
COPDと気管支喘息は、
どちらも閉塞性換気障害ですよね?
何が違うのでしょうか?

(管理人)
一番大きな違いは、
COPDは不可逆的、喘息は可逆的な
閉塞性換気障害という点です。
クイズを解きながら、
病態や治療の違いも整理していきましょう。
🔰 この記事について
本記事は、「解いて覚える」をコンセプトにした 慢性下気道疾患 の5択クイズ記事です。
(※詳細な要点解説は別記事にしています)
診療情報管理士の認定試験(基礎・医学編)をベースに、医療系国家試験の出題範囲を中心に構成しています。
出題対象は以下のとおりです👇
🩺 学習の進め方
この 慢性下気道疾患 シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
- まずはこのページの 5択クイズ に挑戦して理解度を確認
- 間違えた部分や曖昧な部分を、要点解説記事 でしっかり整理
- 最後にもう一度クイズを解いて、知識を確実に定着
👉 要点解説記事は以下のリンクからチェックしてください。
💡 学習のポイント
📄 PDFダウンロード対応
印刷しての復習はもちろん、
講師の方が授業資料や小テスト用としてもご利用いただけます。
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✏️ 5択クイズに挑戦!疾患名 のポイントをチェック
👇 いきなり問題を解くのが不安な人は、以下の要点解説記事へ
問1:慢性閉塞性肺疾患(COPD)について、正しい記述はどれか。
- 肺水腫と間質性肺炎を合併した疾患である。
- アレルギー的機序で発症する。
- 肺機能検査では、1秒率の低下が認められる。
- 診断には、CT検査が必須である。
- 進行した場合でも、投薬治療により肺機能の改善が期待される。
解答
正しい記述は、3 です。
解説
- 誤り。COPDは、肺気腫および慢性気管支炎を主病変とする慢性疾患です。肺水腫や間質性肺炎は、COPDとは異なる病態です。
- 誤り。COPDは、長期間の有害物質への曝露によって発症します。特に喫煙が最大の危険因子であり、アレルギー性機序が主体となる疾患ではありません。
- 正しい。COPDでは、不可逆的な閉塞性換気障害をきたします。そのため、肺機能検査では1秒率(FEV1%)の低下が認められます。
- 誤り。COPDの診断は、呼吸機能検査(スパイロメトリー)が基本です。CT検査は、肺気腫の分布や重症度評価に有用ですが、診断に必須ではありません。
- 誤り。COPDは不可逆的な病態であり、治療によって低下した肺機能を回復させることは困難です。治療の目的は、症状の軽減や増悪の予防、病勢進行の抑制です。
👉 慢性閉塞性肺疾患(COPD) については、こちら で詳しく解説しています。
問2:肺気腫優位型COPD(気腫型)について、誤っている記述はどれか。
- 肺胞壁の破壊により、肺の収縮力が低下する。
- 先天性の原因として、α1-アンチトリプシン欠損症がある。
- 口すぼめ呼吸やビール樽状胸郭がみられる。
- 粘液性の痰を伴う咳嗽が、冬期や明け方に強くみられる。
- 高濃度酸素投与は、CO2ナルコーシスのリスクがある。
解答
誤っている記述は、4 です。
解説
- 正しい。肺気腫では、肺胞壁の破壊により肺胞の弾性が低下します。その結果、呼気時に肺が収縮しにくくなり、空気が肺内に残りやすくなります。
- 正しい。α1-アンチトリプシン欠損症は、先天的に肺胞破壊が進行しやすく、若年発症のCOPD(特に気腫型)の原因となります。
- 正しい。呼気時の気道虚脱を防ぐため、口すぼめ呼吸がみられます。また、残気量の増加による肺の過膨張により、ビール樽状胸郭を呈します。
- 誤り。粘液性の痰を伴う咳嗽が特徴的なのは、慢性気管支炎型COPD(非気腫型)です。非気腫型では、湿性咳嗽が冬期や明け方に強くみられる傾向があります。
