【呼吸器疾患】外的因子による肺疾患(塵肺症・過敏性肺臓炎)を図解で総整理(要点解説)

8章 循環器疾患・呼吸器疾患

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👉 【呼吸器疾患】5択クイズで学ぶ!外因性肺疾患と肺間質疾患

🔰 この記事について

  • 本記事は、外的因子による肺疾患(塵肺症過敏性肺臓炎 についての要点解説記事です(※クイズは別記事)。
  • 基礎から整理して学びたい方は、この要点解説から読み進めてください。

🖊️ この記事で学べる内容

以下の内容について、特徴や違いのポイントをまとめています。

  • 塵肺症(珪肺・石綿肺)
  • 過敏性肺臓炎

🩺 学習の進め方

この 外因性肺疾患 シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。

おすすめの使い方👇

  1. 最初に 5択クイズ に挑戦して理解度チェック
  2. できなかった部分を、要点解説記事(本記事) でしっかり整理
  3. 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着

💡 学習のポイント

  • 最初にクイズに挑戦することで、「どこが出題ポイントなのか」が自然と見えてきます。
  • その後に要点解説を読むと、疾患の関連や違いが理解しやすくなります。
  • 理解を深めたあとにもう一度クイズに挑戦すれば、知識がしっかり定着します。
  • 本記事は、医療系学生・医療従事者向けに、基礎医学レベルで理解できるよう構成しています。

🔍 出題ポイントのまとめ|外因性肺疾患(塵肺症・過敏性肺臓炎)

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▶ 塵肺症
▶︎ 過敏性肺臓炎

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塵肺症(Pneumoconiosis)

  • 塵肺症とは、長期間にわたって無機粉塵吸入することで、肺に線維増殖性変化を生じる疾患の総称です。
  • 職業性曝露との関連が強く、代表的な職業性肺疾患の一つとされています。
無機粉塵(ケイ酸・アスベスト)を長期吸入することで肺に粉塵が沈着し、肺線維化を起こす塵肺症の病態と、結核や悪性胸膜中皮腫などの合併症を示した図
図1:塵肺症の概念図
長期間にわたる無機粉塵(ケイ酸・アスベスト)の吸入により、
粉塵が肺に沈着し、慢性的な肺線維化をきたす。
進行すると呼吸器症状が出現し、珪肺では結核、
石綿肺では悪性胸膜中皮腫や肺癌などの合併症を生じやすい。
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無機粉塵とは、岩石や金属など、
生き物由来ではない物質の細かい粒子のことです。
体内に入っても分解されにくく、
肺に沈着して線維化を起こします。

  • 塵肺症は、吸入する無機粉塵の種類によって分類されます。
分類原因となる粉塵主な職業・環境
珪肺遊離ケイ酸(シリカ)鉱山作業、土木・建設工事、窯業
石綿肺石綿アスベスト建設業、造船業 など
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アスベストは現在、新たに使うことは禁止されています。
ただし、過去に使用された建材が今も残っているため、
解体工事などで吸入すると健康被害が起こる可能性があります。

  • 初期には無症状のこともありますが、進行すると以下の症状がみられます。
    • 労作時の息切れ
    • 咳嗽
    • 喀痰
  • また、合併症が重要なポイントです。
    • 珪肺:結核を合併しやすい
    • 石綿肺:悪性胸膜中皮腫肺癌のリスクが高い
  • 悪性胸膜中皮腫とは、胸膜(肺を覆う膜)に発生する悪性腫瘍です。
  • アスベスト(石綿)曝露との関連が非常に強く、曝露から発症まで数十年かかることが多いのが特徴です。
  • 石綿肺を有する患者では、重要な合併症の一つとして注意が必要です。
  • 診断は、画像検査呼吸機能検査を中心に行われます。
検査所見・ポイント
胸部X線びまん性の陰影結節影を認める
胸部CT線維化粒状影など、より詳細な病変の評価が可能
呼吸機能検査拘束性換気障害を示す。
進行すると混合性換気障害となることもある
聴診進行例で、捻髪音(fine crackles)を聴取することがある
  • 塵肺症に対する根本的治療はありません
  • そのため、治療の基本は以下となります。
    • 原因粉塵への曝露を中止する
    • 呼吸不全や感染症に対する対症療法
    • 合併症(結核・悪性腫瘍など)の早期発見と対応

 👉 予防(作業環境管理・防塵対策)が最も重要な疾患です。

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▶ 塵肺症
▶︎ 過敏性肺臓炎

過敏性肺臓炎(Hypersensitivity Pneumonitis)

