
呼吸器疾患の勉強を始めたいのですが、
何から手をつければいいでしょうか?

(管理人)
まずは、症状の見方や検査の基本といった総論を押さえましょう。
この記事では、呼吸器疾患の主要症候や検査を、
5択クイズで基礎から確認できます。
🔰 この記事について
本記事は、「解いて覚える」をコンセプトにした 呼吸器疾患(総論) の5択クイズ記事です。
(※詳細な要点解説は別記事にしています)
診療情報管理士の認定試験(基礎・医学編)をベースに、医療系国家試験の出題範囲を中心に構成しています。
出題対象は以下のとおりです👇
🩺 学習の進め方
この 呼吸器疾患(総論) シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
- まずはこのページの 5択クイズ に挑戦して理解度を確認
- 間違えた部分や曖昧な部分を、要点解説記事 でしっかり整理
- 最後にもう一度クイズを解いて、知識を確実に定着
👉 要点解説記事は以下のリンクからチェックしてください。
💡 学習のポイント
📄 PDFダウンロード対応
印刷しての復習はもちろん、
講師の方が授業資料や小テスト用としてもご利用いただけます。
PDFダウンロードボタンからどうぞ👇
✏️ 5択クイズに挑戦!呼吸器疾患の症候と検査のポイントをチェック
👇 いきなり問題を解くのが不安な人は、以下の要点解説記事へ
問1:呼吸器疾患の症候について、正しい記述はどれか。
- 多数の好中球を含む痰を粘液性痰という。
- 喀痰を伴う咳は、湿性咳とよばれる。
- 血痰は、喀出された一度の血液量が10 mL以上のものをいう。
- ばち状指は、急性の低酸素血症を伴う疾患にみられる。
- チアノーゼは、動脈血酸素飽和度の上昇により生じる。
解答
正しい記述は、2 です。
解説
- 誤り。多数の好中球を含む痰は膿性痰といいます。
粘液性痰は、粘液を主成分とする痰です。 - 正しい。喀痰を伴う咳は湿性咳とよばれます。
一方、喀痰を伴わない咳は乾性咳です。 - 誤り。一度に10 mL以上の血液を喀出する場合は喀血といいます。
血痰は、少量の血液が混じった痰です。 - 誤り。ばち状指は、慢性の低酸素血症を伴う疾患でみられます。
急性の低酸素血症では、通常みられません。 - 誤り。チアノーゼは、動脈血酸素飽和度の低下により生じます。
毛細血管血液中の還元ヘモグロビンが増加し、皮膚が青紫色を呈します。
👉 呼吸器疾患の主要症候 については、こちら で詳しく解説しています。
問2:肺の聴診について、正しい記述はどれか。
- 連続性ラ音には、水泡音と捻髪音がある。
- 気胸では、捻髪音が聴取される。
- 水泡音は、炎症性疾患で聴かれる。
- 間質性肺炎では、喘鳴がみられる。
- 笛音は、気管支喘息の吸気相で聴かれる。
解答
正しい記述は、3 です。
解説
- 誤り。水泡音や捻髪音は、断続性ラ音に分類されます。
断続性ラ音は、「パチパチ」「バリバリ」といった音が特徴です。 - 誤り。捻髪音は、間質性肺疾患などで聴取されます。
硬くなった肺胞が遅れて開くことで生じ、吸気終末期に聴かれます。 - 正しい。
水泡音は、肺胞内に分泌物が貯留することで生じ、肺炎などの炎症性疾患で聴かれます。 - 誤り。喘鳴は、主に気管支喘息でみられます。
細い気道の狭窄により生じる音です。 - 誤り。笛音は、気管支喘息の呼気相で聴取されます。
細い気道の狭窄が原因で生じ、喘鳴ともよばれます。
👉 肺の聴診 については、こちら で詳しく解説しています。
問3:肺気量分画・肺容量について、正しい記述はどれか。
- 全肺気量は、最大呼気位から最大吸気位までに吸入しうる空気量である。
- 肺活量は、予備吸気量と予備呼気量を合わせたものである。
- 自然呼出後に肺内に残る空気量を残気量という。
- 1秒量は最大吸気位から最大の速さで、最初の1秒間に呼出した空気量をいう。
