
先生、不整脈って種類が多すぎて、
どれも同じに見えてきます……。

(管理人)
確かに、名前も似ていてややこしいですよね。
でも、仕組みを押さえれば丸暗記しなくても大丈夫。
クイズを通して、整理していきましょう!
🔰 この記事について
本記事は、「解いて覚える」をコンセプトにした不整脈の5択クイズ記事です。
(※詳細な要点解説は別記事にしています)
診療情報管理士の認定試験(基礎・医学編)をはじめ、医療系国家試験の出題範囲を中心に構成しています。
出題対象は以下のとおりです👇
🩺 学習の進め方
この不整脈シリーズは、
「5択クイズ編」と「要点解説編」 の2本立てになっています。
おすすめの使い方👇
1️⃣ まずはこのページの 5択クイズ に挑戦して理解度を確認
2️⃣ 間違えた部分や曖昧な部分を、要点解説記事 でしっかり整理
3️⃣ 最後にもう一度クイズを解いて、知識を定着させましょう
👉 まずは要点解説記事を読みたい人は、こちらの記事リンクからどうぞ。
💡 学習のポイント
📄 PDFダウンロード対応
印刷しての復習はもちろん、講師の方が授業資料や小テスト用としてもご利用いただけます。
PDFダウンロードボタンからどうぞ👇
✏️ 5択クイズに挑戦!主要な不整脈を一気に確認
問1:以下のうち、致死性の不整脈はどれか。全て選択せよ。
- 心房細動
- 心房粗動
- 心室細動
- 心室頻拍
- 3度房室ブロック
解答
致死性の不整脈は、3、4、5です。
解説
- 致死性不整脈とは、心拍出が保てず生命に直結する不整脈を指します。
- 代表的なのは、心室性の頻脈性不整脈(心室頻拍・心室細動)と、興奮伝導が途絶する高度徐脈性不整脈(3度房室ブロック)です。
- 一方、心房細動や心房粗動は脈が不整でも血行動態が維持されるため、原則として致死性には分類されません。
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問2:以下のうち、徐脈性の不整脈はどれか。全て選択せよ。
- 洞不全症候群
- 心房細動
- 心房粗動
- 心室細動
- 房室ブロック
解答
徐脈性の不整脈は、1 と 5 です。
解説
- 徐脈性不整脈は、心拍数が60回/分未満となる不整脈で、洞結節や房室伝導の異常により心拍が遅くなる状態を指します。
- 代表例が洞不全症候群(洞の働きが低下)と房室ブロック(刺激伝導の途絶)です。
- 一方、心房細動・心房粗動・心室細動はいずれも頻脈性であり、徐脈性には含まれません。
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問3:脳塞栓症を起こす危険性が最も高い不整脈はどれか。
- 心房細動
- 心房粗動
- 心室細動
- 房室ブロック
- 発作性上室性頻拍
解答
脳塞栓症を起こす危険性が最も高い不整脈は、1です。
解説
- 心房細動では、心房が無秩序に震えて血液がよどみ(うっ滞)、左心房内(特に左心耳)に血栓が形成されやすくなります。
- この血栓が脳血管へ流入すると、心原性脳塞栓症を起こします。
- 心房粗動や他の不整脈でも塞栓の可能性はありますが、危険性が最も高いのは心房細動です。
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問4:アダムス・ストークス症候群の原因となる不整脈はどれか。全て選択せよ。
- 洞停止
- 心房細動
- 上室性期外収縮
- WPW症候群
- 3度房室ブロック
解答
アダムス・ストークス症候群の原因となる不整脈は、1 と 5 です。
解説
- アダムス・ストークス症候群は、一過性の心拍出停止による失神発作です。
- 原因は、洞結節や房室伝導の働きが途絶する重度の徐脈性不整脈で、代表的なのが洞停止と完全(3度)房室ブロックです。
- これらでは脳血流が途絶し、失神・けいれん様発作を起こすことがあります。
- 一方、心房細動やWPW症候群などの頻脈性不整脈は原因とはなりません。
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問5:不整脈について、正しい記述はどれか。
- 発作性上室性頻拍は、洞房結節の働きが低下して起こる。
- 心房粗動では、心房が規則正しく頻回に興奮する。
