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👉【呼吸器疾患】5択クイズで学ぶ!上気道感染症・インフルエンザ・肺炎(準備中)
🔰 この記事について
- 本記事は、肺炎 についての要点解説記事です(※クイズは別記事)。
- 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。
🖊️ この記事で学べる内容
以下の内容について、特徴や違いのポイントをまとめています。
🩺 学習の進め方
この 呼吸器疾患 各論① は、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
- 最初に 5択クイズ(準備中) に挑戦して理解度チェック
- できなかった部分を、要点解説記事(本記事) でしっかり整理
- 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着
💡 学習のポイント
🔍 出題ポイントのまとめ|肺炎の基礎知識
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▶ 肺炎(総論)
▶︎ 細菌性肺炎(総論)
▶︎ 院内肺炎の代表的病原体
▶︎ マイコプラズマ肺炎
▶︎ クラミジア肺炎
▶︎ 肺真菌症(総論)
▶︎ 肺アスペルギルス症
重要ポイントだけ一気に復習したい方はこちら👇
肺炎(総論|pneumonia)

肺炎は、発症状況・原因病原体・患者背景など、
複数の因子を総合して考える疾患である。
発生状況や起因病原体の違いによって分類され、
重症度に応じて治療方針が選択される。
概念
- 肺炎とは、細菌・ウイルス・真菌などの病原体が肺に感染し、炎症を起こす疾患です。
- 肺胞や細気管支に炎症が及ぶことで、ガス交換が障害され、呼吸困難などの症状をきたします。
頻度
- 肺炎は、日本において近年も死因の第3〜5位前後を占める重要な疾患です。
- 特に高齢者では重症化しやすく、誤嚥や基礎疾患を背景に発症するケースが多い点が特徴です。
分類
- 肺炎は、発症した状況や背景により以下のように分類されます。
| 分類 | 概要・ポイント |
|---|---|
| 市中肺炎 | 病院外で日常生活を送っていた人に発症 |
| 院内肺炎 | 入院後48時間以降に新たに発症。 耐性菌が原因となることが多い |
| 医療・介護関連肺炎 | 高齢者施設入所者や在宅医療利用者に発症。 誤嚥性肺炎が多い。 |
| 誤嚥性肺炎 | 嚥下機能が低下した高齢者に多い。 就寝中の不顕性誤嚥が原因となることもある。 |
症状
- 肺炎では、呼吸器症状と全身症状の両方がみられます。
診断
- 肺炎の診断は、画像所見・検査所見・身体所見を総合して行います。

(管理人)
ウイルス性肺炎では好中球増加が乏しいため、
白血球数は正常〜軽度上昇にとどまります。
治療
- 肺炎の治療方針は、重症度と全身状態によって決定されます。
- 病原体の特定には時間を要するため、初期治療では推定される病原体に対する治療薬(抗菌薬など)を用いて治療を開始します。
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▶ 肺炎(総論)
▶︎ 細菌性肺炎(総論)
▶︎ 院内肺炎の代表的病原体
▶︎ マイコプラズマ肺炎
▶︎ クラミジア肺炎
▶︎ 肺真菌症(総論)
▶︎ 肺アスペルギルス症
細菌性肺炎(総論|bacterial pneumonia)
原因
- 細菌性肺炎は、細菌感染によって肺に炎症を起こす肺炎です。
- 市中肺炎では、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)が最も頻度の高い起因菌として知られています。
症状
- 細菌性肺炎では、呼吸器症状と全身症状が比較的はっきりと出現するのが特徴です。