- 1回換気量は、成人男性で約3500 mLである。
解答
正しい記述は、4 です。
解説
- 誤り。最大呼気位から最大吸気位までに吸入しうる空気量は、肺活量です。
全肺気量は、最大吸気位において肺内に存在する空気量を指します。 - 誤り。肺活量は、予備吸気量・1回換気量・予備呼気量を合計したものです。
最大努力呼吸時に出入りする空気量の最大値を表します。 - 誤り。自然呼出後に肺内に残る空気量は、機能的残気量です。
残気量は、最大呼出後にも肺内に残る空気量を指します。 - 正しい。1秒量は、最大吸気位から努力呼出を行った際、
最初の1秒間に呼出した空気量をいいます。
また、努力肺活量に対する1秒量の割合を1秒率といいます。 - 誤り。成人男性の1回換気量は、約500 mLです。
約3,500 mLは、肺活量のおおよその値です。
👉 呼吸機能検査(スパイロメトリー) については、こちら で詳しく解説しています。
問4:換気障害について、正しい記述はどれか。
- 拘束性換気障害は、気道狭窄により気流制限がある状態である。
- 閉塞性換気障害では、%肺活量は80%未満に低下する。
- 拘束性換気障害では、主に吸気が障害される。
- 気管支喘息では、拘束性換気障害がみられる。
- 間質性肺炎では、閉塞性換気障害がみられる。
解答
正しい記述は、3 です。
解説
- 誤り。気道狭窄により気流制限が生じるのは、閉塞性換気障害です。
拘束性換気障害は、肺や胸郭が十分に膨らまず、肺容量が低下した状態を指します。 - 誤り。閉塞性換気障害では、%肺活量は正常範囲内であることが多いです。
一方、1秒率が70%未満に低下します。 - 正しい。拘束性換気障害では、主に吸気が障害されます。
肺や胸郭が膨らみにくいため、吸気性の呼吸困難をきたします。 - 誤り。気管支喘息では、閉塞性換気障害がみられます。
気道狭窄により、発作時には呼気性の呼吸困難をきたします。 - 誤り。間質性肺炎では、拘束性換気障害がみられます。
肺間質の炎症により肺胞壁が肥厚し、肺が膨らみにくくなります。
👉 換気障害の分類 については、こちら で詳しく解説しています。
問5:呼吸器疾患の検査について、正しいのはどれか。
- スパイロメトリーは、ガス交換障害の程度を最も客観的に評価できる検査法である。
- 動脈血ガス分析は、換気障害の程度を知るための最も基本的な検査法である。
- 動脈血中で酸素と結合したヘモグロビンの割合をPaO2という。
- パルスオキシメータは紫外線を使って、動脈血の酸素飽和度を測定するものである。
- 胸腔鏡検査は、胸腔に内視鏡を入れて行う。
解答
正しい記述は、5 です。
解説
- 誤り。ガス交換障害の程度を最も客観的に評価できる検査法は、動脈血ガス分析です。
動脈血ガス分析では、酸素分圧や二酸化炭素分圧などを測定します。 - 誤り。換気障害の程度を知るための最も基本的な検査法は、スパイロメトリーです。
肺活量や1秒量、1秒率などを測定することで、空気の出入り(換気機能)を評価します。 - 誤り。動脈血中で酸素と結合したヘモグロビンの割合はSaO₂といいます。
PaO₂は、動脈血酸素分圧のことです。 - 誤り。パルスオキシメーターは、赤色光と赤外線を用いて測定します。
測定される動脈血酸素飽和度は、SpO₂と表されます。 - 正しい。胸腔鏡検査は、胸壁に開けた孔から内視鏡を挿入して行う検査です。
胸膜や肺表面の観察、組織採取などに用いられます。
👉 呼吸器疾患の検査 については、こちら で詳しく解説しています。
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👇 以下の要点解説記事をしっかり読んでから、再トライしてみてください。
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