【呼吸器疾患】アレルギー性鼻炎 を図解で総整理(要点解説)

8章 循環器疾患・呼吸器疾患

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🔰 この記事について

  • 本記事は、アレルギー性鼻炎 についての要点解説記事です(※クイズは別記事)。
  • 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の内容について、出題されやすい重要ポイントをまとめています。

  • アレルギー性鼻炎
  • Ⅰ型アレルギーの発生機序
    (診療情報管理士 基礎・医学編 8章 臨床医学各論Ⅴ に対応)

🩺 学習の進め方

この 呼吸器疾患 各論① は、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。

おすすめの使い方👇

  1. 最初に 5択クイズ(準備中) に挑戦して理解度チェック
  2. できなかった部分を、要点解説記事(本記事) でしっかり整理
  3. 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着

💡 学習のポイント

  • 最初にクイズに挑戦することで、「どこが出題ポイントなのか」が自然と見えてきます。
  • その後に要点解説を読むと、疾患の関連や違いが理解しやすくなります。
  • 理解を深めたあとにもう一度クイズに挑戦すれば、知識がしっかり定着します。
  • 本記事は、診療情報管理士をはじめ、理学療法士・作業療法士・看護師など
    幅広い医療系資格の勉強に対応しています。

🔍 出題ポイントのまとめ|疾患名等

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▶ アレルギー性鼻炎
▶︎ Ⅰ型アレルギー

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アレルギー性鼻炎

  • アレルギー性鼻炎とは、
    鼻粘膜で起こるⅠ型アレルギー反応によって生じる疾患です。
  • 抗原(アレルゲン)が鼻粘膜に侵入すると、免疫反応が過剰に起こり、
    くしゃみ・鼻水・鼻閉などの症状が出現します。
  • 原因抗原の違いから以下の2つに分類されます。
  • 通年性アレルギー性鼻炎
  • 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
分類主な原因抗原特徴
通年性
アレルギー性鼻炎
ダニ
ハウスダスト
動物の毛・フケ など
室内環境に関連し、
一年中症状がみられる
季節性
アレルギー性鼻炎
(花粉症)
スギ
ヒノキ
ブタクサ など
特定の季節に抗原が飛散し、
季節性に症状が出現
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

スギ・ヒノキ
ブタクサに多くみられます。

  • アレルギー性鼻炎の三主徴は以下の3つです。
  • くしゃみ
  • 水様性鼻汁(鼻水)
  • 鼻閉(鼻詰まり)
  • これに加えて、以下の症状・疾患を伴うことがあります。
  • 結膜炎(眼のかゆみ・充血)
  • 気管支喘息(合併する、または既存の喘息が悪化することがある)
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

アレルギー性鼻炎では水様性鼻汁
副鼻腔炎などの細菌感染では膿性鼻汁が多くみられます。

  • アレルギー性鼻炎は、主に症状問診から診断される疾患です。
  • 問診では、症状の性状や出現時期、生活環境を詳しく確認することが重要です。
  • その他、以下のような検査が行われることもあります。
  • 鼻腔内視鏡検査:鼻粘膜の腫脹・肥厚(蒼白調、浮腫状)
  • 鼻汁好酸球検査:鼻汁中の好酸球増加
  • 血液検査:好酸球増加、血清総IgE増加
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

アレルギー性疾患では、IL-5というサイトカインが増加します。
このIL-5の作用により、好酸球の産生や活性化が促進されます。

  • また、アレルゲンを特定する目的で、以下のような検査が行われることがあります。
    ※アレルゲンとは、体内に入ることでアレルギー反応を引き起こす原因物質のことです。
  • 血清抗原特異的IgE検査
  • プリックテスト(皮膚表面に抗原を滴下し、専用針で軽く皮膚を刺す検査)

① 薬物療法(対症療法)

  • 症状を抑える治療が中心です。
  • 抗ヒスタミン
     → ヒスタミンの作用を抑制し、くしゃみ・鼻水を改善
  • ステロイド点鼻薬
     → 鼻粘膜の炎症を抑制し、鼻閉に有効

② アレルゲン免疫療法(減感作療法)

  • 原因アレルゲンを少量ずつ皮下または舌下投与し、
    免疫反応を徐々に調整することで、
    アレルギー反応を起こしにくくする治療法です。
  • 効果を得るためには、数年単位で継続する必要があります。
講師<br>(管理人)
講師
(管理人)

薬物療法は即効性がありますが、
症状を抑える対症療法です。
一方、減感作療法は、
体質改善を期待する根治に近い治療です。

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▶ アレルギー性鼻炎
▶︎ Ⅰ型アレルギー

Ⅰ型アレルギー

  • Ⅰ型アレルギーは、IgE抗体と肥満細胞が中心となって起こる即時型のアレルギー反応です。
  • アレルギー性鼻炎気管支喘息蕁麻疹などは、このⅠ型アレルギーの機序によって起こります。
  • 反応は、大きく 感作 と 誘発(再曝露) の2段階に分けて理解すると分かりやすくなります。

① 感作(初回曝露)

  • はじめてアレルゲンが体内に侵入すると、免疫反応によりIgE抗体が産生されます。
  • 産生されたIgEは、肥満細胞の表面に結合します。
  • この段階では、まだ症状は現れませんが、肥満細胞がアレルゲンに反応できる状態(感作)になります。

② 誘発(再曝露)

  • 再び同じアレルゲンが体内に侵入すると、アレルゲンが肥満細胞表面のIgEに結合(架橋します。
  • これをきっかけに肥満細胞が脱顆粒を起こし、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。
  • その結果、血管透過性の亢進・粘液分泌の増加・神経刺激が生じ、くしゃみ・鼻水・鼻閉などのアレルギー症状が出現します。
Ⅰ型アレルギーの機序を示した図。初回にアレルゲンが侵入するとIgEが産生され、IgEが肥満細胞に結合して感作される。再びアレルゲンが侵入すると、IgEが架橋され、肥満細胞が脱顆粒してヒスタミンなどを放出し、アレルギー症状が起こる。
Ⅰ型アレルギーの機序(感作と再曝露)
初回にアレルゲンが侵入するとIgEが産生され、
IgEが肥満細胞に結合して感作される。
再び同じアレルゲンが侵入すると、IgEが架橋され、
肥満細胞が脱顆粒しヒスタミンが放出される。
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用語の説明
  • 架橋:1つのアレルゲンが、肥満細胞表面の複数のIgEを同時につなぐことを指します。
  • 脱顆粒:肥満細胞の中に蓄えられている顆粒(ヒスタミンなど)を細胞外へ放出することです。

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▶ アレルギー性鼻炎
▶︎ Ⅰ型アレルギー

📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!

アレルギー性鼻炎
  • 病態:鼻粘膜に起こるⅠ型アレルギー
  • 分類:通年性・季節性(花粉症)
  • 三主徴:くしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉
  • 検査所見:好酸球増加、IgE増加
  • 薬物療法:抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬
  • 減感作療法:原因抗原を少量ずつ長期間投与し、免疫反応を調整
Ⅰ型アレルギーの発生機序
  • アレルゲン侵入によりIgEが産生される
  • IgEが肥満細胞表面に結合し、感作が成立
  • 再侵入したアレルゲンが、肥満細胞表面のIgEを架橋
  • 肥満細胞が脱顆粒し、ヒスタミンが放出される
  • 即時型アレルギー反応として症状が出現する

※ 記事作成には正確を期しておりますが、内容に誤りや改善点がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。

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▶︎ Ⅰ型アレルギー

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