【呼吸器疾患】主要症候と肺の聴診を図解で総整理（要点解説）

🔰 この記事について

• 本記事は、呼吸器疾患（総論） についての要点解説記事です（※クイズは別記事）。
• 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の内容について、特徴や違いのポイントをまとめています。

• 呼吸器疾患の主要症候と病態整理
• 肺の聴診：正常呼吸音と異常呼吸音
  （診療情報管理士 基礎・医学編　8章 臨床医学各論Ⅴ に対応）

🩺 学習の進め方

この 呼吸器疾患（総論） シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。

おすすめの使い方👇

1. 最初に 5択クイズ（準備中） に挑戦して理解度チェック
2. できなかった部分を、要点解説記事（本記事） でしっかり整理
3. 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着

💡 学習のポイント

• 最初にクイズに挑戦することで、「どこが出題ポイントなのか」が自然と見えてきます。
• その後に要点解説を読むと、疾患の関連や違いが理解しやすくなります。
• 理解を深めたあとにもう一度クイズに挑戦すれば、知識がしっかり定着します。
• 本記事は、診療情報管理士をはじめ、理学療法士・作業療法士・看護師など
  幅広い医療系資格の勉強に対応しています。

🔍 出題ポイントのまとめ｜主要症候と肺の聴診

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▶ 主要症候と病態整理
▶︎ 肺の聴診

重要ポイントだけ一気に復習したい方はこちら👇

呼吸器疾患の主要症候と病態整理

• 呼吸器疾患では、病態に応じてさまざまな症候がみられます。
• ここでは、代表的な症候について、その意味と背景にある病態生理を整理します。

咳嗽（咳）

• 咳嗽（がいそう）とは、外界から侵入した異物や分泌物（喀痰など）を気道から排出するための生理的防御反射です。
• 気道粘膜が刺激されることで咳反射が起こり、異物の排除を助けます。

• 咳嗽は、喀痰の有無によって以下のように分類されます。

• 乾性咳嗽：痰を伴わない咳
• 湿性咳嗽：痰を伴う咳

• この分類は、疾患の鑑別や病態の把握に重要です。

喀痰（痰）

• 喀痰とは、呼吸器から分泌された粘液が過剰に産生されたり、排出が障害されたりすることで、咽頭から塊として排出されるものを指します。

• 喀痰は性状によって以下のように分類されます。

• 泡沫状痰
• 水様性痰
• 漿液性痰
• 粘液性痰
• 膿性痰（好中球を多く含む）
• 血性痰（少量の血液を含む）

• なお、10 mL以上の血液を伴う場合は「喀血」と呼ばれ、注意が必要な所見です。

喘鳴（ぜんめい）

• 喘鳴とは、気道が異常に狭窄することで生じる、笛を吹くような高調性の呼吸音です。
• 特に、気管支喘息に特徴的な所見として知られています。

• 気道の炎症や平滑筋収縮、分泌物の増加などにより気道内腔が狭くなることで発生します。

胸痛

• 胸痛は、呼吸器疾患に限らず、さまざまな疾患でみられる症候です。

• 呼吸器疾患：肺、胸膜の炎症など
• 循環器疾患：虚血性心疾患、大動脈解離など
• 消化器疾患：逆流性食道炎など

• このように原因が多岐にわたるため、鑑別診断が重要な症候といえます。

チアノーゼ

• チアノーゼとは、毛細血管内の酸素濃度が低下し、還元ヘモグロビンが5 g/dL以上になることで、皮膚や粘膜が青藍色を呈する状態です。

• 低酸素血症を反映する重要な身体所見であり、重症度の判断にも用いられます。

ばち状指

• ばち状指とは、爪と骨の間の結合組織が増殖することで生じる、手指（または足趾）先端の腫大を指します。
• これにより、爪の湾曲度が増大するのが特徴です。

• 慢性的な低酸素状態や一部の肺疾患でみられる所見です。

起座呼吸

• 起座呼吸とは、呼吸困難のために臥位をとることができず、座位で努力呼吸を行っている状態を指します。
• 臥位になると静脈還流が増加し、肺うっ血が悪化して呼吸困難が増強するため、自然と上体を起こした姿勢をとります。
• 重度の呼吸困難を示唆する重要な所見です。

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▶︎ 肺の聴診

身体所見：肺の聴診

• 肺の聴診では、呼吸音の性状から気道や肺実質の状態を評価します。
• 聴取される呼吸音は、正常呼吸音と副雑音（異常呼吸音）に大きく分けられます。

正常呼吸音

• 正常呼吸音は、空気が気道を通過する際に生じる音です。
• 聴取部位や気道の太さによって、以下のように分類されます。

• 気管呼吸音
• 気管支呼吸音
• 肺胞呼吸音

• これらは生理的な呼吸音であり、異常を示すものではありません。

副雑音（異常呼吸音）

• 副雑音とは、正常では聴かれない呼吸音で、呼吸器疾患の診断に重要な所見です。
• 代表的なものにラ音と胸膜摩擦音があります。

ラ音

• ラ音は、気道の狭窄や分泌物の存在などにより生じる異常呼吸音です。
• 性状により、連続性（乾性）ラ音と断続性（湿性）ラ音に分類されます。

連続性（乾性）ラ音の分類

種類	音の特徴	主な病態	代表的疾患
笛音 （喘鳴）	高音性 「ヒューヒュー」	細い気道が狭くなり、 空気の流れが乱れることで生じる	気管支喘息
いびき音	低音性 「ボーボー」	太い気道が狭窄し、 空気が振動することで生じる	COPD、 気管支拡張症

断続性（湿性）ラ音の分類

種類	音の特徴	主な病態	代表的疾患
水泡音	粗く低音性 「パチパチ」	気道内の分泌物や液体膜が、 呼吸に伴って破裂することで生じる	炎症性疾患
捻髪音	細かく高音性 「バリバリ」	障害された肺胞が 遅れて開くことで生じる	間質性肺疾患

胸膜摩擦音

• 胸膜摩擦音は、「ギューギュー」という雪を踏むような音として聴かれます。
• 炎症を起こした胸膜同士がこすれ合うことで生じ、胸膜炎でみられます。

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▶︎ 肺の聴診

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※ 記事作成には正確を期しておりますが、内容に誤りや改善点がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。

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