- 正しい。COPDでは慢性的な高CO₂血症により、低酸素刺激が呼吸の主なドライブとなっています。そのため、高濃度酸素投与により低酸素刺激が消失すると、呼吸抑制(CO₂ナルコーシス)を起こすリスクがあります。
👉 肺気腫優位型COPDやCO2ナルコーシス については、こちら で詳しく解説しています。
問3:慢性閉塞性肺疾患(COPD)の特徴的所見について、誤っている記述はどれか。
- 呼気性の呼吸困難がみられる。
- 肺コンプライアンスが低下する。
- 肺拡散能が低下する。
- 呼吸機能検査で、残気量の増加を認める。
- X線で横隔膜の平坦化を認める。
解答
誤っている記述は、2 です。
解説
- 正しい。COPDは閉塞性換気障害をきたす疾患であり、呼気が障害されるため、呼気性の呼吸困難がみられます。
- 誤り。肺コンプライアンスは、気腫型COPDでは上昇します。肺胞壁の破壊により肺の弾性が低下し、肺が過度に膨らみやすくなるためです。
- 正しい。気腫型COPDでは、肺胞壁の破壊によってガス交換面積が減少します。その結果、肺拡散能(DLco)が低下し、低酸素血症をきたします。
- 正しい。肺胞の収縮力低下や呼気障害により、空気が肺内に残留します。そのため、呼吸機能検査では残気量の増加が認められます。
- 正しい。肺の過膨張により、横隔膜は押し下げられ、平坦化します。これは特に気腫型COPDに特徴的な胸部X線所見の一つです。
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問4:びまん性汎細気管支炎(DPB)について、正しい記述はどれか。
- 非喫煙者に発症することは少ない。
- 無症状または軽度の痰がみられる。
- 慢性副鼻腔炎を合併することが多い。
- 肺拡散能の低下がみられる。
- 吸入ステロイドが第一選択である。
解答
正しい記述は、3 です。
解説
- 誤り。DPBは、非喫煙者にも発症する疾患です。喫煙歴との関連は弱く、喫煙の有無にかかわらず発症します。
- 誤り。DPBでは、慢性の咳嗽と多量の膿性痰が特徴的です。無症状や軽度の痰にとどまることはありません。
- 正しい。DPBでは、慢性副鼻腔炎を高率に合併します。このため、「副鼻腔気管支症候群」として扱われることもあります。
- 誤り。DPBの病変は細気管支が主体であり、肺胞病変は比較的少ないため、肺拡散能(DLco)は保たれるのが一般的です。
- 誤り。DPBの第一選択治療は、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与です。これは抗菌作用ではなく、抗炎症作用を目的とした治療です。
👉 びまん性汎細気管支炎(DPB) については、こちら で詳しく解説しています。
問5:気管支喘息について、正しい記述はどれか。
- 不可逆的な気道閉塞が生じる。
- 主症状として労作性呼吸困難がある。
- 発作時には、発熱がみられる。
- 発作時には吸入ステロイドを用いる。
- 1秒率の低下はβ2刺激薬で改善する。
解答
正しい記述は、5 です。
解説
- 誤り。気管支喘息の気道閉塞は、可逆的であることが特徴です。発作時には気道狭窄が生じますが、非発作時には正常に戻ります。
- 誤り。気管支喘息の主症状は、発作性の呼気性呼吸困難、喘鳴、咳嗽です。労作性呼吸困難の持続は、主にCOPDでみられます。
- 誤り。気管支喘息の発作は、気道の攣縮や炎症によって起こるものであり、通常、発熱は伴いません。
- 誤り。吸入ステロイド薬は、気道炎症を抑える長期管理薬です。発作時の治療には、短時間作用型β₂刺激薬(SABA)が用いられます。
- 正しい。気管支喘息では、可逆的な気道狭窄が生じます。そのため、β₂刺激薬などの気管支拡張薬により1秒率の低下は改善します。
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問6:気管支喘息の非アトピー型について、正しい記述はどれか。
- Ⅰ型アレルギーが関与する。
- 10歳以下の小児に多い。
