【循環器疾患】5択クイズで学ぶ!虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

5択クイズで学ぶ
学生
学生

狭心症とか心筋梗塞って、
試験でよく見ますよね!

講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

そうですね。
特徴がはっきりしていて、出題しやすい疾患なんです。
虚血性心疾患こそ「解いて覚える」方法で確実に点数を取っていきましょう。

🔰 この記事について

本記事は、「解いて覚える」をコンセプトにした虚血性心疾患の5択クイズ記事です。
(※詳細な要点解説は別記事にしています)
診療情報管理士の認定試験(基礎・医学編)をはじめ、医療系国家試験の出題範囲を中心に構成しています。

出題対象は以下のとおりです👇

  • 虚血性心疾患
    • 慢性冠症候群
      • 労作性狭心症
      • 異型狭心症
    • 急性冠症候群
      • 不安定狭心症
      • 心筋梗塞

🩺 学習の進め方

この虚血性心疾患シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。

おすすめの使い方👇

  • まずはこのページの 5択クイズ に挑戦して理解度を確認
  • 間違えた部分や曖昧な部分を、要点解説記事 でしっかり整理
  • 最後にもう一度クイズを解いて、知識を確実に定着

💡 学習のポイント

  • 最初にクイズに挑戦することで、「どこが出題ポイントなのか」が自然と見えてきます。
  • その後に要点解説を読むと、疾患の関連や違いが理解しやすくなります。
  • 理解を深めたあとにもう一度クイズに挑戦すれば、知識がしっかり定着します。
  • 本記事は、診療情報管理士をはじめ、理学療法士・作業療法士・看護師など
    幅広い医療系資格の勉強に対応しています。

📄 PDFダウンロード対応

印刷しての復習はもちろん、
講師の方が授業資料小テスト用としてもご利用いただけます。
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✏️ 5択クイズに挑戦!虚血性心疾患の理解度をチェック

👇 いきなり問題を解くのが不安な人は、以下の要点解説記事

問1:狭心症について、正しい記述はどれか。

  1. 安静時狭心症は、軽症の狭心症である。
  2. 労作性狭心症の胸痛は、安静にしても改善しない。
  3. 異型狭心症では、発作時にST低下がみられる。
  4. 不安定狭心症とは、運動で誘発される狭心症のことである。
  5. 不安定狭心症か心筋梗塞か鑑別が困難な場合、急性冠症候群として扱う。
解答

 正しい記述は、5 です。

解説
  1. 誤り。安静時狭心症は安静にしていても胸痛発作が起こる狭心症で、労作性狭心症より重症とされます。
    発作の原因は冠動脈の攣縮(冠攣縮性狭心症)による場合が多く、夜間や早朝など安静時に発作を生じます。
  2. 誤り労作性狭心症の胸痛発作は、安静ニトログリセリンにより心負荷を軽減すると改善します
  3. 誤り異型(冠攣縮性)狭心症では、発作時にST上昇がみられます。
  4. 誤り不安定狭心症は、発作の出現パターンが不安定で、労作時だけでなく安静時にも発作がみられます。運動で誘発される狭心症は、労作性狭心症です。
  5. 正しい記述です。不安定狭心症心筋梗塞の鑑別が困難な場合は、急性冠症候群(ACS)として扱います。早期に対応し、緊急評価や治療を行うことが重要です。

👉 狭心症 については、こちら で詳しく解説しています。

問2:狭心症について、正しい記述はどれか。

  1. 狭心症では、一過性の虚血により心筋壊死が生じる。
  2. 労作性狭心症は、冠動脈の攣縮が原因となる。
  3. 異型狭心症の発作は、夜間〜早朝に出現することが多い。
  4. 労作性狭心症の診断には、ホルター心電図が有効である。
  5. 不安定狭心症は、労作性狭心症より軽症である。
解答

 正しい記述は、3 です。

解説
  1. 誤り。狭心症では虚血が一過性であるため、心筋壊死には至りません
    一方、心筋梗塞では虚血が持続し、心筋壊死が生じます
  2. 誤り。労作性狭心症は、動脈硬化による冠動脈の器質的狭窄が原因です。
    冠動脈の攣縮が原因となるのは、異型(冠攣縮性)狭心症です。
  3. 正しい記述です。冠攣縮性狭心症は、副交感神経が優位となる夜間から早朝に発作を起こしやすく、また、早朝の自律神経トーンの変化(副交感→交感)も攣縮を誘発する要因となります。
  4. 誤り。労作性狭心症では、安静時に症状や心電図変化がみられないため、運動負荷心電図で診断します。
    一方、ホルター心電図は、安静時にも発作が起こる安静時狭心症異型狭心症)に用いられます。
  5. 誤り。不安定狭心症は、心筋梗塞に移行するリスクが高く、労作性狭心症よりも重症です。

👉 狭心症 については、 こちら で詳しく解説しています。

問3:虚血性心疾患について、 正しい記述はどれか。

  1. 狭心症は、肺動脈の虚血が原因である。
  2. 狭心症では、血液検査で心筋逸脱酵素の上昇が認められる。
  3. 狭心症では、外科的治療は禁忌である。
  4. 急性心筋梗塞の診断では、心電図が最も重要である。
  5. 急性心筋梗塞の死亡率は低く、予後良好である。
解答