- WPW症候群では、徐脈になる。
- R on T現象は、安全な不整脈である。
- 心室性期外収縮では、洞停止が起こる。
解答
正しい記述は、2 です。
解説
- 誤り。発作性上室性頻拍(PSVT)は、心房や房室結節を起点とするリエントリー(再興奮)が原因です。
洞房結節の機能低下で起こるのは洞不全症候群です。 - 正しい。心房粗動では、心房が規則正しく頻回に興奮します(毎分250〜350回)。
心電図では鋸歯状(のこぎり)波が特徴です。 - 誤り。WPW症候群は、副伝導路(ケント束)を介して心房から心室へ興奮が伝わる疾患です。
この異常経路によりリエントリーが生じ、頻脈性発作(発作性上室性頻拍)を起こします。
したがって、徐脈ではなく頻脈となります。 - 誤り。R on T現象は、T波(再分極期)にR波が重なる危険な心室性期外収縮です。
重症化すると心室細動(VF)に移行する可能性があり、安全ではありません。 - 誤り。心室性期外収縮は、心室が洞結節以外から早期に興奮するものです。
洞停止は、洞房結節の興奮が一時的に途絶する状態で、洞不全症候群に分類されます。
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問6:不整脈の心電図波形について、正しい記述はどれか。
- 心室性期外収縮では、デルタ波が特徴的である。
- 心室細動では、細動波がみられる。
- 心房細動では、鋸歯状波がみられる。
- 心室頻拍では、幅広いQRS波が規則正しく連続して出現する。
- 3度房室ブロックでは、PQ間隔の延長がみられる。
解答
正しい記述は、4 です。
解説
- 誤り。デルタ波はWPW症候群の特徴で、心室性期外収縮(VPC)ではみられません。
VPCでは、幅広いQRS波が単発または連発して早期に出現します。 - 誤り。「細動波(f波)」がみられるのは心房細動です。
心室細動では、振幅も周期も異なる無秩序な波形となり、脈は触れません。 - 誤り。鋸歯状波(のこぎり波)がみられるのは心房粗動であり、心房細動では細動波が出現します。
- 正しい。心室頻拍(VT)では、心室起源の興奮が規則的に連続して発生します。
そのため、幅広いQRS波が一定の間隔で連続するのが特徴です。 - 誤り。PQ間隔の延長は1度房室ブロックの特徴です。
3度房室ブロックでは、心房と心室が完全に解離(房室解離)しており、PQ間隔は一定ではありません。
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問7:不整脈の治療について、正しい記述はどれか。
- 発作性上室性頻拍は、無症状が多いため経過観察で良いことが多い。
- 心房粗動は、人工ペースメーカーの適応となる。
- 洞房ブロックは、カテーテルアブレーション(電気的焼灼術)の治療対象となる。
- 心房細動の治療は、電気的除細動(電気ショック療法)のみである。
- 3度房室ブロックは、人工ペースメーカーの適応となる。
解答
正しい記述は、5 です。
解説
- 誤り。発作性上室性頻拍(PSVT)は、突然の動悸や胸部不快感を伴うことが多く、
無症状で経過観察のみとすることは少ないです。
発作時には迷走神経刺激法やアデノシン静注が行われ、再発例ではカテーテルアブレーション(電気的焼灼術)が有効です。 - 誤り。心房粗動(AFL)は心房の興奮が一定方向に旋回する頻脈性不整脈であり、治療はカテーテルアブレーションが第一選択です。
ペースメーカーは、徐脈性不整脈(洞不全症候群・房室ブロックなど)に用います。 - 誤り。洞房ブロックは、洞結節から心房への伝導が途絶する徐脈性不整脈です。
治療は人工ペースメーカー植込みであり、カテーテルアブレーションは適応ではありません。 - 誤り。心房細動の基本治療は、抗凝固療法と心拍数コントロールです。
除細動が唯一の救命手段となるのは心室細動です。 - 正しい。3度房室ブロック(完全房室ブロック)は、心房と心室の興奮が完全に遮断される重度の徐脈性不整脈です。
人工ペースメーカーの植込みが必須であり、失神(アダムス・ストークス症候群)を防ぐためにも早期治療が必要です。
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