【呼吸器疾患】上気道感染症(副鼻腔炎・クループ)とインフルエンザを図解で総整理(要点解説)

8章 循環器疾患・呼吸器疾患

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🔰 この記事について

  • 本記事は、上気道感染症(副鼻腔炎・クループ)とインフルエンザ についての要点解説記事です(※クイズは別記事)。
  • 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の疾患について、特徴や違いのポイントをまとめています。

  • 急性副鼻腔炎
  • クループ症候群
  • インフルエンザ
    (診療情報管理士 基礎・医学編 8章 臨床医学各論Ⅴ に対応)

🩺 学習の進め方

この 呼吸器疾患 各論① は、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。

おすすめの使い方👇

  1. 最初に 5択クイズ(準備中) に挑戦して理解度チェック
  2. できなかった部分を、要点解説記事(本記事) でしっかり整理
  3. 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着

💡 学習のポイント

  • 最初にクイズに挑戦することで、「どこが出題ポイントなのか」が自然と見えてきます。
  • その後に要点解説を読むと、疾患の関連や違いが理解しやすくなります。
  • 理解を深めたあとにもう一度クイズに挑戦すれば、知識がしっかり定着します。
  • 本記事は、診療情報管理士をはじめ、理学療法士・作業療法士・看護師など
    幅広い医療系資格の勉強に対応しています。

🔍 出題ポイントのまとめ|上気道感染症とインフルエンザ

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▶ 急性副鼻腔炎
▶︎ クループ症候群
▶︎ インフルエンザ

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急性副鼻腔炎

  • 急性副鼻腔炎とは、かぜ(急性鼻炎)に続いて、副鼻腔に細菌感染が起こり、粘膜の炎症膿の貯留を生じた状態をいいます。
  • 多くはウイルス性上気道感染症をきっかけに、二次的な細菌感染として発症します。
  • 副鼻腔の中では、上顎洞に病変が生じることが最も多いです。
急性副鼻腔炎の模式図。正常な副鼻腔と比較し、上気道感染後に副鼻腔、とくに上顎洞に炎症が生じ、膿が貯留している様子を示している。
図1:急性副鼻腔炎の病態
かぜなどの上気道感染に続いて、副鼻腔内に炎症が起こり、膿が貯留する。
とくに上顎洞に病変が生じやすい。
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参考:慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 急性副鼻腔炎が遷延・反復し、症状が3か月以上持続するものを慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と呼びます。
    ※急性と慢性の区別は症状の持続期間がポイントです。
  • 起炎菌としては、肺炎球菌インフルエンザ菌モラクセラ・カタラーリスが多いです。
  • 慢性化すると、黄色ブドウ球菌嫌気性菌が関与することもあります。
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講師
(管理人)

インフルエンザ菌は、上気道の常在菌です。
インフルエンザの病原体ではないので注意!

  • 鼻汁膿性で、悪臭を伴うことが多い
  • 痛み顔面痛、歯痛、頭痛など
  • 感冒様症状:発熱、倦怠感などを伴うことがある
  • 画像検査(単純X線
    → 罹患している副鼻腔に陰影の増強がみられます。
  • 鼻汁の吸引・排出
  • 抗菌薬(抗生物質
  • 消炎鎮痛薬
  • 副鼻腔は眼窩や頭蓋内と近接しているため、炎症が波及すると視力低下や視野障害などの視覚障害をきたすことがあります。
  • これらの症状がみられる場合は、緊急対応や外科的治療が必要となることがあります。

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▶ 急性副鼻腔炎
▶︎ クループ症候群
▶︎ インフルエンザ

クループ症候群

  • クループ症候群とは、ウイルス感染などを契機に喉頭から気管にかけて炎症が生じ、気道が狭窄することで特徴的な呼吸症状を呈する病態の総称です。
  • 吸気性喘鳴、犬吠様咳嗽、嗄声が三大特徴として知られています。
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(管理人)

オットセイが鳴くような咳
ともいわれます。

  • 生後6か月~3歳頃の乳幼児に多くみられます。
    (気道径が狭い小児では、軽度の炎症でも症状が出やすい)
  • 原因の多くはウイルス感染で、主に以下が知られています。
    • パラインフルエンザウイルス
    • RSウイルス
    • アデノウイルス
補足(用語整理)

