
先生、心弁膜症が苦手です…。
狭窄とか閉鎖不全とか、
特徴がごちゃごちゃになってしまいます。

(管理人)
それは病態を理解せずに丸暗記してしまっているからですね。
まず正常な弁の動きを押さえてから、
クイズで疾患ごとの重要ポイントを確認していきましょう!
🔰 この記事について
本記事は、「解いて覚える」をコンセプトにした心弁膜症の5択クイズ記事です。
(※詳細な要点解説は別記事にしています)
診療情報管理士の認定試験(基礎・医学編)をベースに、医療系国家試験の出題範囲を中心に構成しています。
出題対象は以下のとおりです👇
🩺 学習の進め方
この心弁膜症シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
- まずはこのページの 5択クイズ に挑戦して理解度を確認
- 間違えた部分や曖昧な部分を、要点解説記事 でしっかり整理
- 最後にもう一度クイズを解いて、知識を確実に定着
👉 要点解説記事は以下のリンクからチェックしてください。
💡 学習のポイント
📄 PDFダウンロード対応
印刷しての復習はもちろん、
講師の方が授業資料や小テスト用としてもご利用いただけます。
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✏️ 5択クイズに挑戦!心弁膜症のポイントをチェック
👇 いきなり問題を解くのが不安な人は、以下の要点解説記事へ
問1:心臓弁や心弁膜症について、正しい記述はどれか。
- 正常では、大動脈弁は心収縮期に閉じる。
- 正常では、三尖弁は心拡張期に開く。
- 僧帽弁は、右心室から右心房への逆流を防止する。
- 弁狭窄症では、血液の逆流が生じる。
- 弁閉鎖不全症は、先天性心疾患として発症することが多い。
解答
正しい記述は、2 です。
解説
- 誤り。正常では、大動脈弁は心収縮期に開き、左心室の血液が大動脈に送り出されます。
- 正しい記述です。正常では、三尖弁は心拡張期に開き、右心房の血液が右心室に流入します。
- 誤り。僧帽弁は左心房と左心室の間にあり、左心室から左心房への逆流を防止します。
- 誤り。弁狭窄症では、弁が十分に開かないために血液の通過が障害されます。
逆流が生じるのは弁閉鎖不全症です。 - 誤り。弁閉鎖不全症などの心弁膜症は、リウマチ熱や感染性心内膜炎などの後天性要因が多く、先天性はまれです。
👉 正常な弁の動きや心弁膜症 については、こちら で詳しく解説しています。
問2:僧帽弁狭窄症について、正しい記述はどれか。
- 原因は、僧帽弁逸脱症が多い。
- 収縮期に血液の逆流が生じる。
- 左心房圧が低下する。
- 心房細動を併発することはまれである。
- 拡張期に遠雷様の雑音が聴取される。
解答
正しい記述は、5 です。
解説
- 誤り。主な原因はリウマチ熱です。
僧帽弁逸脱症は、僧帽弁閉鎖不全の代表的な原因の一つです。 - 誤り。僧帽弁狭窄症では拡張期に左心房から左心室への血流が障害されます。
収縮期の逆流は僧帽弁閉鎖不全症の所見です。 - 誤り。血液が左心房に貯留するため、左心房圧は上昇します。
その結果、肺高血圧や右心不全につながります。 - 誤り。左心房が拡大すると電気の流れが不安定になり、心房細動をしばしば合併します。
心房細動は脳塞栓症のリスク因子となります。 - 正しい記述です。拡張期に狭い弁口を血液が通過するとき、「遠雷様の拡張期ランブル」と呼ばれる雑音が聴取されます。
👉 僧帽弁狭窄症 については、こちら で詳しく解説しています。
問3:大動脈弁狭窄症について、正しい記述はどれか。
- 左心に容量負荷がかかる。
- 狭心痛・労作性呼吸困難・チアノーゼが三徴である。
- 大脈・速脈となる。
- II音の固定性分裂により診断される。
- 重症例では、経カテーテル大動脈弁治療が行われる。
解答
正しい記述は、5 です。
解説
- 誤り。大動脈弁狭窄により、左心室に圧負荷がかかります。
一方、大動脈弁閉鎖不全では、逆流により左心室に容量負荷がかかります。 - 誤り。大動脈弁狭窄症の三徴は狭心痛・労作時呼吸困難・失神であり、チアノーゼはむしろ先天性心疾患(例:ファロー四徴症)で代表的にみられる所見です。
- 誤り。心拍出量が制限されるため、脈は小さく立ち上がりが遅い(小脈・遅脈)のが特徴です。
- 誤り。II音の固定性分裂は心房中隔欠損症(ASD)の特徴です。
大動脈弁狭窄症では、胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音が聴取されます。 - 正しい記述です。重症の大動脈弁狭窄症では、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI/TAVR)が行われます。
開胸手術に比べ体への負担が少なく、高齢者やハイリスク例で広く用いられています。
👉 大動脈弁狭窄症 については、こちら で詳しく解説しています。
問4:心弁膜症について、誤っているのはどれか。
- 僧帽弁閉鎖不全の原因として、心筋梗塞がある。
- 大動脈狭窄症の原因として、大動脈二尖弁がある。
- 大動脈弁閉鎖不全では、突然死の頻度が高い。
- 僧帽弁狭窄症では、左心房内に血栓ができやすい。
- 僧帽弁閉鎖不全では、左心不全症状がみられる。
解答
誤っている記述は、3 です。
解説
- 正しい記述です。心筋梗塞後では、乳頭筋の障害や左心室拡大によって弁尖の閉鎖が不十分となり、僧帽弁閉鎖不全が生じます。
- 正しい記述です。大動脈弁狭窄症の原因としては、大動脈二尖弁・リウマチ性・加齢による変性(石灰化)が代表的です。
- 誤り。突然死の頻度が多いのは大動脈弁狭窄症です。
特に狭心痛・失神・労作時呼吸困難など症状が出現してからが危険で、無症候の間はリスクは比較的少ないとされています。 - 正しい記述です。僧帽弁狭窄症では、左心房圧上昇により左心房が拡大し、心房細動の合併+血流うっ滞を背景に、特に左心耳に血栓ができやすくなります。
- 正しい記述です。僧帽弁閉鎖不全症では、左室から左房への逆流により左心不全症状(労作時呼吸困難・肺うっ血など)が出現します。
👉 心弁膜症 については、こちら で詳しく解説しています。
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