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👉【呼吸器疾患】5択クイズで学ぶ!(準備中)
🔰 この記事について
- 本記事は、呼吸不全・無気肺 についての要点解説記事です(※クイズは別記事)。
- 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。
🖊️ この記事で学べる内容
以下の内容について、特徴や違いのポイントをまとめています。
🩺 学習の進め方
この 呼吸不全・無気肺 シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
- 最初に 5択クイズ(準備中) に挑戦して理解度チェック
- できなかった部分を、要点解説記事(本記事) でしっかり整理
- 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着
💡 学習のポイント
🔍 出題ポイントのまとめ|呼吸不全・無気肺
重要ポイントだけ一気に復習したい方はこちら👇
呼吸不全(Respiratory failure)
概念
- 呼吸不全とは、室内空気呼吸下で動脈血酸素分圧(PaO₂)が 60 Torr 以下となる状態を指します。
- 肺でのガス交換が十分に行われず、体内が低酸素状態に陥っている病態です。
👇 呼吸不全を理解するために、まず正常値を確認しておきましょう。
動脈血ガスの基準値

(管理人)
Torr(トル)は圧力の単位で、
1 Torr は 1 mmHg とほぼ同じです。
動脈血ガスでは、PaO₂ や PaCO₂ を
Torr(または mmHg)で表します。
分類
- 呼吸不全は、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO₂)の値により、Ⅰ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全に分類されます。

(管理人)
O₂取り込みだけが障害されているのがⅠ型、
O₂取り込みもCO₂排出も障害されているのがⅡ型です。
- 以下の図は、Ⅰ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全における病態の違いを模式的に示したものです。
- 肺でのガス交換障害が主体となる場合(Ⅰ型)と、肺胞低換気が関与する場合(Ⅱ型)とで、動脈血ガス所見に違いが生じます。

Ⅰ型呼吸不全では主に肺胞‐毛細血管間のガス交換障害により
低酸素血症が生じる。
一方、Ⅱ型呼吸不全では肺胞低換気が主体となり、
低酸素血症に加えて高二酸化炭素血症を伴う。
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Ⅰ型呼吸不全(低酸素血症型)
定義
- Ⅰ型呼吸不全とは、動脈血酸素分圧(PaO₂)が低下し、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO₂)は 45 Torr 以下(正常〜低下) を示す呼吸不全のことです。
病態
- Ⅰ型呼吸不全では、酸素の取り込みのみが障害されています。
- 肺胞内に存在する酸素が、血中へ十分に移行できない状態であり、肺胞―毛細血管レベルでのガス交換障害が本態です。

(管理人)
「換気は保たれているが、
酸素が血液に渡らない」状態
と理解すると整理しやすいです。
原因
- Ⅰ型呼吸不全の原因としては、以下のような疾患が挙げられます。

(管理人)
肺胞レベルでのガス交換障害
を引き起こす疾患が中心となります。
対処
- Ⅰ型呼吸不全の治療では、酸素投与が基本となります。
👉 酸素投与により低酸素血症の改善を図ります。
人工呼吸器管理とは?
- 人工呼吸器管理とは、自分の呼吸だけでは十分な換気や酸素化が保てない場合に、機械を用いて呼吸を補助または代行する治療です。
- 呼吸不全では、酸素投与だけでは不十分な場合に行われます。
人工呼吸器管理にはどんな方法がある?
- 人工呼吸器管理には、大きく以下の2つの方法があります。
① 非侵襲的陽圧換気(NPPV)
- マスクを装着して呼吸を補助する。
- 気管挿管は行わない。
- COPDの急性増悪など、Ⅱ型呼吸不全で用いられることが多い。
② 侵襲的人工呼吸管理
- 気管挿管を行い、人工呼吸器を接続する
- 自発呼吸が弱い、または消失している場合に行う。
- 重症呼吸不全やARDSなどで行われる。

(管理人)
酸素投与は「酸素を増やす」
人工呼吸器は「換気を助ける」
治療法です。
Ⅱ型呼吸不全(換気障害型)
定義
- Ⅱ型呼吸不全とは、動脈血酸素分圧(PaO₂)が低下し、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO₂)が 45 Torr 以上に上昇する呼吸不全のことです。
病態
- Ⅱ型呼吸不全では、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出の両方が障害されます。
- 肺胞内に十分な空気が入らず、肺胞低換気が生じている状態です。
- 肺胞低換気(換気障害)が本態となります。