(管理人)
肺炎球菌による肺炎では、
錆色痰がみられることがあります。
診断
- 診断は、身体所見・血液検査・画像検査を総合して行います。
- 肺胞内に炎症性滲出液が充満すると、肺胞はX線で白く写ります。
- 一方、気管支内に残った空気は透亮像(黒い部分)として写るため、空気の入った気管支が浮かび上がる所見をair-bronchogram(気管支透亮像)と呼びます。
- 肺炎球菌などによる肺胞性肺炎の典型所見です。
治療
- 細菌性肺炎の治療は、抗菌薬による化学療法が主体となります。
- 主に使用される薬剤
β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系 など) - 原因菌の確定には時間を要するため、初期治療では推定される起因菌を想定して抗菌薬を選択します。
- β-ラクタム系抗菌薬は、細菌の細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を示します。
- 肺炎球菌などの細菌は細胞壁を持つため、β-ラクタム系抗菌薬が有効です。
- 一方、マイコプラズマのように細胞壁を持たない病原体には無効です。
👉 病原体の基礎知識については、こちら を参照してください。
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▶ 肺炎(総論)
▶︎ 細菌性肺炎(総論)
▶︎ 院内肺炎の代表的病原体
▶︎ マイコプラズマ肺炎
▶︎ クラミジア肺炎
▶︎ 肺真菌症(総論)
▶︎ 肺アスペルギルス症
院内肺炎の代表的病原体
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
- MRSAは、メチシリンをはじめとする多くのβ-ラクタム系抗菌薬に耐性を示す黄色ブドウ球菌です。
- 健常者では感染することはまれですが、入院患者や免疫力が低下した患者では院内感染の主要な原因菌となります。
- 有効な抗菌薬が限られており、治療にはバンコマイシンやアルベカシンなどの抗MRSA薬が用いられます。

(管理人)
耐性菌とは、
“もともと有効だった抗菌薬に対して、
効かなくなる性質を獲得した”
細菌のことです。
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)
- 緑膿菌はグラム陰性桿菌で、バイオフィルム(保護膜)を形成しやすいという特徴があります。
- 水回りなど環境中に広く存在する弱毒菌で、健常人には通常病原性を示しません。
- しかし、院内で抗菌薬が頻繁に使用される環境では、耐性化した緑膿菌が問題となりやすいです。
- 緑膿菌感染では、特徴的な緑色の喀痰や膿を伴うことがあります。

(管理人)
バイオフィルムとは、
細菌が自分を守るために作る膜状の構造で、
抗菌薬が効きにくくなる原因となります。
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▶︎ 細菌性肺炎(総論)
▶︎ 院内肺炎の代表的病原体
▶︎ マイコプラズマ肺炎
▶︎ クラミジア肺炎
▶︎ 肺真菌症(総論)
▶︎ 肺アスペルギルス症
マイコプラズマ肺炎
概念
- マイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae の飛沫感染によって発症する非定型肺炎です。
- マイコプラズマは、細菌でありながら細胞壁を持たないという特徴があります。
👉 病原体の基礎知識については、こちら を参照してください。