かつては、ジフテリア菌によるものを「真性クループ」、それ以外の原因によるものを「仮性クループ」と呼んでいましたが、現在は臨床的にはあまり用いられません。

  • 吸気性喘鳴(吸うときにゼーゼーする)
  • 犬吠様咳嗽(犬が吠えるような乾いた咳)
  • 嗄声(声がかすれる)
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喘息では呼気時に喘鳴が聴かれますが、
クループでは吸気時に喘鳴が聴かれます。

  • 治療は対症療法が基本となります。
    • 鎮咳去痰薬
    • 気管支拡張薬
    • アドレナリン吸入
    • ステロイド投与(内服・吸入)

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インフルエンザ

  • インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる流行性の急性感染症です。
  • 毎年冬季を中心に流行し、急激に発症する全身症状を特徴とします。
  • 原因はインフルエンザウイルスで、以下の型があります。
    • A型
    • B型
    • C型
  • このうち、ヒトのインフルエンザの原因となるのは主にA型B型です。
  • 感染経路は
    • 飛沫感染
    • 接触感染
      が中心となります。
  • A型インフルエンザウイルスの表面には、、感染や増殖に関与するスパイクタンパクが存在します。
  • 表面のHA(ヘマグルチニン)宿主細胞への侵入に、NA(ノイラミニダーゼ)は新たに産生されたウイルスの放出に関与します。
A型インフルエンザウイルスの構造図。ウイルス表面にHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)が存在し、内部にRNAとカプシド、外側に脂質二重膜からなるエンベロープをもつことを示している。
図:A型インフルエンザウイルスの構造
表面のHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)はウイルスの侵入・放出に関与し、
その組み合わせによりA型インフルエンザの亜型(H1N1、H3N2など)が決まる。
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  • A型インフルエンザでは、HAとNAの変異が大きいことが特徴で、その組み合わせによって多数の亜型が存在します。
  • 代表的な亜型
    • Aソ連型:H1N1
    • A香港型:H3N2
    • 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)
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(管理人)

A型のみが亜型をもち、
H(HA)とN(NA)の組み合わせ
で表記されます。

  • 潜伏期間:1〜3日
  • 主な症状急激な発症悪寒高熱・頭痛・全身倦怠感・筋肉痛・関節痛
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(管理人)

かぜでは、のどの痛みや鼻水などの局所症状から始まることが多いのに対し、
インフルエンザでは悪寒や高熱などの全身症状が急に出現するのが特徴です。

  • インフルエンザは、年齢や基礎疾患によって重篤な合併症を起こすことがあります。
    • 小児インフルエンザ脳症
    • 高齢者肺炎
  • 治療の基本は、発症後48時間以内の抗インフルエンザ薬投与です。
    • リン酸オセルタミビル(タミフル)
    • ザナミビル(リレンザ:吸入薬) など

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📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!

急性副鼻腔炎
  • 病態:かぜに続く、二次的な細菌感染
  • 好発部位上顎に最も多い
  • 起因菌肺炎球菌インフルエンザ菌、モラクセラ
  • 主な症状膿性悪臭を伴う鼻汁顔面痛・頭痛
  • 単純X線検査:罹患洞の陰影増強
  • 注意すべき合併症:炎症の波及による視力低下・視野障害
  • 経過・予後3か月以上の持続で、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
クループ症候群
  • 病態喉頭〜気管の炎症による気道狭窄
  • 原因ウイルス感染(パラインフルエンザなど)
  • 好発年齢生後6か月〜3歳
  • 主な症状吸気性喘鳴・犬吠様咳嗽・嗄声
  • 治療アドレナリン吸入、ステロイド投与
インフルエンザ
  • 原因インフルエンザウイルス(A型・B型
  • 発症様式急激に発症(悪寒・高熱)
  • 主な症状高熱、全身倦怠感、筋肉痛
  • 合併症急性脳症(小児)、肺炎(高齢者)
  • 治療抗インフルエンザ薬の早期投与

※ 記事作成には正確を期しておりますが、内容に誤りや改善点がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。

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