(管理人)
「そもそも換気そのものが足りない」状態
と理解すると整理しやすいです。
原因
- Ⅱ型呼吸不全の原因としては、以下のような疾患が挙げられます。

(管理人)
換気そのものが低下する疾患
が中心となります。
対処
- Ⅱ型呼吸不全の治療では、酸素投与に加えて、必要に応じた人工呼吸管理を行います。
- ただし、高濃度酸素投与には注意が必要です。
- Ⅱ型呼吸不全では、高濃度の酸素を投与すると CO₂ナルコーシスを引き起こす可能性があります。
- そのため、低濃度から酸素投与を開始し、動脈血ガスを確認しながら慎重に調整します。
👉 CO2ナルコーシスについては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の記事を参照してください。
無気肺(Atelectasis)
概念
- 無気肺とは、何らかの原因により肺の含気量が減少し、肺に十分な空気が入っていない状態を指します。
- 肺胞が虚脱することで、換気が行われなくなり、ガス交換が障害されます。
原因
- 無気肺は、成因により大きく閉塞性と非閉塞性に分類されます。
閉塞性無気肺
- 気道の閉塞により、閉塞より末梢側の肺が虚脱する無気肺です。
(例:痰、腫瘍、異物などによる気道閉塞)
非閉塞性無気肺
- 気道の閉塞以外の要因で肺が虚脱する無気肺です。
| 分類 | 病態のポイント | 代表的な原因・状況 |
|---|---|---|
| 受動性無気肺 | 肺が胸壁・胸膜に密着できず、 自然に虚脱する | 気胸、胸水 |
| 圧迫性無気肺 | 肺が外側から圧迫され、 十分に拡張できない | 腫瘍、腹水、心肥大 |
| 癒着性無気肺 | 肺胞の表面張力が増大し、 肺胞が虚脱する | 肺サーファクタント減少 |
| 瘢痕性無気肺 | 肺の伸展性が低下し、 肺胞が拡張できない | 肺線維症など |
- 非閉塞性無気肺では、気道自体は閉塞していないものの、肺が十分に拡張できないことで換気が障害されます。

無気肺は、気道閉塞による閉塞性無気肺と、
気道閉塞を伴わない非閉塞性無気肺に分類される。
非閉塞性無気肺には、受動性、圧迫性、瘢痕性などがあり、
それぞれ異なる機序で肺の虚脱が生じる。
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症状
- 虚脱している肺の範囲が小さい場合には、無症状のこともあります。
- 一方、虚脱範囲が広い場合には、呼吸困難や低酸素血症をきたすことがあります。
診断
- 無気肺の診断には、画像検査が重要です。
| 検査 | 主な所見・ポイント |
|---|---|
| 胸部X線検査 | 虚脱した肺の透過性低下を認める。 無気肺の部位や程度により、縦隔偏位を伴うことがある。 |
| 胸部CT検査 | 無気肺の範囲を正確に評価できる。 気道閉塞の有無など、原因の検索に有用である。 |
治療
- 無気肺の治療は、原因の除去と肺の再膨張を目的として行います。
- 体位ドレナージとは、体位を工夫することで痰や分泌物の排出を促し、気道の開通と肺の再膨張を図る方法です。無気肺、とくに閉塞性無気肺において有効とされます。
📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!
□ 定義:室内空気下で PaO₂ ≤ 60 Torr
□ 分類:PaCO₂ によりⅠ型・Ⅱ型に分類
□ Ⅰ型:PaCO₂ ≤ 45 Torr(正常~低下)
□ Ⅱ型:PaCO₂ ≥ 45 Torr(上昇)
□ 本態:肺胞―毛細血管レベルのガス交換障害
□ 所見:PaO₂ 低下、PaCO₂ は正常~低下
□ 原因:肺炎、ARDS、急性間質性肺炎、急性心不全など
□ 治療:酸素投与が基本
□ 本態:肺胞低換気(換気障害)
□ 所見:PaO₂ 低下、PaCO₂ 上昇
□ 原因:COPD 急性増悪、喘息重症発作、神経筋疾患など
□ 治療:酸素投与+人工呼吸管理(必要に応じて)
□ 定義:肺の含気量低下による肺胞虚脱
□ 分類:閉塞性/非閉塞性
□ 非閉塞性:受動性・圧迫性・癒着性・瘢痕性
□ 診断:胸部X線・CT
□ 治療:体位ドレナージ、排痰、原因除去
※ 記事作成には正確を期しておりますが、内容に誤りや改善点がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。
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