(管理人)
非定型肺炎とは、
臨床像や治療反応が典型的な細菌性肺炎と異なる肺炎を指します。
マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、レジオネラ肺炎などが含まれます。
👉 レジオネラ肺炎については、【その他の細菌感染症②】 を参照してください。
頻度・疫学
- 主に健常な若年者(5〜25歳)に多くみられ、
学校や家庭などでの濃厚接触を契機に集団発生することがあります。
症状
- 症状は比較的緩徐に出現し、頑固な咳嗽が長く続くのが特徴です。
- 激しく持続する乾性咳嗽(経過とともに湿性咳嗽へ移行することもある)
- 発熱、胸痛、喘鳴 など
診断
- 診断は、臨床経過・検査所見・画像所見を総合して行います。
| 項目 | 所見・ポイント |
|---|---|
| 血液検査 | 白血球数は正常〜軽度上昇(WBC→)、 赤沈亢進、CRPは軽度上昇を示す。 |
| 胸部X線検査 | スリガラス陰影を認めることがあるが、 特異的所見ではなく他疾患でもみられる。 |
| 血清学的検査 | ペア血清でマイコプラズマ抗体価の上昇 を確認することで診断に有用となる。 |
- ペア血清とは、感染初期(急性期)と回復期の2回に分けて採血し、血清中の抗体価の変化を比較する検査方法です。
- 病原体に対する抗体価が有意に上昇していれば、感染があったと判断します。
- マイコプラズマやクラミジアなどの感染症では、発症直後は抗体が十分に上昇していないことがあるため、ペア血清による評価が有用となります。
治療
- 治療は抗菌薬による化学療法が行われます。
- 第一選択薬:マクロライド系抗菌薬
- マイコプラズマは細胞壁を持たないため、β-ラクタム系抗菌薬(細胞壁合成阻害薬)は無効です。
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▶︎ 細菌性肺炎(総論)
▶︎ 院内肺炎の代表的病原体
▶︎ マイコプラズマ肺炎
▶︎ クラミジア肺炎
▶︎ 肺真菌症(総論)
▶︎ 肺アスペルギルス症
クラミジア肺炎
概念
- クラミジア肺炎は、Chlamydia pneumoniae (クラミジア・ニューモニエ)の飛沫感染によって発症する非定型肺炎です。
- なお、Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマティス) による肺炎もみられることがあります。
- また、重症の肺炎を起こすオウム病は、Chlamydia psittaci (クラミジア・シッタシ)による人獣共通感染症です。
👉 オウム病などのクラミジア感染症については、【スピロヘータ・クラミジア・リケッチア】 を参照してください。
症状
- 症状は比較的軽度で、乾性咳嗽が主体となることが多いのが特徴です。
- 発熱はあっても、高熱となる頻度は高くありません。
- 無症候性感染を示すこともあります。
診断
- ペア血清で血清抗体価の上昇を確認します。
治療
- クラミジア肺炎の治療では、β-ラクタム系抗菌薬は無効です。
- 一方で、自然治癒傾向が強いことも特徴とされています。
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▶︎ マイコプラズマ肺炎
▶︎ クラミジア肺炎
▶︎ 肺真菌症(総論)
▶︎ 肺アスペルギルス症
肺真菌症(総論|pulmonary mycosis)
- 肺真菌症とは、真菌(カビ)を吸入することで肺に感染を起こす疾患群です。
- 多くは免疫力が低下した患者に発症する日和見感染症であり、
- 細菌性肺炎とは背景・診断・治療が大きく異なる点が特徴です。
👉 真菌感染症については、【真菌感染症】の記事もあります。
肺真菌症の主な原因疾患
| 疾患名 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| 肺アスペルギルス症 | 肺真菌症の中で最も頻度が高い。 免疫低下や既存肺疾患が背景となる。 |
| 肺クリプトコッカス症 | ハトの糞などで汚染された土壌中の 真菌を吸入して発症する。 健常者では無症状のことが多いが、 播種性感染により脳脊髄膜炎を起こすことがある。 |
| 肺ムーコル症 | 免疫不全患者に発症し、 急速に進行して予後不良となる重篤な疾患。 |
| ニューモシスチス肺炎 | AIDS患者の日和見感染として重要な肺炎。 |
| 肺カンジダ症 | 非常にまれな疾患で、 肺炎の原因となることは少ない。 |
肺アスペルギルス症
概念
- アスペルギルス属真菌を吸入して起こる肺真菌症です。
- 免疫低下や既存の肺疾患がある場合に発症しやすく、
肺真菌症の中で最も頻度が高い疾患です。

(管理人)
アスペルギルスは、
胞子の形で空気中に浮遊していて、
日常的に吸入されている真菌です。
発症様式による分類
| 発症様式 | 主な背景・特徴 | 代表的な病型 |
|---|---|---|
| 免疫低下時に 急性発症する タイプ | 抗がん薬治療、血液悪性腫瘍、 骨髄移植などにより 好中球減少や高度な免疫抑制状態 にある患者で発症する。 急速に進行する。 | 侵襲性肺アスペルギルス症 |
| 慢性の肺疾患を 背景に発症する タイプ | 結核後遺症やCOPDなどの 慢性肺疾患、 または比較的軽度の免疫抑制 を背景に発症する。 | 慢性壊死性肺アスペルギルス症、 慢性空洞性肺アスペルギルス症、 単純性肺アスペルギローマ |
| アレルギー反応 として発症する タイプ | 喘息患者に多くみられ、 進行すると気管支拡張症や 肺線維症を生じることがある。 | アレルギー性 気管支肺アスペルギルス症 (ABPA) |
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