🧠 5択クイズ から復習に来た方へ
下のボタンから、要点解説の本文へジャンプできます 👇
🧩 まだクイズを解いていない方は、こちらから挑戦!
👉【呼吸器疾患】5択クイズで学ぶ!慢性下気道疾患(COPD・気管支喘息など)
🔰 この記事について
- 本記事は、びまん性汎細気管支炎・気管支喘息・気管支拡張症 についての要点解説記事です(※クイズは別記事)。
- 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。
🖊️ この記事で学べる内容
以下の内容について、特徴や違いのポイントをまとめています。
🩺 学習の進め方
この 慢性下気道疾患 シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
- 最初に 5択クイズ に挑戦して理解度チェック
- できなかった部分を、要点解説記事(本記事) でしっかり整理
- 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着
💡 学習のポイント
🔍 出題ポイントのまとめ|疾患名等
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
▶ びまん性汎細気管支炎(DPB)
▶︎ 気管支喘息
▶︎ 気管支拡張症
重要ポイントだけ一気に復習したい方はこちら👇
びまん性汎細気管支炎(DPB)
概念
- びまん性汎細気管支炎とは、
細気管支に慢性的な炎症が生じ、
それが両肺にびまん性に広がる疾患です。

(管理人)
ここでいう「びまん性」とは、
病変が一部に限局するのではなく、
肺全体に広範囲に分布する状態を指します。
頻度・疫学
- 40~50歳代に多く発症し、男女差はほとんどありません。
- また、喫煙歴のない人にも発症することが特徴です。
- 東アジア、とくに日本での報告が多く、欧米ではまれな疾患とされています。
原因
- 明確な原因は現在も不明です。
- ただし、東アジアに多いことから、人種特異性や遺伝的要因の関与が示唆されています。
症状
- 主な症状は、
- また、慢性副鼻腔炎を高頻度に合併することが大きな特徴で、
上気道と下気道の慢性炎症が関連していると考えられています。
診断
- 診断には、以下の所見が参考になります。

(管理人)
DPBは細気管支の炎症が主体のため、
閉塞性換気障害を示し、肺拡散能は通常保たれます。
ただし、進行すると肺活量も低下することがあります。
- 肺拡散能(DLCO)とは、
肺胞内の空気中の酸素が、肺胞壁を通って血液中に移動する能力を評価する指標です。

肺拡散能(DLCO)は、肺胞内の酸素が肺胞壁を通って
血液中へ拡散する能力を評価する指標である。
肺胞や肺胞壁に病変があると、
ガス交換が障害され、肺拡散能は低下する。
Created with BioRender.com
肺拡散能が低下するのはどんなとき?
- 肺拡散能は、肺胞や肺胞壁に病変がある場合に低下します。
- 例:
- これらでは、ガス交換の場そのものが障害されます。
DPBではなぜ肺拡散能が保たれるのか?
- びまん性汎細気管支炎(DPB)では、
細気管支の炎症が主体であり、肺胞の構造は比較的保たれています。 - そのため、空気の通り道は狭くなりますが(閉塞性換気障害)、肺胞でのガス交換は保たれます。
治療
- びまん性汎細気管支炎は、かつては予後不良な疾患でした。
- しかし現在では、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が確立した治療法となっており、5年生存率は90%以上と、予後は大きく改善しています。
- 代表的なマクロライド系抗菌薬として、エリスロマイシンが用いられます。
抗菌薬は通常、長期投与しないのでは?
- 一般的に抗菌薬は、細菌感染症に対して短期間使用する薬です。
- 長期間使うと、耐性菌の出現や副作用などの問題があるため、通常は長期投与しません。
DPBは細菌感染が原因の病気?
- いいえ。びまん性汎細気管支炎(DPB)は、細菌感染そのものが原因の疾患ではありません。
- DPBでは、細気管支に慢性的な炎症が起こり、特に好中球による炎症が持続しています。
それでも、なぜ抗菌薬を使うの?
- DPBの治療で用いられるマクロライド系抗菌薬は、細菌を殺す作用だけでなく、炎症を抑える作用(抗炎症作用・免疫調節作用)を持っています。
- DPBでは、この抗炎症作用が治療効果の中心となっています。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
▶ びまん性汎細気管支炎(DPB)
▶︎ 気管支喘息
▶︎ 気管支拡張症
気管支喘息(Asthma)
概念
- 気管支喘息とは、慢性の気道炎症、気道過敏性の亢進、可逆性の気管支閉塞を特徴とする疾患です。
- 発作時には気道が狭くなり、閉塞性換気障害をきたしますが、適切な治療により可逆性を示す点が大きな特徴です。

