり悪化し、
それが段階的に進むことをいいます。
アルツハイマー病のような
ゆるやかな進行(スロープ状)とは異なります。

  • 一時的に脳の血流が低下し、
    一過性の神経症状が出現する状態です。
  • 症状は数分〜数時間で回復しますが、
    10〜15%が3か月以内に脳梗塞を発症します。
  • 塞栓性
    動脈内の血栓の一部が剥がれて一時的に詰まる。
  • 血行性
    血圧低下などで脳血流が一時的に減少。
  • 心原性
    心臓内の血栓が脳血管に流れて詰まる。
虚血部位主な症状
内頸動脈系片麻痺、感覚障害、失語症、
一過性黒内障片目が見えなくなる)
椎骨・脳底動脈系構音障害、めまい、複視、嚥下障害

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▶ 脳梗塞(総論)
▶︎ アテローム血栓性脳梗塞
▶︎ ラクナ梗塞
▶︎ 脳塞栓症

ラクナ梗塞

  • 脳動脈の細い枝(穿通枝)が閉塞して起こる、
    小さな脳梗塞です。
  • 梗塞の大きさは通常 15 mm以下で、
    脳の深部(基底核・内包・視床・橋など)
    に好発します。
ラクナ梗塞の発生機序を示した図。
脳の断面図で、細動脈の閉塞によって脳深部に小さな梗塞巣(ラクナ)が形成されている様子を描く。
拡大図では、細動脈内が血栓で詰まり血流が遮断されている様子が示されている。
図3:ラクナ梗塞の発生機序
高血圧などにより脳の深部を走る細動脈が閉塞し、
米粒大(15mm以下)の小梗塞(ラクナ)が生じる。
主に被殻、視床、橋などの穿通枝領域にみられる。
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  • 高血圧をもつ高齢者
  • 糖尿病
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これらの疾患では、
長年の高血圧によって
細動脈硬化が起こり、
血流が途絶えやすくなります。

  • 症状は比較的軽いことが多く、
  • 運動麻痺のみ
  • 感覚障害のみ
    などの限局した神経症状がみられます。
  • また、無症候性(自覚症状なし)
    偶然発見されることもあります。
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ラクナ梗塞は
皮質ではなく深部病変のため、
失語・失行などの皮質症状
けいれん、意識障害はみられません。

  • 大脳皮質(大脳の表面)が
    障害されたときにみられる
    高次脳機能の障害のことです。
  • 言語・行動・認識など
    に関わる機能が障害され、
    以下のような症状がみられます。
  • 失語
    言葉を話せない、
    または理解できない
  • 失行
    運動麻痺がないのに、
    行動の手順が分からなくなる
  • 失認
    見たり触れたりしても、
    物を認識できない
  • 一般に予後は良好ですが、多発すると
    脳血管性認知症パーキンソン症候群様症状
    をきたすことがあります。

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▶ 脳梗塞(総論)
▶︎ アテローム血栓性脳梗塞
▶︎ ラクナ梗塞
▶︎ 脳塞栓症

心原性脳塞栓症

  • 心臓の中でできた血栓
    血流に乗ってに飛び、
    脳動脈を塞ぐことで起こる脳梗塞です。
心原性脳塞栓症の発生機序を示した図。
心臓内にできた血栓が血流により脳に運ばれ、脳動脈を閉塞して広範囲の脳梗塞を生じる様子を表している。
脳断面図と心臓の拡大図を用いて、塞栓の経路と影響範囲を示している。
図4:心原性脳塞栓症の発生機序
心房細動などにより心臓内に血栓が形成され、
それが血流に乗って脳動脈を閉塞し、広範囲の脳梗塞を起こす。
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  • 心房細動(原因の約9割)
  • 僧帽弁狭窄症
  • 心筋梗塞
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これらの疾患では、
心臓内で血流がうっ滞し、
血栓が形成されやすくなります。

関連疾患をおさらいしよう
  • 発症が急激で、
    突発的に症状が完成することが特徴です。
  • 脳梗塞の中でも
    最も重症で予後不良とされています。
  • これは
    大きな血栓が主幹動脈を閉塞しやすいため、
    広範囲の脳組織が障害されるからです。
  • 日中の活動時に突然発症することが多いです。
  • 主な症状:
  • 片麻痺
  • 構音障害
  • 失語(皮質症状)
  • 意識障害
  • 広範囲の虚血が起こるため、
    重度の神経障害が残ることもあります。

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▶ 脳梗塞(総論)
▶︎ アテローム血栓性脳梗塞
▶︎ ラクナ梗塞
▶︎ 脳塞栓症

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脳梗塞(総論)

□ 概念
  脳動脈の狭窄・閉塞により
  脳組織虚血・壊死に陥る疾患
 (虚血性脳血管疾患)

□ 頻度
  脳卒中の中で最も頻度が高い

□ 分類
  アテローム血栓性脳梗塞
  ラクナ梗塞
  心原性脳塞栓症

□ 治療

  急性期
  tPA(血栓溶解療法)
  血管内治療(血栓回収療法)
  ※原則として むやみに降圧しない

  慢性期(再発予防)
  抗血小板薬・抗凝固薬
  血圧・脂質など
  動脈硬化危険因子の管理

アテローム血栓性脳梗塞

□ 概念
  脳の主幹動脈
  アテローム性動脈硬化により
  狭窄・閉塞して起こる脳梗塞

□ 危険因子:
  動脈硬化を促す生活習慣病・生活習慣
 (高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙など)

□ 症状:
  前駆症状:一過性脳虚血発作(TIA)
  片麻痺・構音障害・失語 など
  安静時(睡眠中〜起床時)に発症
  階段状に悪化

ラクナ梗塞

□ 概念
  脳の細動脈(穿通枝)の閉塞による
  小梗塞(15 mm以下)

□ 危険因子:
  高血圧のある高齢者
  糖尿病

□ 症状:
  比較的軽度(運動障害のみ/感覚障害のみ)
  無症候性のこともある
  皮質症状はみられない

□ 予後:
 一般に予後は良好
 多発すると脳血管性認知症などを生じる

心原性脳塞栓症

□ 概念:
  心臓内で形成された血栓
  血流に乗って脳へ移動し、
  脳動脈を閉塞して起こる脳梗塞

□ 原因:
  心房細動(最多)

□ 特徴:
  発症が急激で、突発的に症状が完成
  脳梗塞の中で最も重症
  主幹動脈閉塞により広範囲の脳組織が障害

□ 症状:
  日中の活動時に突然発症
  片麻痺・構音障害
  失語(皮質症状
  意識障害 など

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▶︎ ラクナ梗塞
▶︎ 脳塞栓症

※ 記事作成には正確を期しておりますが、
内容に誤りや改善点がございましたら、
お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。

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