  • 過敏性肺臓炎とは、カビの胞子鳥の排泄物などの有機粉塵を反復して吸入することで、主にⅢ型アレルギー(免疫複合体型反応)が生じ、肺や肺間質炎症をきたす疾患です。
  • 慢性例では、Ⅳ型アレルギー(遅延型反応)も関与すると考えられています。
有機粉塵に対するⅢ型アレルギー反応により、肺胞壁(間質)に炎症を起こす過敏性肺臓炎の病態と、急性期症状および慢性化による肺線維化を示した図
図2:過敏性肺臓炎の概念図
有機粉塵(家屋内のカビ、鳥の羽毛・排泄物、牧草、エアコン・加湿器内のカビなど)
を反復吸入することで、Ⅲ型アレルギー反応が生じ、肺胞壁(間質)に炎症をきたす。
急性期には発熱や乾性咳嗽を呈し、長期曝露により肺線維症へ進行することがある。
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粉塵そのものが肺に沈着する塵肺症とは異なり、
有機粉塵に対する免疫反応によって
肺炎が起こる点が大きな特徴です。

  • Ⅲ型アレルギーとは、抗原に対して作られたIgG抗体と抗原が結合してできた免疫複合体組織に沈着し、炎症を引き起こす反応です。
  • 過敏性肺臓炎では、吸入された有機粉塵に対してIgG抗体が産生され、免疫複合体が肺胞や肺間質に沈着することで炎症が起こります。
  • これは、IgEが関与するⅠ型アレルギーとは異なる点です。
  • 原因となる有機粉塵により、疾患名が異なります。
原因となる有機粉塵・環境疾患名・呼称
家屋内のカビ(Trichosporon 属など)夏型過敏性肺臓炎
鳥の羽毛・排泄物鳥飼病
牧草に繁殖する好熱性放線菌農夫肺
エアコン・加湿器内のカビ換気装置肺炎
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最も頻度が高いのは、夏型過敏性肺臓炎です。
家から離れると症状が消失するのが特徴です。

  • 原因物質への曝露後、数時間以内に以下の症状が出現することがあります。
    • 発熱
    • 乾性咳嗽
    • 労作時呼吸困難(息切れ)
  • 急性期には感冒様症状を呈することもあり、
    慢性的に曝露が続くと、間質性肺炎様に進行することがあります。
  • 過敏性肺臓炎の診断では、環境歴と検査所見を組み合わせて判断します。
項目ポイント
問診住環境・職業歴・ペット飼育歴などが重要
画像検査
(胸部X線・CT)
診断の中心。肺の構造変化を評価できる。
びまん性陰影すりガラス影など
血液検査炎症所見、特異抗体の検出
呼吸機能検査拘束性換気障害を示すことが多い
聴診捻髪音(fine crackles)を聴取することがある
  • 治療の基本は、原因となる有機粉塵からの回避です。
  • 原因環境の改善(カビ除去、換気、飼育環境の見直しなど)
  • 症状が強い場合には副腎皮質ステロイドを使用することがあります。
    👉 原因曝露が続くと、慢性化・線維化する可能性があるため、早期対応が重要です。

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▶ 塵肺症
▶︎ 過敏性肺臓炎

📝 チェックリストで重要ポイントを一気に確認!

塵肺症

☑︎ 概念
長期的な無機粉塵の吸入により、
 肺に線維化をきたす疾患の総称
☑︎ 原因
遊離ケイ酸 → 珪肺
アスベスト → 石綿肺
☑︎ 病態
・無機粉塵が肺に沈着
 → 慢性的に線維化が進行
☑︎ 症状
・初期は無症状のことが多い。
進行すると息切れ・咳などが出現
☑︎ 合併症
結核(珪肺)
悪性胸膜中皮腫、肺癌(石綿肺)
☑︎ 診断
画像診断が中心
・呼吸機能検査で拘束性換気障害
☑︎ 治療
原因暴露の中止対症療法、合併症の予防

過敏性肺臓炎

☑︎ 概念
有機粉塵の反復吸入により生じる
 免疫反応性の間質性肺炎
☑︎ 原因
・家屋内のカビ → 夏型過敏性肺臓炎
・鳥の羽毛・排泄物 → 鳥飼病
・牧草中の好熱性放線菌 → 農夫肺
・エアコン・加湿器内のカビ → 換気装置肺炎
☑︎ 病態
・有機粉塵に対するⅢ型アレルギー(免疫複合体型)
・慢性例ではⅣ型アレルギーも関与
☑︎ 症状
・原因暴露後、数時間以内に出現。
発熱・乾性咳嗽・呼吸困難
☑︎ 診断
環境歴が重要。画像検査が中心。
・呼吸機能検査では拘束性換気障害を示す
☑︎ 治療
原因抗原の回避が最重要。環境改善
・症状が強い場合は副腎皮質ステロイド

※ 記事作成には正確を期しておりますが、内容に誤りや改善点がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後の教材作成の参考にさせていただきます。

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▶ 塵肺症
▶︎ 過敏性肺臓炎

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