 正しい記述は、4 です。

解説
  1. 誤り。狭心症を含む虚血性心疾患は、冠動脈の血流障害(虚血)が原因です。
    肺動脈は関係しません。
  2. 誤り。狭心症では心筋壊死を起こしていないため、心筋逸脱酵素(CK-MBなど)やトロポニンの上昇はみられません
  3. 誤り。狭心症に対しても、冠動脈バイパス術(CABG)などの外科的治療が行われることがあります。薬物療法PCI(経皮的冠動脈形成術)で効果が得られない場合に適応されます。
  4. 正しい記述です。 急性心筋梗塞では、発症早期にST上昇→異常Q波→冠性T波といった特徴的な変化がみられるため、心電図による評価が最も重要です。
  5. 誤り。 急性心筋梗塞では、心室細動などの不整脈や心原性ショックなど重篤な合併症を伴うことがあり、予後は不良です

👉 虚血性心疾患 については、こちら で詳しく解説しています。

問4:心筋梗塞について、正しい記述はどれか。

  1. 発作では、チクチクとした弱い痛みが特徴的である。
  2. 無症候性心筋虚血は、糖尿病患者や高齢者に多い。
  3. ホルター心電図が有用である。
  4. 発作は、通常5分以内に収まる。
  5. 発作には、ニトログリセリンが有効である。
解答

 正しい記述は、2 です。

解説
  1. 誤り。心筋梗塞の胸痛発作は非常に強く圧迫感を伴い持続するのが特徴です。
    チクチクとした弱い痛みは、むしろ肋間神経痛などにみられます。
  2. 正しい記述です。糖尿病患者では自律神経障害により痛みを感じにくく、高齢者でも感受性の低下によって胸痛を訴えないまま梗塞が進行することがあります。
    このような場合を無症候性心筋虚血といいます。
  3. 誤り。ホルター心電図は、発作の頻度やST変化を長時間モニターする目的で、安静時狭心症(異型狭心症)の診断に有用です。
    一方、急性心筋梗塞では緊急時の12誘導心電図が基本です。
    👉 12誘導心電図については、【循環器疾患】主要症候と検査の基礎 をチェック。
  4. 誤り狭心症の胸痛は5〜10分以内に軽快することが多いですが、心筋梗塞の胸痛は20分以上(しばしば1時間以上)持続します。
  5. 誤り狭心症の発作には、血管拡張作用をもつニトログリセリンが有効ですが、心筋梗塞では壊死した心筋は回復しないため、ニトログリセリンは無効です。

👉 心筋梗塞 については、こちら で詳しく解説しています。

問5:虚血性心疾患について、正しいのはどれか。

  1. 不安定狭心症は、入院の必要はない。
  2. 狭心症の発作では、ニトログリセリンなどの硝酸薬は無効である。
  3. 狭心症の合併症に、心原性ショックがある。
  4. 心筋梗塞では、心電図でST上昇→異常Q波→冠性T波の順に認められる。
  5. 心筋梗塞では、血清クレアチンキナーゼの低下が認められる。
解答

 正しい記述は、4 です。

解説
  1. 誤り。不安定狭心症は急性冠症候群(ACS)の一部であり、心筋梗塞へ移行するリスクが高いため、入院下での監視と治療が必要です。
  2. 誤り。狭心症の発作にはニトログリセリンなどの硝酸薬が有効です。
    冠動脈拡張と静脈拡張による心負荷軽減によって症状が改善します。
  3. 誤り。心原性ショックは心筋梗塞の合併症です。
    狭心症は一過性の虚血であり、持続的な心収縮低下までは起こりません。
  4. 正しい記述です。心筋梗塞では、心電図上ST上昇→異常Q波→冠性T波の順に変化がみられます。この経時的変化は病期の判断にも用いられます。
  5. 誤り。クレアチンキナーゼ(CK)は心筋細胞内に存在する酵素であり、心筋梗塞などで細胞が壊れると血中に放出され、血清濃度が上昇します。

👉 虚血性心疾患 については、こちら で詳しく解説しています。

問6:虚血性心疾患について、正しい記述はどれか。

  1. 不安定狭心症は、急性冠症候群に含まれる。
  2. 狭心症では、血清トロポニンの上昇が特徴的である。
  3. 心筋梗塞では、ST上昇が必須である。
  4. 心筋梗塞で最も多い合併症は、心破裂である。
  5. カテーテル治療として、CABGが行われる。
解答

 正しい記述は、1 です。

解説
  1. 正しい記述です。急性冠症候群(ACS)には、不安定狭心症非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)が含まれます。
    いずれも冠動脈の急性閉塞により心筋虚血を起こす疾患群です。
  2. 誤り。トロポニンは心筋の構成タンパクであり、心筋壊死があると血中に放出されます。
    狭心症では心筋壊死がないため、トロポニンの上昇はみられません
    一方、心筋梗塞ではトロポニン値が上昇します。
  3. 誤り。心筋梗塞には、ST上昇を伴わない非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)もあります。
    したがって、ST上昇はすべての心筋梗塞に必ずみられるわけではありません。
  4. 誤り。心破裂も心筋梗塞の重篤な合併症の一つですが、最も多い合併症は不整脈です。
    特に心室性期外収縮や心室頻拍などが高頻度にみられます。
  5. 誤り。CABG(冠動脈バイパス術)は外科的手術であり、カテーテル治療ではありません。
    虚血性心疾患のカテーテル治療は、経皮的冠動脈形成術(PCI)です。

👉 虚血性心疾患 については、こちら で詳しく解説しています。

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