- IgE抗体の産生がある。
- 通年性で季節による変動は少ない。
- 治療にはアスピリンを用いる。
解答
正しい記述は、4 です。
解説
- 誤り。Ⅰ型アレルギー(IgE介在性)が関与するのは、アトピー型気管支喘息です。非アトピー型では、Ⅰ型アレルギーは主な機序ではありません。
- 誤り。10歳以下の小児に多いのはアトピー型気管支喘息です。非アトピー型気管支喘息は、成人発症が多いのが特徴です。
- 誤り。IgE抗体の産生は、アトピー型気管支喘息でみられます。非アトピー型では、IgEの関与は認められません。
- 正しい。非アトピー型気管支喘息は、通年性で、季節による変動は少ないのが特徴です。ただし、感冒(風邪)や運動、薬剤などを契機に悪化することがあります。
- 誤り。アスピリンはNSAIDsの一つであり、アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)の原因となります。治療には、吸入ステロイドやβ₂刺激薬などが用いられます。
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問7:気管支拡張症について、正しい記述はどれか。
- 先天性の原因として、カルタゲナー症候群がある。
- 気管支の拡張は可逆的である。
- 多量の膿性痰が必須である。
- 慢性副鼻腔炎を合併することは少ない。
- 呼吸機能検査では、初期から1秒率の低下を認める。
解答
正しい記述は、1 です。
解説
- 正しい。カルタゲナー症候群は、線毛運動障害をきたす先天性疾患です。その結果、気道の自浄作用が低下し、反復する感染を通じて気管支拡張症を発症します。
- 誤り。気管支拡張症における気管支の拡張は不可逆的です。一度拡張した気管支は、治療によって正常構造に戻ることはありません。
- 誤り。多量の膿性痰を伴うWet typeと、無症状、または痰があっても軽度なDry typeがあります。
- 誤り。気管支拡張症では、慢性副鼻腔炎を合併することが多いのが特徴です。この点は、DPBとの鑑別や関連を考える上でも重要です。
- 誤り。気管支拡張症では、初期には呼吸機能が正常に保たれることが多いです。進行例では、感染の反復により閉塞性換気障害を呈することがあります。
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問8:慢性下気道疾患およびCO2ナルコーシスについて、正しい記述はどれか。
- 慢性閉塞性肺疾患では、在宅酸素療法の適応がある。
- びまん性汎細気管支炎は、日本では稀な疾患である。
- 気管支喘息では、チアノーゼやばち状指がみられる。
- 気管支拡張症では、末梢血の好酸球増加が認められる。
- CO2ナルコーシスでは、呼吸性アルカローシスをきたす。
解答
正しい記述は、1 です。
解説
- 正しい。慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、慢性低酸素血症をきたす進行例において、在宅酸素療法(HOT)の適応があります。
- 誤り。びまん性汎細気管支炎(DPB)は、日本を含む東アジアに多くみられる疾患です。日本では比較的よく知られており、稀な疾患ではありません。
- 誤り。チアノーゼやばち状指は、慢性的な低酸素血症をきたす疾患でみられます。気管支喘息では、非発作時にはこれらの所見は通常みられません。
- 誤り。末梢血の好酸球増加は、アトピー型気管支喘息などのⅠ型アレルギー疾患でみられます。気管支拡張症は、感染や炎症が主体であり、好酸球増加は特徴的ではありません。
- 誤り。CO₂ナルコーシスは、二酸化炭素(CO₂)が体内に貯留する状態であり、呼吸性アシドーシスをきたします。呼吸性アルカローシスは、過換気によるCO₂低下で生じます。
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