気管支喘息では、非発作時から慢性の気道炎症が存在している。
発作時には、これに気管支平滑筋の収縮と粘液分泌増加が加わり、
気道が著しく狭窄する。
Created with BioRender.com
分類
- 気管支喘息は、原因や背景により以下のように分類されます。
| 分類 | 主な原因・誘因 | 好発年齢 | 季節性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| アトピー型 喘息 | ハウスダスト、 ダニ、花粉 などのアレルゲン (Ⅰ型アレルギー) | 乳幼児〜若年者 | 春・秋に 増悪しやすい | IgE高値や 好酸球増加 を伴うことが多い |
| 非アトピー型 喘息 | 運動、職業性曝露、 NSAIDs※など | 中高年 (40歳以上) | 通年性で 季節性は弱い※ | IgE高値を伴わない ことが多い |
※感冒や冷気により、冬に悪化することがあります。
👉Ⅰ型アレルギーの機序については、
アレルギー性鼻炎 の記事で詳しく解説しています。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは、解熱・鎮痛・抗炎症作用をもつ薬剤で、発熱や痛みの治療に広く使用される薬です。
- 代表的な薬剤には、アスピリンやロキソプロフェンなどがあります。
- NSAIDsの共通する副作用の一つとして、アスピリン喘息があり、
一部の患者では、これらの薬の使用をきっかけに喘息発作が誘発されることがあります。
症状
- 症状は主に発作時にみられ、夜間から早朝にかけて出現しやすいのが特徴です。
- これらの症状が反復して出現・消失する点が喘息の特徴です。
診断
- 診断には、以下の所見が参考になります。
治療
- 治療は、発作時治療と長期管理(非発作時治療)に分けて行います。
| タイミング | 主な治療薬:ポイント |
|---|---|
| 発作時 | 短時間作用性β₂刺激薬(吸入):気管支をすばやく拡張する |
| 非発作時 (長期管理) | 吸入ステロイド(ICS):治療の基本。気道の慢性炎症を抑える 長時間作用性β₂刺激薬:ICSと併用。気管支を持続的に拡張 抗ロイコトリエン受容体拮抗薬:炎症メディエーターの作用を抑制 テオフィリン徐放薬:気管支拡張作用をもつ |
※現在の喘息治療では、慢性の気道炎症を抑えることが最重要とされています。
β₂刺激薬とは?
- β₂刺激薬とは、体内で分泌されるアドレナリン(Ad)が作用するβ₂受容体を刺激する薬です。
β₂受容体はどこにある?
- β受容体にはいくつかの種類がありますが、β₂受容体は気管支平滑筋に多く存在しています。
- β₂受容体が刺激されると、気管支平滑筋が弛緩し、気管支が拡張します。
β₂刺激薬はどのように作用する?
- β₂刺激薬は、アドレナリンの代わりにβ₂受容体に結合することで、気管支を拡張させ、呼吸を楽にします。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
▶ びまん性汎細気管支炎(DPB)
▶︎ 気管支喘息
▶︎ 気管支拡張症
気管支拡張症(Bronchiectasis)
概念
- 気管支拡張症とは、末梢の気道(気管支)が不可逆的に拡張した状態を指します。
- 一度拡張した気管支は元の形に戻らないため、慢性的な気道疾患として経過します。
病態
- 気管支拡張症では、気管支壁の肥厚や変形が生じ、拡張した気管支内には分泌液(痰)が貯留しやすくなります。
- その結果、

気管支拡張症では、気管支が不可逆的に拡張し、
気管支内に分泌物(粘液)が貯留しやすくなる。
その結果、気道の自浄作用が低下し、
慢性炎症や感染を反復しやすくなる。
Created with BioRender.com
原因
- 原因は多岐にわたりますが、特発性が最も多いとされています。
- そのほか、以下のような原因が知られています。
- 先天性の原因としては、線毛機能不全症候群があり、この中にはカルタゲナー症候群が含まれます。
概念
- カルタゲナー症候群とは、線毛機能不全により、気道の自浄作用が低下し、呼吸器感染を繰り返しやすくなる先天性疾患です。
- 図で示したように、通常は線毛運動によって粘液や異物が排除されますが、本症ではこの機能が障害されます。

気管支内では、線毛細胞の運動により粘液が口側へ運ばれ、
異物や病原体が排除されている。
Created with BioRender.com
原因
- 常染色体劣性遺伝による疾患で、線毛の構造異常により、線毛運動がうまく行われません。
- 原発性線毛運動不全症(PCD)の一型に含まれます。
主な症状(3徴)
- 慢性副鼻腔炎
- 気管支拡張症
- 内臓逆位(約50%)
病態のポイント
- 線毛運動が障害されると、粘液や異物が気道内に停滞し、細菌が排除されにくくなります。
- その結果、慢性的な気道感染を繰り返し、気管支拡張症をきたします。
症状
- 無症状で経過することもありますが、多くの症例で慢性副鼻腔炎を合併します。
- 臨床的には、症状の特徴から以下のように分類されることがあります。
| 病型 | 痰の量・性状 | 主な症状 | 特徴・ポイント |
|---|---|---|---|
| Wet type (湿性型) | 大量の膿性痰 (ときに血性) | 慢性の湿性咳嗽、 喀血 | 分泌物貯留が目立ち、 気道感染を反復しやすい |
| Dry type (乾性型) | 痰は少量、 またはほとんどなし | 咳嗽が軽度、 または無症状 | 健診や画像検査で 偶然発見されることがある |

(管理人)
気管支拡張症では、病型(wet / dry)によって
症状の出方が大きく異なります。
診断
- 診断には胸部CT検査が最も有用です。
- 拡張した気管支や、気管支壁の肥厚などの特徴的な所見を確認します。
- 呼吸機能検査は、初期には正常なことも多く、進行例では閉塞性換気障害を示すことがあります。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
▶ びまん性汎細気管支炎(DPB)
▶︎ 気管支喘息
▶︎ 気管支拡張症
📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!
※ 記事作成には正確を期しておりますが、内容に誤りや改善点がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。
🧭 本文内の主要項目へジャンプ
▶ びまん性汎細気管支炎(DPB)
▶︎ 気管支喘息
▶︎ 気管支拡張症
💯 びまん性汎細気管支炎・気管支喘息・気管支拡張症 の理解度をクイズでチェック!
👇 以下の記事より、5択クイズで理解度を確認できます。
🔗 呼吸器疾患の学習に役立つ関連記事
👇 呼吸器系の基本的な解剖生理を復習したい人はこちら
👇呼吸器疾患の関連記事は 新着記事 を参照してください。




コメント